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甲子園 過度なガッツポーズをピッチャーが注意される 「どういうつもりだったのか?」がポイント

TABLO / 2018年8月18日 13時55分


 甲子園での熱戦が続けられています。そこでちょっとした議論が持ちあがりました。創志学園ピッチャーが三振を取った後のガッツポーズを、審判が注意をしたのです。

 これは、何が問題なのでしょうか。NPBでもガッツポーズをする人は少なくありません。
 特に田中将大投手は「よっしゃー!!」と叫ぶどころかかなりのガッツポーズでした。それがMLBに行ってからは控えています。

 打者への敬意がないとされたり、あるいは挑発と取られかねない為、です。どうしても出したい時は後ろを振り向いて、地面に向かって小さめに叫んでいる田中投手に気づいている人もいるでしょう。

 1980年代のプロ野球。巨人にクロマティ選手というスラッガーがいました。彼はホームランを打つたび、グラウンドを回る時、人差し指で頭をポンポンとつつきながら回っていました。「俺の方が頭いいだろ」というように。これには相手投手陣は気に障ったに違いありません。大洋ホエールズ(現・横浜ベイスターズ)のエース遠藤一彦投手がクロマティを三振に取った後、マウンドを降りる時、同じように人差し指で自分の頭をポンポンとつついたのです。やり返した訳です。

 MLBだと報復デッドボールをやられると言われていますが、遠藤投手のような「報復」も心理的に効いたでしょう。ですから過度なガッツポーズは、確かに「相手への敬意を払っていない」と言われても仕方ありません。 

 しかし、相手へ敬意を払うのはあらゆるスポーツに言える事ではないでしょうか。

 例えば、ラグビー。トライを取っても最近は喜び度合いが増えてきたとは言え、余り喜びません。それは「俺だけのトライではなくフォワードがボールを取って俺まで回してくれたチームメイトのおかげ」という意識があるからです。いわゆるオールフォーワン、ワンフォーオールの精神です。


 ここでガッツポーズ有り無しについて整理してみます。

・野球|ピッチャー、バッターの過度なガッツポーズは控える。
・サッカー|思う存分喜ぶ
・ラグビー|さほど喜ばない
・バスケットボール|そこそこ喜ぶ
・バレーボール|そこそこ喜ぶ
・テニス|勝った時には地面に転がって喜ぶ
・ゴルフ|紳士のたしなみから小さくガッツポーズ程度
・卓球|張本選手のみ過度に喜ぶ


 こうして他のスポーツを見ると「サッカーと張本選手以外、そこそこ喜ぶ」くらいではないでしょうか。
 創志学園投手を見ていない方に説明するならば、張本選手なみと言えば想像できるでしょうか。というより張本選手を真似しているのかなと思うほどです。

 現場には許容出来ている土壌がありますが、他のスポーツから見ると、サッカーや張本選手並みのガッツポーズ(サッカーはガッツポーズというより地面の選手に重なり合う)は異様に映るでしょう。ゴルフで、創志学園並みのガッツポーズをする人は絶対と言っていいと思いますが出て来ないでしょうし。

 でも張本選手に対しても、批判している人もいますから「相手に敬意を払う」原則からすれば、あまり過度なものは控えた方がかえって、カッコ良いのではないでしょうか。

 とはいえ「シャウト効果」というものがあります。声を出す事によって気持ちを入れるというものです。張本選手や創志学園投手もシャウト効果を無意識に身についているのでしょう。

 しかし、それがパフォーマンスではないかと映った時、それはカッコ悪くなります。カッコ悪く映ったらそれは批判の対象になり得ります。高校野球に関しては、まだ教育段階にある未成年の選手であるし、ガッツポーズは控えた方が良いのでは。

 成人してから、自分の判断で大げさなガッツボーズをするかしないか選択すればよいのではないでしょうか。(文・久田将義)

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