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いまだ続く飲食店の悲鳴 再三のバッシングを受けた歌舞伎町に人は戻って来るのか

TABLO / 2020年9月23日 10時30分

いまだ続く飲食店の悲鳴 再三のバッシングを受けた歌舞伎町に人は戻って来るのか

写真はイメージです

コロナ禍に翻弄された2020年もすでに4分の3が過ぎようとしている。コロナのひとつのキーポイントと言われるワクチン製造の可否に関心も大きいが、それでもアフターコロナかwithコロナかの違いだけで、どちらにしてもコロナ以前とは大きく生活様式が変わることは避けられない。特にいわゆる繁華街は180度思考を変えざるを得ないくらい、強い影響を受けた。

首都東京では、緊急事態宣言下で「戦犯」のように糾弾され続けた新宿・歌舞伎町にその影響は色濃い。なかでも、被害が直撃したのは飲食店であった。その最たるものがチェーン店の撤退だ。

参考記事:なぜ「おっぱいパブ」はクラスター感染を発生させるのか そのメカニズムを徹底解説 コロナ禍において重要視すべき営業形態 | TABLO

ゲーム「龍が如く」のモデルとなった歌舞伎町一番街では、大手牛丼チェーン店と著名な回転寿司店が閉店した。双方とも長く営業してきた店で、どちらもコロナウィルスの影響で……とは明言していないが、街の人間は「やはり、コロナで」と推測している。また、同じ一番街では新宿地区では知られた焼肉店も閉店の憂き目にあっている。

一番街は実質的に、歌舞伎町のメインストリートであり最も混雑する場所のひとつだ。そこで長年営業していたチェーン店が撤退したことは、いかにコロナ禍が繁華街にとって致命的だったかの証左とも言えるのではないか。

もちろん、チェーン店以外もコロナ禍に大苦戦している。歌舞伎町では知らない人はいないという、某飲食店も現在の客足は「(コロナ以前の)半分か3分の1くらい」と嘆く。それらの店の多くは消毒液を店頭におき、ソーシャルディスタンス的にも密を避け、換気もしているが、それでも一度植え付けられた“恐怖”はそう簡単には取り除くことが出来ないのだ。

そしてその恐怖からくる行動は、テレビなどのマスコミ報道により、「普通の人」たちが(控えめにいって)やや過剰な警戒感持って街に寄り付かなくなったことで増幅される。

実際、客足が半分以下になったという飲食店のスタッフによると、現在はいわゆる常連客だけで店を回しているような状態になっているという。区役所通りにある別の人気飲食店の経営者は「最近よく来てくれるのは、常連さんとホストだけだよ」とやや自嘲的に話した。

経営者がなぜ自嘲的かと言うと、コロナ禍でこの経営者自身が、「(自分たちは)密を避け消毒もし、真面目にやっているのに……」とホストの奔放な行動に批判的な目を向けていたからである。その気持ちはよくわかるのだ。

関連記事:やり過ぎ!? ついに警察がホストクラブに立入り調査 ホストを追い詰める政府に解決の糸口は見えているのか | TABLO

いずれにしても、アフターコロナであろうと、withコロナであろうと、歌舞伎町を始めとする繁華街がかつて隆盛を取り戻すのは容易なことではないだろう。いまになってお上やマスコミは経済も大事とアナウンスしているが、その彼らがコロナ以前は「ナイトタイムエコノミー」が経済活性化を呼ぶと持ち上げ、なかんずくマスコミは、インバウンドの象徴として新宿の繁華街を再三再四、好意的に取り上げていたのだ。ご都合主義とはまさにこのことではないか。(文◎堂本清太)

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