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ロストフの悲劇 日本はグループリーグで一回しか勝っていない件|久田将義

TABLO / 2018年7月3日 11時48分


 「ドーハの悲劇じゃん......」
 Jリーグ発足から見始めた、にわかの僕はつぶやきました。
 20年前のドーハの敗戦後も、テレビから映るピッチはこんな感じでした。ドーハも日本時間は朝方でした。眠い中、会社行ったらサッカーの話題ばかりでした。
 アディショナルタイムでの一点で負ける。野球で言えばサヨナラヒットになるのでしょう。これをまた繰り返してしまいました。

「何が足りないんでしょうね」

 西野監督が呆然と呟いたのは本音でしょう。
 いい意味でまさかの先制ゴール。原口、酒井宏、柴崎のようなごっつい顔の選手は「やる」と僕は見ています。やっぱり頑張ってくれました、原口元気。

 「どうせ負けるんだろう」。そう思われた西野JAPAN。ネットでは「ドラゴンボールZ」に例えられていて、日本はヤムチャ。イングランドとかブラジル、フランスは孫悟空スーパーサイヤ人、ベルギーはフリーザ、他の国はセルとか人造人間16,17号とか綺羅星のごとく。日本のヤムチャは可哀そう。だって空飛べないんですよ。いや飛べたっけ。せめてナメック星人にしてほしかった。

 二点先制した際、いい意味で「嘘だろー」と叫んでしまいました。さらに追加点で「マジ半端ねえ」と言ってしまいました。が、前半20分からずっと攻められっぱなし。「いずれ入るなベルギーのゴールは」と思いました。
「ベルギー半端ないって。後半三点も取る? 取れるんやったら言うてや。コーナーキックからのボールめっちゃ高い所でヘディングするし」
 滝川二高中西元主将だったらこういうでしょう。

 ともかくルカク(194cm100kg)のサイズはラグビー選手でも世界クラス。ラグビーにきてほしいです、ウィングかフルバックで。 
 コーナーキックからヘディング。こぼれ球をさらにヘディング。徹底的な空中戦で取られました。
 選手の悔し涙はよく分かります。まだ遠いけれど、勝ちが見えたはずです。大迫選手の試合後インタビューを打ち切って「もういいっすか」が、彼らの気持ちを代弁しています。訊ける状態ではなかったです。

 それでも日本は、決勝トーナメントは勇敢に戦いました。前回のポーランド戦が嘘のように。しかし決勝チームの勝敗をデータ化してみると、

●ベスト8進出チームの成績
・ブラジル(3勝1分け)
・ウルグアイ(4勝0敗)
・フランス(3勝1分け)
・ベルギー(4勝0敗)
・ロシア(3勝1敗)
・クロアチア(3勝1分け)

●ベスト8前のチームの成績
・コロンビア(2勝1敗)
・スウェーデン(2勝1敗)
・スイス(1勝2分け)
・イングランド(2勝1敗)

●決勝トーナメントで敗れたチームの成績
・ポルトガル(1勝2分1敗)
・スペイン(1勝1敗2分け)
・アルゼンチン(1勝2敗1分け)
・メキシコ(2勝2敗)
・デンマーク(1勝1敗2分け)

 そして日本代表(1勝2敗1分け)

 これを見ると予選で1勝しかしていないチームは大体決勝トーナメントで負けているというデータになります。

 結局、この大会では日本は1勝しかしていないのですね。これが西野監督の「何が足りないんでしょうね」の「何」ではないでしょうか。ワールドカップで2勝すれば「何か」を超える気がします。決勝トーナメントで男泣き。悔しいでしょう。で、あるなら、前試合のセネガル戦で一点取れば分からなかったかも知れません。あるいはポーランド戦でも。
 データから答えを出すにあたり、予選で2勝する事を目標にすべきで、フェアプレイ得点などあてにしての、「一敗でもいいや」だと、またベスト16でとどまってしまう気がしてなりません。(文◎久田将義)

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