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ネットの見出し「ノーバン」に釣られた「私」 新聞用とネット用とでこんなにも違うタイトルのつけ方

TABLO / 2020年12月12日 10時50分

ネットの見出し「ノーバン」に釣られた「私」 新聞用とネット用とでこんなにも違うタイトルのつけ方

写真はイメージです。

今回はWEBメディアにおける「見出し」について考えてみたい。『TABLO』もWEBメディアですからなじみのあるテーマだと思います。

見出しで反応させちゃう手法ですっかり定番なのは、見出しに「ノーバン」を入れるやつ。

アイドルや女優がプロ野球の始球式に登場した際に見出しで「ノーバン」がよく強調される。ノーバウンドでホームに球が届いたかどうかを気にする読者もいるでしょうが、少なくない読者はパンツをはいてないやつの「ノーパン」と見間違える。私も何度クリックしてしまったか。

今週も「見出し」では興味深い事案がありました。

「産経ニュースWEST」が12月7日の夜に出した『日本学術会議会員の男逮捕 下半身触る姿見せた疑い』という見出し。

記事を読むと、

商業施設内で自分の下半身を触り、その様子を女性店員に見せつけたとして、兵庫県警西宮署が県迷惑防止条例違反の疑いで、豊田理化学研究所フェロー、川村光容疑者(66)=名古屋市名東区=を逮捕していたことが7日、県警への取材で分かった。川村容疑者は日本学術会議の会員。

私は新聞マニアとして翌日の朝刊が楽しみになった。なぜってこれ、9月までなら見出しは「日本学術会議会員の男」ではなく「豊田理化学研究所フェロー」だったのではないか?と思ったから。

参考記事:日本学術会議に関する菅政権の矛盾 “リスペクト”する中曽根康弘元首相の見解をなぜないがしろするのか|プチ鹿島 | TABLO

すると翌日。産経新聞をくまなく探したらありました。かなり小さい記事でしたがありました。

その見出しは、

豊田理化学研究所フェロー、条例違反疑い逮捕』(12月8日)。

見立ては当たっていた。「日本学術会議会員の男」という見出しはつまり「ネット用」だったのである。

なぜこんなことになるかと言えば日本学術会議ネタは10月から対立が激しいから。もともとは菅義偉首相が新会員候補6人をなぜ任命しなかったかという話だった。いや、今でもそれは変わりない。説明がないのだから。

しかしいつの間にか「組織のあり方の問題」を批判する論調が出てきた。なので「あり方」を問いたい人からすれば産経師匠の見出しは最高だったのである。産経師匠にも「ほらほら、学術会議の会員がこんなことしてるぞ」という行間がある。

今回逮捕された人の肩書や属性は「豊田理化学研究所フェロー」「日本学術会議会員」のほかに幾つもあるはずだ。土地柄からすれば「中日ドラゴンズファンの男」かもしれないし、世代からすれば「宮崎美子カレンダーを買った男」かもしれない。

「宮崎美子カレンダーを買った男、条例違反疑い逮捕」という見出しもその新聞が狙うお客次第ではあり得たかもしれない。その媒体はどの肩書を使うのか、なぜその属性を選んだのか。各新聞を読む際に楽しみたい背景である。(文◎プチ鹿島 連載「余計な下世話」)

関連記事:『やる気まんまん 今日復活』『藤井七段キノコ嫌い』『小池迷走 打ち手なし』… 最近お気に入りの夕刊紙のタイトルを並べてみた|プチ鹿島 | TABLO

 

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