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日大アメフト・タックル問題で、長谷川豊さんがまたも得意の「知ったか」を語る!|吉田豪

TABLO / 2018年6月17日 7時4分


 ミスター逆張り・長谷川豊が、「日本をバカにする天才雑誌」こと『実話BUNKAタブー』(コアマガジン)2018年8月号で、またいつものようにピントの外れたトンチンカンなことを言ってたから報告してみます。
 今回のテーマは日大アメフト部の悪質タックル問題。逆張り大好きな長谷川さんのことだから、確実に日大を擁護するだろうとは思ったんですけど、この論調はさすがに想定外すぎました。

この問題ですが、運動部についてロクに知らない人たちが寄ってたかって騒ぎすぎです。問題視されているコーチの『あの選手を潰してこい』なんて言葉自体がガチガチの運動部では当たり前の叱咤。柔道部だった僕だって、当時は『潰す気でいけ!』といつも言われていました

 つまり、自分も運動部出身だからよくわかるけど、あれぐらい運動部なら当たり前のこと! 怒ってるのは運動部のことを知らない文化部のもやしっ子連中ばかり! ってことなんですよ!
 そして、長谷川さんはこう言い出すわけです。

そもそもアメフト自体が司令塔からボールを飛ばして、相手の陣地を潰していくという擬似戦争的な要素をウリにしたスポーツ」なので、「結局、パソコンをカタカタ叩いて誰かの批判をしたい残念な人たちが、アメフトのルーツも知らずに騒いでいるだけなんです」。

 どうですか、このトンチンカンぶり! ルーツがどうこう言い出したら、「サッカーの起源は、8世紀頃のイングランドで戦争に勝利したとき敵国の将軍の首を切り取って蹴り飛ばしていたことにあるんだから、人が死なないレベルのラフプレイで文句を言うのがおかしい」とか「総合格闘技のルーツは古代パンクラチオンなんだから、やりすぎて相手を殺しちゃっても全然問題ない」とか、そんな話になっちゃいますよ!

 ルーツ関係なく、ルールがちゃんと整備された競技で、同じ競技をしている人たちが「あれはやりすぎだ」とか言っているようなことについて、その競技をやったこともない長谷川さんが「僕も運動部だからわかるけど、みんな騒ぎすぎ!」と言い出すことが不可解すぎる!

 そう思ったら、長谷川さんが得意とするいつもの話へと移行していくわけです。

ワイドショーがなんの危機感もなく横並びでこの問題ばかりを報じているのにもウンザリしますが、これにも理由があります
このネタが取り上げられやすい理由は、大手芸能事務所が背後にいる事件ではないということがあります

 この主張自体に間違いはないのが長谷川さんの厄介なところで、「いじりやすい事件だからテレビで扱っていること」と「その事件が悪質かどうか」には何の因果関係もないはずなのに、こうして「ごく普通のことを大騒ぎする馬鹿なマスコミと、それに踊らされる馬鹿な国民」みたいな方向にミスリードしていくわけです。

 この件なんて、日大サイドの主張も被害者サイドの主張も記者会見等でいろいろ見聞きして、自分なりに立体的にした上でいろんな人が文句を言っていたはずなのに、最後に長谷川さんはこう結論付けてみせます。

会ったこともないのに断片的な報道に乗っかり『これは許せない』などと正義感ヅラした全日本人は猛省して下さい。リテラシーがなさすぎです!

 この長谷川さんの主張にあっさり乗っかっちゃう人の方が、明らかにリテラシーがないとボクは思いますよ!(文◎吉田豪 連載『ボクがこれをRTした理由』)

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