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渋谷LOFT9でドリアン助川・島キクジロウがタッグを組み福島原発事故『ノーニュークス権』を提唱

TABLO / 2018年8月27日 11時0分


「私たちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。この世はただそれだけを望んでいた。だとすれば、何かになれなくても私たちには生きる意味があるのよ」

 この言葉に私は、何度涙を浮かべただろうか。
 世界的にも有名な作品、ドリアン助川さんが生み出した「あん」の台詞の一部である。LOFT9 Shibuyaでは、そのドリアン助川さんと、ミュージシャンにして弁護士である島キクジロウさんがタッグを組み、原発問題をテーマとしたイベント「KNOW YOUR RIGHTS」 が行われた。

 助川さんは、福島原発事故後に松尾芭蕉が旅した奥の細道を線量計を片手に自転車で旅をしたという。そこで出会った旅の記憶の朗読は、心を震わせる魂の叫びであった。放射能に脅かされながらも、そこでしか生きることができない想いが空間を超えて、訴えかけてくるような迫力が会場を覆う。

 また原発メーカー訴訟に力を入れる島キクジロウさんは、ノーニュクス権という人権を、多くの人々にその価値の重要さを音楽で表現した。原発から逃れて安全に暮らすということは立派な権利になるというものがノーニュクス権である。

 今回のライブではノーニュクス権から始まり憲法13条や9条などを音楽で歌い、どれも人が安心して生きることの大切さを訴えかけていた。中でも印象的だったのが、憲法13条を表現した歌であった。優生思想の蔓延るこの世に、個の輝きが多様性がいかに重要かその叫びを垣間見た。

 チェルノブイリ原発の事故から始まりそれに次ぐ福島原発の事故によってどれだけの人々が苦悩したのだろうか。

 その渦中にいた人々の記憶や記録に意味はあったのだろうか。このまま再稼働を進めるこの国に対して、私は過去に対する、人間の尊厳に対する侮辱だと感じる。人の生きる意味は国に帰属してはいけない。この世が私たちに望むことは、もっとこの世界を見ること、聞くことではないだろうか。(ライブレポート◎宮原塁)

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