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2018年、歌舞伎町に"ラフな格好では入れない"大型ナイトクラブがオープンする......のだが

TABLO / 2018年8月29日 11時15分


 歌舞伎町に再びダンスムーブメントが起こるのか? そう期待させてくれるニュースが飛び込んできた。2018年秋、歌舞伎町の中心地とも言える第二東亜会館に大型ナイトクラブがオープンする。その名も、「WARP SHINJUKU」。

 ~世界から東京へ、東京から宇宙へ~というわかったような、わからないようなコンセプトだが、100年後の東京をイメージしているという。現時点では内装などを始め非公開部分が多いが、HPなどからは、どこかサイバーパンクをイメージさせる。ちなみに、平日週末を問わず夜通し楽しめるというから、「特定遊興飲食店営業」、いわゆるクラブ営業という形態になるだろう。また、入場時に顔写真付きのIDが必要で、タンクトップやサンダルなどラフな服装はご法度ということだ。このラフな服装はお断りというのも、バブル全盛期のディスコ文化を経験した世代にはお馴染みなものである。

 筆者がこのナイトクラブのオープンにある種の期待(と不安)を持つのは、その立地も関係している。第二東亜会館と言っても歌舞伎町の住人か精通している遊び人しかピンとこないだろうが、場所的には"ゴジラヘッド"で知られている「TOHOシネマズ」の斜め前に位置する。これをバブル期に当てはめれば、「TOHOシネマズ」は「コマ劇場」であり、第二東亜会館の3階から7階までは、これすべてディスコフロアであった。そして、第二東亜会館には「Greece」「G・B・RABBITS」など、新宿で遊んでいた現在50前後の男女なら誰でも知っているような箱があり、事実上新宿ディスコの聖地と言ってもいい場所だったのだ。

 新しいナイトクラブをその聖地にオープンさせるところに、経営側の強い思惑を感じないではない。それと同時に、IDや服装チェックでの管理は危険な「子ども」を"排除"し、余裕のある(つまり金のある)「オトナ」を取り込もうという戦略も見えなくはない。

 そして、見落としてならないのは「TOHOシネマズ」から始まった再開発の波は、70年代、80年代の健全なダンスムーブメントの復活、来年2019年に着工予定の旧ミラノ座跡地の超大型複合施設が2022年に竣工することによって一応の完結を見せる、ということ。歌舞伎町の生みの親・故鈴木喜兵衛氏が目指した「健全なレジャーの街」がついに出来上がるのである。

 健全なレジャーの街・歌舞伎町は振興会など歌舞伎町住人の悲願でもあり、それ自体はけっして悪いことではない。また、近年のインバウンド需要もその動きを後押ししている。ただ、その反面、歌舞伎町の一面の魅力でもあった"あやしさ"や"危険な香り"が急速に失われているのは事実だ。安全ではあるが、実は管理された遊び場......ある意味、これもサイバーパンク的であるとは言えるのだが。(取材・文◎鈴木光司)

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