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バイク便配達員へ来た仕事の依頼は「ビーチまで」運ぶものは「ヤドカリ一匹」 今年もっとも泣けるSNSのいい話

TABLO / 2020年11月22日 11時45分

バイク便配達員へ来た仕事の依頼は「ビーチまで」運ぶものは「ヤドカリ一匹」 今年もっとも泣けるSNSのいい話

写真はイメージです

人間、生きてりゃ「いい人」にも出会う

「ヤドカリちゃんを123キロ先の家に連れて返す業務」

タイでバイク便配達員の若い男性がSNSに投稿したこんなタイトルで始まる実話が心温まると話題になっています。

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ウティポン・スアンカさんはGrab Expressで配達員の仕事をしています。Grabはタイでタクシーの配車をはじめ、料理のデリバリー、キッチン用品の配達などをアプリを通して申し込めるサービスを提供していて、そのうちのバイク便配送アプリサービスがGrab Expressです。

日本人に分かりやすく言うと、ウーバー配達員のタイ版です。

そんなウティポンさんがアプリを通してとある女性から仕事の依頼を受けました。なんとお届け物は「ヤドカリ」。配達先はビーチだったのです。

最初は冷やかしだと思ったウティポンさんが女性から受け取った箱の中身を確認すると、本当にヤドカリが入っていました。

依頼主の女性は2日前、首都バンコクから日帰りできるビーチとして人気のあるチョンブリー県のバンセーンへ観光で訪れて海岸で貝殻拾いをしたのですが、自宅に持ち帰った貝殻の一つが動いたのでビックリして確認したところ、中にはヤドカリがいたのでした。可哀そうでいてもたってもいられなくなり、アプリでバイク便を呼んだのです。

女性宅からバンセーンのビーチまでの距離は123キロ。東京駅から静岡県の沼津駅までの距離に相当し、アプリではじき出された配達料金は1,613バーツ(約5,500円)。こんな高額を支払っても海に返してあげたいという女性の気持ちを裏切りたくなかったウティポンさんは配達を引き受けたのでした。

果たして無事に海まで届けることはできたのでしょうか?

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愛車のホンダADV150で深夜のバンセーン・ビーチに到着したウティポンさんは波打ち際にヤドカリを静かに置きました。

ヤドカリが歩いて海に消えていくのをしばらく見守ってから、「この子は死んでいませんよ。無事です。海に歩いていきました」と証拠に撮影した動画とともに依頼主の女性にメッセージを送信しました。

「どうもありがとうございます。これで安心して寝られます。今日の善い行いが配達員さんとご家族の幸せとなって返ってきますように。無事にお帰りください」

との女性からのお礼の返信に対してウティポンさんは「ありがとうございます。無事に帰宅しました。Grabをご利用いただきありがとうございました」とカッコ良く返信して、一風変わった業務が終了しました。

「Grab配達員の雑談」と名付けられたフェイスブックグループへのウティポンさんの投稿には、「ベストオブザイヤー」をあげるよというコメントまで付いて、同業仲間の間でも話題になっています。(取材・文◎赤熊賢)

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