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ネットで使用しない方が良い用語「マスゴミ」 日本でアメリカのような「分断」が起きないように

TABLO / 2020年11月11日 5時55分

ネットで使用しない方が良い用語「マスゴミ」 日本でアメリカのような「分断」が起きないように

日本では分断は起こしたくないものです(撮影・編集部)

どんなに良い事を言っていても「この単語を使うようだとそれ以降の論は聞きたくないな」。

そんな言葉がいくつかあります。人種差別用語はもちろん、身体的マイナスを揶揄するような言葉もそうです。

ネットではなぜか好んで使われる「マスゴミ」という表現。「バカなマスコミ」の意味だと思われますが、11月10日午前中ではTwitterのトレンドに入っていたので何事かと思いました。「トランプ大統領落選」「バイデン氏次期大統領当確」の報を受けての各自のツイートにトランプ寄りの人たちが「マスゴミ」という単語を入れて既存マスコミに対抗ツイートしていたようです。

ここで言う「マスゴミ」とは、五大新聞(朝日、読売、毎日、日経、産経)プラス東京(中日)新聞とテレビのキー局と思われます。

「大手マスコミは間違っている。ネットにこそ真実がある」。「マスゴミ」を使用する人にはこういった思考があるように感じます。この考え方は特に2011年3月11日、東日本大震災、福島第一原発事故以降、顕著になってきたように思えます。一部、ジャーナリストが出所不明の情報で放射能の恐さを煽っていた事にも起因されるでしょう。

確かにマスコミがとんでもない「事故」を起こしているのも事実です。朝日新聞サンゴ捏造事件、朝日新聞吉田証言、朝日新聞伊藤律架空会見などなど。1を5くらいにして報じる事はあるにしろ、0を10にして報道してしまうのは「ミス」のレベルではなく「事故」という表現がふさわしいかもしれません。

参考記事:「俺たちはネタにされたのか」 24時間テレビの震災追悼ねつ造企画に原発作業員が怒り 『朝日新聞サンゴ記事』級の失態 | TABLO

これらは厳しく糾弾されなければいけません。確かにマスコミはこのような大事故を起こします。それを頭に入れた上で、それでも「ある程度の真実」は伝えていると見るべきです。少なくとも、金とマンパワーを一般の方より使って、それなりに取材の訓練を受けた記者、ライターが書いています。「間違いはあるかも知れない。けれど報道も尊重しておこう」ぐらいの構え方が良いのだと思います。

けれど「マスゴミ」と言った時点で、議論が「0か100」になってしまいます。「マスコミの言っている事は間違っている」という。50の意見は通りません。これは結構危険な状態です。「聞く耳持たない」という事ですから。聞く耳を持つ事は非常に大事です。

僕は「この意見は絶対相いれない。けれどこの人が言う権利(表現・言論の自由)は守るべき」という立場です。

メディアの末席を汚している身としては、確かに傾向として周囲の記者、編集者、ライターは世間から見れば「サヨク」っぽい人が多い気がします。

因みに僕は右翼民族派の人は二十年前から付き合っていますが、同時に「ネット右翼」の人とも話す事があります(両者は全く別物と僕は見ています)。

「マスゴミ」「アカヒ」などと言った単語はもちろん、戦前の人が使っていたような、ここでは書けない、中国人や韓国人に対する差別語をご老人ではなく、アラフォー、アラフィフの人間が普通に使っているのに少し驚きます。それでも辛抱強く、彼らの言葉を聞いています。彼らも同じ日本人ですから。ここで「分断」しても良い事ないでしょう。ずっと聞いていて、「さすがにそこは少し違うのでは」と思った時は反論します。すると何となく意見交換のような事が出来るものです。

とはいえ、ゴリゴリの差別主義者には僕は鉄の壁を作ってしまいます。これは「言論の自由」には入りません。いや、厳密に言うと「言論の自由」とは何を言っても良い。しかしそれによって何が起きるのか自身が責任を持つ事。だと思っているので、責任を取ってもらうほかないのですが……。

「マスゴミ」(とそれに類する言葉)を使う人は、思考停止に陥っていると自ら表明しているようなものです。

「マスゴミを疑え」。その通り。

そして、その自分の主張も疑え。

「マスゴミ使い」はこの発想がないと思われます。なぜ出来ないのか。楽だからです。ある一方のポジションに立つと敵として認識出来ます。敵には何を言ってもよい。どう攻撃しても良い。シューティングゲームで一々、敵の事など考えません。それと同様です。

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これは陰謀史観につながっていきます。マスゴミが世間を動かしている→裏に●●という組織がいる・〇〇という人間がいる、というような発想です。

もしかして自分が間違っているのでは。そう反芻する事は結構キツイものです。それでも真実を求めたいなら、キツイ作業にも向き合わなければなりません。自分の反対の意見にもしかしたら、一片の光があるのかも知れません。

たかが、ツイッター、Facebookでしょう。が、SNSは自分だけが見る、日記ではないのです。全世界の人が見ています。もしかしたら、言葉一つで「大事故」を起こす可能性だってあるのかも知れない、という想像力を持つ事が大切です。

トランプ氏のツイッターを見ていると、アメリカの分断はSNSが加速化させたような気がしてなりません。日本ではこのような分断がないように強く希望しています。言葉、ひとつひとつに気を遣って。(文◎久田将義)

あわせて読む:トランプのコロナ感染を喜ぶ「迷」司会者・関口宏 日曜朝からやってることはヘイト 「笑いながら言うとはさすがサイテーモーニング」 | TABLO

 

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