なぜ…? 秋田県内で「梅毒」が急増している理由
TABLO / 2020年10月21日 10時50分
写真はイメージです
秋田県内での梅毒急増のニュースが一部の関係者を騒めかせている。10月17日の毎日新聞によれば、10月11日までに感染者として県に報告があった人数は64人。これは、統計方式を変更してから最高の数であり、また過去最多だった昨年2019年の倍以上の数字にもなっている。
ちなみに他の地方同様、秋田県でも新型コロナウイルスに対しては敏感になっているが、それでも感染者は59人(うち58人が回復、10月19日現在)であり、また感染で命を落とした人はいない。一方で梅毒は早期治療(初期症状を見落としやすい)を怠ったことによる重症化や、妊婦が感染した際に胎児に影響を及ぼす可能性などを考えると、むしろコロナではなく、梅毒へのパンデミック警報が発令されてもおかしくない、と筆者などは考えてしまう。
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実はこの梅毒、全国的にみても増加傾向にあるのだが、秋田県内の梅毒増加にはある特徴がある。それは、毎日の記事中にもあるのだが、性風俗産業の周辺で増加傾向がある、ということだ。むろん、代表的な性感染症でもある梅毒が、性風俗周辺でリスクが高くなるのは仕方ないのかもしれない。
しかし、今回の「梅毒パンデミック」を日本全体としてみると、全国的には20代女性を中心に性風俗従事者・利用者以外にも感染が拡がっている。それに対し、秋田県内では性風俗産業中心……つまりは、トレンドから外れているというわけだ。
さて、問題はなぜ秋田県だけがトレンドから外れ、性風俗産業周辺に影響が出ているのか? ということである。偏りの原因(要因)に関して、県の感染症情報センターなどから特に発表はみられないし、またその任でもないだろう。
そこで、風俗記者として筆者なりに考察してみた。結論としては、ふたつの原因(要因)が推測される。ひとつは違法性風俗・闇性風俗の跋扈。もうひとつは、転々虫による地方遠征だ。
まず前者だ。実は筆者がこの記事に関心を持ったのは2年前の2018年、やはり同じ東北、福島で梅毒の流行が見られていたからだ。この時も、性風俗との関係性がささやかれた。そして、その福島は秋田同様に違法風俗が跋扈している。業種を上げれば「援デリ」(援助交際を偽装した違法性風俗)などがその代表例といえよう。
このテの違法性風俗はまっとうな性風俗と比べて、衛生管理面が著しく劣る。また、「生」「中出し」など過激なサービスをウリにする場合も少なくない。言うまでもないが過激な分だけ、性感染症のリスクは高くなる。
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そして後者の転々虫。性風俗に疎い方のために説明すると、性風俗店を文字通り転々とする嬢のことだが、その彼女たちが新型コロナによる緊急事態宣言辺りから、地方へ遠征することが多くなった。もちろん、転々虫だから悪いというワケではないが、歌舞伎町で援デリなどの違法性風俗に従事していた嬢が、相当数地方行脚していることを筆者は耳にしている。そういった影響はやはり考えざるを得ないのだ。
いずれにしても、現在、東日本では東京に次いで梅毒感染者が多い秋田。そして一昨年、梅毒増加が懸念された福島(かつて東北のシカゴと呼ばれた歓楽街・郡山がある)、それに実質、東北の州都とも言える宮城・仙台などは、前にあげた感染要因が高い場所でもある。今後、性風俗ファンとしては、違法性風俗への警戒を怠らないことだ。(文◎堂本清太)
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