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甲子園 熱投の金足農業・吉田輝星投手を支えたマウスピースの力 現役医師も推奨する立役者

TABLO / 2018年8月21日 14時30分


 甲子園を湧かした金足農業吉田輝星投手が話題になっています。その吉田投手がマウスピースをしているのにお気づきでしょうか。マウスピースは吉田投手をどのように助けたのでしょうか。ここで解説します。

マウスピースの一般的なイメージはというと、「噛んだら力が入る」といった感じでしょうか?

「スポーツの際に力を生み出す瞬間はグッと強く噛みしめる。だから歯を守るためにも力を生み出すためにもマウスピースは有効である」という意見は良く聞きます。

 この説は間違いです。

 まず運動中は競技やその場面によりますが、ほとんどの動作中噛んでいません。噛む場面も普通にご飯を食べる位置では噛みません。ピッチャーが足をあげるように片脚立ちをしてみます。下顎を右にシフトすれば重心は右に、左にシフトすれば重心は左に動きます。重心を前に動かすならば下顎の位置も前に動くのが良好です。

 人はそれぞれが違った特徴を持つ噛み合わせを持っています。その影響により全身の可動域制限や重心の位置や移動など、その他たくさんの問題を抱えています。マウピースはその問題を引き起こす歯の上に一枚の板を乗せるわけですから、与える形によっては問題解決の可能性が生まれるわけです。

 重心の位置が悪いために片方の膝や足首ばかり痛めてしまう。噛み合わせの影響から首や肩の可動域が失われている選手などが無理な身体の使い方をするために怪我をしてしまう。

 そんなおおよそ噛み合わせが原因と気づかれていない問題は実は多々あるわけですが、その問題を防ぐ手立てとしてマウスピースは「歯を守るため」「外傷予防」という枠を超えて、未然に全身の怪我や故障を防ぐ優秀なアイテムです。

 他には足裏で地面を掴むという感覚。不安定感を感じる足での片脚立ちをしてみます。その状態で割りばしを二本用意して両方の奥歯で噛むと足裏の安定感が増すはずです。「地面を掴む」とはこの感覚のことを示し、下肢へしっかりと力が伝えられる状態を獲得しています。

 地面を蹴る、踏ん張る、という動作は運動においてかかせません。そんなことはだれもが普通にできていると思っていますが、良いパフォーマンスを獲得するために正しく地面を掴む感覚を身体に教えるツールとしてもマウスピースは有効だといえます。

 知ること、覚えることはステップアップにおいて必須です。知らない状態とは比較になりません。

 投手がしっかりと下顎のシフトができて、地面を掴む感覚を入力できるマウスピースを使用すれば、重心移動、最良の可動域の使用、全身の連動、力の伝達。どの面に関しても力添えになることでしょう。

 今回大活躍した、吉田輝星投手のマウスピースはこのように大熱投を支えていたと思われます。(文◎桜通り歯科クリニック・松浦敦)


桜通り歯科クリニック
http://www.sakura-st-dc.com/

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