僕を恫喝した菅内閣のある大臣 「書いた奴を連れて来なさい!」 電話口で怒声が響き渡った
TABLO / 2020年9月19日 10時30分
![僕を恫喝した菅内閣のある大臣 「書いた奴を連れて来なさい!」 電話口で怒声が響き渡った](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_31429_0-small.jpg)
大臣就任、頑張ってください(撮影・編集部)
先日、菅義偉総理の元、新内閣の顔触れが発表されました。支持率は新聞・通信社各社、概ね60%後半から70%前半。これは小泉内閣、鳩山内閣についで戦後三位に位置付られている驚異的な数字です。
もちろん、国民からのご祝儀や期待値も含まれているのでここからがお手並み拝見という所。またテレビの報道の仕方も菅総理の素顔や河野太郎行革相、平井卓也デジタル相などの「変わり種」大臣を期待大として取り上げているので、この支持率は予想通りでしょう。
ところで、内閣の顔ぶれを見ていると懐かしい顔を発見しました。
「あ、この大臣、以前僕を事務所に呼びつけて恫喝した人だ」と。
かれこれ10年以上前になるでしょうか。僕は当時、『実話ナックルズ』(大洋図書)という月刊誌の編集長をしておりました。記事内容はアウトロー、芸能、裏社会、都市伝説などを盛り込んだいわゆる「コンビニ雑誌」です。そして、たまに政治記事も盛り込んでいました。
その中で、ある国会議員の「疑惑」報じました。官僚出身のその議員のコネについての記事でした。これは実は他誌でも報じられていたので、当時はメディアの間でも話題になっていたと記憶しています。
雑誌は発売されたら編集長の役割は「ハイ終わり」ではありません。それから一週間くらい経ってからが勝負とも言えます。すなわち抗議への対応です。極端な時は半年たってから抗議が来る時もあります。
その議員の弁護士から内容証明書の抗議が届いたと記憶しています。その頃、僕はヤクザ、右翼、芸能人、文化人から結構な抗議を受けて、処理をしていたのですが、国会議員は初めてでした。国会議員は公共性・公益性を帯びた公人なので、その一挙手一投足は当然、報じられる事になります。ましてスキャンダルなどはもっての他です。疑惑があれば、当たり前のようにライターには書いてもらう、そういう構えでした。
そして、疑惑に対する説明責任は公人たる議員にあるとも捉えていました。これは数多く抗議を受けて、弁護士とも度々話し合って持っていた僕なりの公人に対する考え方です。内容証明書はかなりもらっていたのですが、まず相手がどれくらい怒っているのか、知りたいと思いました。これは、裁判になる前の段階のマニュアルと言っても良いでしょう。
相手弁護士を通して、議員と話す事が出来ました。議員が言うには「事実無根だ」。が、こちらは「真実に相当たる理由があるから書いている」。真っ向対立になります。そして非常に印象に残っているのが「誰が書いたんだ、こんな事! 連れて来なさい」というセリフ。これを執拗に言っていました。
参考記事:現役国会議員ケンカ最強は誰だ!? 「怒らせたら怖いのはこの人」ベスト3|久田将義 | TABLO
通常、抗議というものは雑誌の場合、表4と言わている裏表紙に書かれている発行人、編集人に向けて行われます。ライター本人にももちろん行きますが、書き手を狙い撃ちしていく、いわゆるスラップ訴訟はこの頃、2000年代初頭から流行していったという印象です。
あまりに強行、かつ執拗だったので根負けする形で相手議員の弁護士事務所に行く事なりました。
議員はライターの顔をとにかく見たかったようで、雑誌の責任者たる編集長の顔を見れば良いのでは、と僕にはその気持ちがわかりませんでしたがとりあえず満足しているようでした。
話す内容としては「とにかく謝罪しろ、そうでなければ裁判だ。他の雑誌もそうさせている」の一点張りでした。相手弁護士は黙ったままで「この議員の怒りの為にこういった席を設けさせられたのかな」と感じていました。ちょっと気の毒でした。
話が長いので、「先生も他の雑誌と裁判を抱えていますよね」と言い、またある団体とも争っていたはずなのでその点を踏まえながら「僕らと争っても先生の負担が増えるだけではないでしょうか」と諭すように言った覚えがあります。
すると結果的には「それもそうだな」という感じで引いてくれました。最後は無理やり「これからは宜しく頼むな」と握手をさせられて、携帯電話の番号も交換した記憶があるのですが今のスマホにはその議員の携帯番号は入っていません。
菅新内閣の顔ぶれを見て、そしてその「新大臣」の顔を見て、ぼんやりと記憶をたどってみました。テレビでは嬉しそうでした。おめでとうございます。とは言いません。就いたポストは大変、重要です。国民一人一人の顔を見てこなさなければならない省庁です。手足となって働く官僚には恫喝などせず、器量の大きなところを見せて頂きたいものです。人はそれを見てついていくものですから。(文◎久田将義)
関連記事:政治家はもう自分を戦国武将に例えるのはヤメて! 自民党総裁選で記者からお決まりの質問 各候補者はどう答えたか|プチ鹿島 | TABLO
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