「ステージ４のガンも治すパン」！？ 世界の医学を覆す無敵レベルの食品を売る店で真相を聞いてみた

はっきり言いましょう、本当だったら世紀の大発明です

コロナの蔓延で、多くの人が抜本的な効果のあるワクチンや治療薬を心待ちにしています。そんな世界に向けて、山梨県の甲府市であらゆる病気に対して「無敵」と言ってしまっているレベルの食品を売っているお店を発見したので、ご紹介いたしましょう。

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甲府駅近くの国道を走っていると、街並みの中で異彩を放ちまくっている看板が並んでいる場所があります。

手書き文字に原色が目にもまばゆい看板の真ん中に「手造り　ヤキタテパン」の文字、ここはどうやらパン屋さんのようです。

それにしても、下手な薬局や病院よりも病気の名前がたくさん掲げられています。派手さだけではなく、そこに書かれた文言もじっくり観察してみると、独特の味わい深さが出てきます。

「早く知っていればと思う人95％」という、町のパン屋さんがどうやって調査したのか、わからない数字。「今日から私も始めます」という、お店の人が書いたはずなのに誰の意見だかわからない言葉。

どうやら、便秘にも花粉症にも美肌にもここのパンを食べるだけで効果が見込めるようなのです。しかも「世界11カ国で特許取得」とまであります。

そして見落としてはいけないのが、「末期ガンにも克つ　ステージ4でも実績あり」という文言。国立がんセンターが今年発表した、胃がんのステージ4の生存率が7％程度なので、世紀の大発明のはずですが、まだ世界中の医学会はここのパンに気がついていないのでしょう。

ネット上で話題になっているということを言いたいのだと思いますが「ネットで炎上してます」と、言ってしまう愛らしさも兼ね備えています。どうやら、ステージ4のがんさえも治すというのは、ここに書いてある通り、開発に20年をかけたという「米ぬかパン」のようです。

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駐車場の反対側にも、怒涛のように掲げられる看板たち。他にも効果のある病気が無数に書かれています。肝臓・腎臓・コレステロール・高血圧・潰瘍性大腸炎など、もはやこのパンはドラゴンボールの仙豆にも匹敵するような、完全無欠の食品のようです。

さらに、安倍元総理からのメッセージとされるものまでが、国道を走る車に向けて掲げられ、必死さを演出しています。

どんなパン屋さんなのかと、店内に入ろうとしますが、スムーズに入れさせてくれないのがこう言ったお店の特徴。凡人の私のようなものには理解不能の巨大なオブジェが、圧倒的な存在感を放って店の前に立っているので、じっくり10分は眺めてしまいます。

そしてようやく店内へ入っても、先ほどのオブジェのようなものが続いており、それを眺めていると社長が嬉々とした様子で声をかけてきます。手作りされた家型のオブジェを指差して「その扉、開けてみて」とニヤつく社長。言われるままに開けてみると、フィギュア同士が室内で性行為をしている展示という「思春期こじらせたのかよ」と思うような作品でした。若干引いている私を、尻目に社長は嬉しそうに笑っています。

そんな社長は、ご自身いわく「米ぬかパン」のおかげで年をとった現在でも健康だそう。店内には、社長が雪山の絶壁を、スキーで滑る写真が飾られていますが、写真が絶壁の全景を捉えすぎていて、社長の姿はほんの豆粒程度にしか写っていないのもご愛嬌です。

がんへの効果に絶大な自信があるのか「がんで、ステージ4のお客様、社長がご説明いたしますので、声をかけてください！」という張り紙。ステージ4の末期がんの患者さんは、こんなまちのパン屋さんにやってくるほどの余裕はないと思うのですが。社長は、いつでも待っています。

こちらを訪れたのは、コロナ拡大の前でしたが、これだけ完全無欠のパンであればきっと「コロナにも克つ」くらいのことは、社長の口からこぼれることでしょう。効果は保証できませんが、単純にパンとして美味しいので、ご興味ある方は足を運んでみてください。（Mr.tsubaking連載　『どうした！？ウォーカー』　第64回）

 

■松栄堂
山梨県甲府市城東３丁目４−９
055-237-2822

 

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