これが日本の現実 生活保護費は「高齢者」が一番もらい、生活が大変な「母子家庭」は最も少ない
TABLO / 2018年5月25日 17時0分
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筆者の地元は地方なのですが、そこにいる知人が生活に困難を抱える家庭を支援する仕事をしています。担当地区の家庭を回って相談を受けたり、生活保護を勧めたりするそうなのですが、この生活保護をかたくなに拒否する家庭も少なくないのだとか。そのなかには、受給しないと確実に生活が立ちゆかなくなる状況の人もいるらしく、その知人は頭を悩ませていました。そこで今回は、生活保護の現状について推し量れるデータを調査してみましょう。
まず、グラフ1は生活保護を受けている世帯総数と保護率(ともに月平均)です。保護率は「被保護実人員(1か月平均)」÷「各年10月1日現在総務省推計人口(総人口)」×1000 で算出されたもので、総人口比に対して保護を受けている人の割合となります。
グラフを見ると、2014年に160万世帯を超えて、2016年は162万8465世帯。ここ数年間の保護率は横ばい状態ですが、昭和や平成初期の頃に比べると、生活保護を受給している世帯は年々増加傾向あります。
次にグラフ2は、世帯類型別の被保護者世帯数の推移です。最も多いのが高齢者世帯で、障害者・傷病者、その他の世帯、母子世帯と続きます。何かと大変そうな母子世帯が最も少ないというのは驚きですが、おそらく働けると判断されて受給できないという人も多いからかもしれません。
最後にグラフ3とグラフ4は保護の開始と廃止の主な事由をまとめたものとなります。開始の事由は傷病や収入減少・喪失など、ある程度想像できそうな内容です。
一方、廃止の事由のトップが死亡、収入の増加や取得と続き、3位に入っているのはなんと失踪。生活保護を受給した後でも、いろいろと問題が多いことが伺えるデータです。
よく「働かずにお金をもらうなんて許せない」という言葉を聞きますが、これは問題を十把一絡げにしすぎていて、議論する価値もありません。
とはいえ、生活保護を受けることは国民の権利なのですが、社会全体のイメージとして「恥ずかしい」という意識は確実に存在していますし、深く根付いてしまっていてすぐに消すことは不可能でしょう。
自分ならどうするかと考えたとき、やはり即答はできないなというのが正直なところ。お金とプライドが絡む問題というのは、本当に難しいですね。(文◎百園雷太)
【グラフ出典】
出典は厚生労働省「被保護者調査」より。
データ1とデータ2は出典の集計結果をもとに筆者がグラフ化しています。
グラフ3とグラフ4は同調査の「結果概要」からの転載となります。
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