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テレビを筆頭としたコロナ禍を煽るメディアの「インフォデミック」 日韓ワールドカップを振り返ってみれば見えてくる|中川淳一郎

TABLO / 2020年11月22日 6時30分

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写真はイメージです。

東京オリンピック・パラリンピックは2021年に延期となったが、平成の時代には1998年に長野五輪があり、2002年にサッカーの日韓ワールドカップが開催された。令和元年にはラグビーのワールドカップが開催された。東京五輪については、コロナのせいでミソがついた形となったし、「このままやっていいのか?」という声もあったが、世界中の人が日本を訪れ、熱狂する様を見て「スポーツっていいな!」と思った方も多いのでは。

昨年のラグビーは記憶に新しいが、あの時は日本代表の快進撃もあり、とんでもなく盛り上がった。本稿では日韓W杯の熱狂について振り返ってみる。

参考記事:「彼らにとってはパリ五輪が本番なんです」 IOCが来年の“東京開催”に執着する理由 “無観客”なら900億円の損失 | TABLO

当初は日本の単独開催だったようだが、韓国が「アジア初のW杯開催」にこだわり、結局FIFAも両国の争いに匙を投げ、「じゃあお前ら共催にせぇ」とやった経緯がある、と、各種書籍を読むと出てくる。自分としては、日韓は近いし別にそれでいいんじゃね? と思うとともに、あのサッカーW杯が自国で開催されるとは! と、とにかくその日が楽しみで仕方がなかった。

さて、この時のメディアの報道がクソ過ぎたことについては今言っておこう。大規模スポーツイベントが近づくと、テレビを筆頭とした各種メディアはネガティブな要素を報じ始めるのである。代表例をいくつか挙げる。

◆2004年アテネ五輪:呑気な国民性をウケ、作業員がグータラ過ぎてスタジアムの建設が間に合わない
◆2008年北京五輪:工業が伸びているだけに、空気汚染が激し過ぎる
◆2010年南アフリカW杯:ヨハネスブルグの治安がヤバ過ぎて死者が出る
◆2016年リオ五倫:ギリシャ同様作業員がグータラし過ぎて施設が完成するか分からない。「ジカ熱」の感染も心配
◆2018年平昌五輪:寒すぎてヤバいことになる

毎度とは言わずとも、こうした懸念が頻繁に出るのだ。そして2002年の日韓W杯でもっとも心配されたのがコレだ。

◆2002年日韓W杯:イングランドのフーリガンが大量に押し寄せ街を破壊する

当時、イングランドサポーターのマナーの悪さと攻撃性は多数報じられており、イングランド代表の入ったグループFは日本での試合開催となった。そして、アルゼンチン、イングランド、スウェーデン、ナイジェリアという強豪が入ったため「死のリーグ」と認定された。

この4か国の中でも、ライバル的な存在はやはり欧州の強豪であるイングランドとスウェーデンである。これは両国にとって大切な初戦のため、埼玉スタジアムは血の雨が降る!といった言われ方をした。

テレビはガチでこの試合は「要注意試合」認定をし、恐怖を煽った。オレはこの試合を観に行ったのである。完全にコネだが、オレの父親は当時浦和レッズの取締役であり、埼玉スタジアムのチケットを入手することが可能だったのだ。

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最寄り駅である浦和美園からスタジアムはかなりの距離があるが、日本人もイングランドサポーターもスウェーデンサポーターも呑気なものだった。誰もが緊張していないし、友好的だった。

応援の時も狼藉を働くものはいなかったし、平和的にすべてが進んだ。ベッカムのフリーキックやコーナーキックの際はフラッシュがたかれまくるといったものはあったが、スタジアムはサッカーを楽しむ善良なる人々による素晴らしい空気があった。

結果は1-1の引き分け。イングランドのサポーターもスウェーデンのサポーターも試合後は「ノーサイド」の精神で一緒に酒を飲み、楽しく過ごした。オレも彼らの輪に入り、ビールを飲んだ。

この時、テレビを筆頭とした不安を煽るメディアはバカだと感じた。これが今のコロナ禍における「インフォデミック」である。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)

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