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街角に置かれた「善意のイス」 これは法律上ゴミなのか? 誰かの役に立っているのか?

TABLO / 2020年12月6日 10時30分

街角に置かれた「善意のイス」 これは法律上ゴミなのか? 誰かの役に立っているのか?

筆者撮影

先月末、SNSに投稿された、バス停のイスの写真が議論を呼んでいます。実は私、かねてよりバス停のイスに注目しておりましたので、議論の顛末と私的な解釈を書かせていただこうと思います。

事の発端は11月28日、俳優のスミマサノリさんがTwitterに投稿した写真。渋谷2丁目のバス停に置かれたイス。バス会社や自治体が設置したのもではなく、誰かが置いた(もしくは捨てた)ものです。このイスに国土交通省、警視庁の署名で「警告 道路不正使用」という貼り紙がなされました。

しかし、その貼り紙の横には手書きの小さなメッセージが添えられていました。それは「青学前にはイスが有ります。二丁目にはないので80歳の私バスを待つ間使わせてください」というお年寄りからのもの。

この投稿に、Twitterユーザーからは「賛否両論の声が寄せられました。

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「法律云々より思いやり。これくらい認めてやれよ」

「ひとつ許したら無法地帯になる」

と賛否両論。

スミさんによると、国土交通省への多数の問い合わせにより、結果的にこのバス停には正式にイスが設置されることになったとのことで、一件落着となりそうです。

しかし、この状況は渋谷2丁目のバス停だけに限ったことではありません。

実は私、こうしたイスを「野良イス」と名付けてその写真を撮って回っている野良イス収集家で、300以上の野良イス写真を保有しています。

その経験から申し上げれば、こうしたイスは思いやりから置かれたもので、かつ役に立っているものもあります。ただ一方で、単なる不法投棄で使われずにいるものがあることも事実。

【写真】街にあふれる「善意の椅子」 あなたもきっと一度は目にしたことがあるはずです

この野良イスの違法性についてですが、背景が思いやりであったとしても道路法第44条の中で禁止されており、また不法投棄は廃棄物処理法第25条1項14号で罰せられる可能性があります。ただし、違法だからといってこれを簡単に動かすことができないという側面もあるのです。

たとえば、このイスが違法の状態にあることから、投稿を見た人が通行の邪魔にならないように、また、目の不自由な方の通行の障害とならにように撤去したとします。するとその人は、遺失物横領罪(刑法254条)または窃盗罪(刑法235条)に問われる可能性があります。いわゆる「ネコババ」をしたと判断されてしまうのです。こ

れは、国や自治体が撤去する場合でも同様で、今回のように貼り紙をするなど、決められたフローを守った後でないと撤去はできないうえに、その後のフローも面倒であるために、撤去にまで至らない例も数多くあります。

実際、私が2017年に見つけた野良イスにも、同様の貼り紙がなされていましたが3年半が経過した今でも、撤去されないままになっています。

この通り、多くの野良イスは、前にも後ろにも進めない悲しい存在なのです。ですので、今回のように撤去の上で正規のイスが設置されるのが、最良の解決でしょう。

しかし私は、法律と思いやりの間に挟まって身動きが取れないまま、かつては誰かの家で活躍していたイスが雨風に晒されながら、第二の人生ならぬ「第二のイス生」を、法律と思いやりの間に挟まったまま生きている野良イスから、横溢する哀愁を感じてしまうのです。

とはいえ、多くの人が快適に暮らせる社会のため、野良イスは適切な扱いになっていくことも願っています。(取材・文◎Mr.tsubaking)

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