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これぞ非営利目的の極地! 福岡の里に突然現れる異世界は、なんと行き過ぎた趣味だった!?

TABLO / 2018年8月9日 11時30分

 人口減少に歯止めがかからない日本にあって、毎年のように人口が増え続けている福岡市。その住みやすさから、近年は日本一の人口増加率を誇り「世界の住みやすい都市ランキング」でも7位にランクインしています。

 実は私も福岡で生まれ、上京するまでの22年間で福岡の魅力はこれでもかというほど堪能してまいりました。
 都心、海、山、空港まですべて2〜30分圏内に集まるというこれ以上ない利便性に加え、ご存知のように食べ物も美味しいとなれば、人気が出るのも当然かもしれません。


 今回は福岡の珍スポットです。市の中心部から車を1時間ほど走らせた古賀市に入ると、「里」といった景色が広がります。そんな穏やかな気持ちを切り裂くように、視界の中に「異物」が現れるのです。


 何かいる。
 隣に止められた大型トラックよりもさらに大きいものが。近づいてみます。


 恐竜!!
 しかも体高はゆうに3mをこえる巨大なものです。
 ここは、テーマパークでもなんでもありません。「香椎造園」という名の造園業者の敷地なのです。

 たしかに同じ敷地内には、鯉の泳ぐ池をしつらえた日本庭園があったり、芝生が販売されていたりと、造園業者らしい部分も見受けられます。しかしどうやっても、あの巨大な恐竜たちの存在感が強すぎるのです。

 現在は立ち入り禁止となっている恐竜ゾーンですが、特別に立ち入りの許可をいただきました。そこは、自分が今どの国のどの時代にいるのかさえもわからなくなるようなワンダーランド。


 身長184センチの私と比べていただければ、圧倒的な巨大さがお分かりいただけると思います。そして、ゾクゾクするのはサイズばかりでなくその精密さ。隆起した筋肉といかめしい表情は、今にも動き出しそうな迫力です。


 恐竜ゾーンをさらに散策していくと、柵のついた区域があることに気がつきました。まさか動き出すわけじゃないよな、などと考えながら近寄ってみると。


 ヤギがいます。こちらは作り物ではありません。ムシャムシャと草を食んで鳴いています。それにしても、恐竜に囲まれて暮らすヤギは、どんな気持ちなんでしょう。

 手の空いた従業員の方が、少しお話を聞かせてくださいました。ここに集まる恐竜は、なんら営業目的ではなく、社長が趣味で集めたものだそうです。この異様な景色は行き過ぎた趣味が生み出したものだったのです。

 恐竜が集まり出すと地元ではその噂がひろまり、家族連れが恐竜見物に来るようになりました。そうした中ひとりの子が恐竜に登って、恐竜の首を折って落恐竜(落馬のようなもの)してしまったそうです。幸いその子には怪我はなかったものの、社長が巨額をはたいて購入した大切な恐竜が壊れてしまうのと、見学者の安全を考慮して、現在は立入禁止にしているといいます。

 その折れてしまった恐竜の亡骸もありました。


 悲しげな表情で地面に落ちたブロントサウルスの頭部。社長には申し訳ないのですが、これはこれで特撮モノ的な景色を生み出し、物語を空想してさらに楽しめてしまいます。

 最後に、私の好きな景色をご紹介いたしましょう。


 立入禁止ではない区域からの一枚です。林の中からニュッと現れる、首長竜の頭部。近くでみる迫力もさることながら、景色に溶け込みながら異物感を放出する姿にグッときます。

 香椎造園さんは、同じ敷地内で奥様が「ガーデンテラス和」というレストランも開いていらっしゃるので、手入れの行き届いた美しい日本庭園を眺めながら美味しい食事をいただき、そのあとに恐竜を眺めるという、心が振り回されすぎてどうかなりそうな時間を過ごすことができます。

 立入禁止のすぐ外側からも、何体かの恐竜は見られますので、福岡観光のついでに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。(Mr.tsubaking連載 『どうした!? ウォーカー』第15回)

■香椎造園
福岡県古賀市青柳1245

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