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障害者雇用の水増し、障害者への虐めの横行 障害者である私が選んできた「職場」について

TABLO / 2018年8月25日 16時38分


 障害者雇用の水増し、障害者の職場内での虐め、最近ニュースで耳にする度にとても悲しくなります。いつの時代まで虐げられてしまうのですか?

 私自身、障害者手帳は自立するための手段として、二十歳を過ぎて作りました。
 その時、役所のお兄さんに、

「あなたのような人はどの企業も欲しがる。今の仕事を辞めて障害者雇用で働いてみてはどうですか?」

 と言われました。
 自分の仕事への考え方に、「障害者雇用で働く」というものが一切なかった私は、当時「実はとても必要とされているのでは?」と、胸が少し高鳴ったのを覚えています。
 しかし、特に今の仕事での環境に困ることもなく、また一から障害のことを話して関係を築き上げることが面倒で、そのまま何も事を起こしませんでした。

 今までいくつかのアルバイトをしてきましたが、その裏では、その倍以上の数の面接に落ちてきました。

 まだ高校生の頃、人手が足りないファーストフード店。しかし私は即落とされます。「ああ。きっと接客業は向いてないな」とそれ以降は飲食関係へのバイトは諦めました。
 配達員に清掃員、どれも求人誌にたくさん募集されています。しかし落とされてしまうのです。完璧にこなせないと思われてしまいます......。10代の頃はまともにお小遣い稼ぎはできませんでした。

 しかし、どうしても欲しい物は出てきます。

 どんな職場なら私を雇ってくれるのだろうか? やりたい! と思うことより、「障害者に対して気を使う人と接することなく普通に紛れながら」できる職場か? ということを一番に考えることにしました。

 そして19歳のときたどり着いたのは知的障害者施設のヘルパーのお仕事です。まだ学生もしながらのアルバイトだったので資格は持っていませんが、とてもたくさん働かせていただきました。

 私の偏見なのかもしれません。私と同じ障害者さんのたくさんいる場所なら私は紛れる。私がいても変だとは感じない。そう思い、面接を受けに行ったのを覚えてます。
 しかし働きすぎて学生生活に支障が出てしまい離脱せざるをえなくなりました。短期間でしたがとても素晴らしい経験と知識をいただきました。

 無事に専門学校を卒業し、今の仕事を始め早5年以上。そんな中で「純粋に人の為に役にたちたい!」「福祉のお仕事がしたい!」「ヘルパーの資格がとりたい!」と思うようになり、6月より障害者自立支援のお仕事を始めました。
 嫌々ではなかったものの、自分が隠れる為に傷付かないために選んだお仕事が、いまでは一番にやりたいお仕事へと変わりました。そんな風に思っていたことを今はとても申し訳なく思います。

 障害者雇用で働くのも、働く職場を作ってくださるのも素晴らしいこと。虐めのない職場ももちろんたくさんあるはずです。

 苦しみながら働いている人達がもっと活き活きと働ける世の中になってほしいです。

 そして能力のある障害者の方々もたくさんいらっしゃるはずです。

 明日も健康な体でいられる確証なんてないので、少しずつ思いやってもっと優しい社会を作っていきたいです。

 ほんとは私もいつかは普通の飲食店でも堂々と働いてみたいです。(文◎あもり・欠損バー『ブッシュドノエル』所属)


8/26は『西新宿の秘密のお部屋』にて
欠損バーが開催されます。詳しくはオフィシャルサイトで!

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