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ジャニーズ事務所は変わらない あくまで"ジャニー喜多川の後継者"である滝沢秀明|平本淳也

TABLO / 2018年9月14日 10時0分


 マッチやヒガシが次期社長という根拠のない噂が長年付きまとってきたジャニーズ事務所に光明が差し掛かるかのようなニュースが一晩で全国を包んだ。マッチ(甘えん坊)やヒガシ(ナルシスト)で囁かれてきた悪い印象(目立ちたがり屋の先輩面という印象)を一蹴するかのように「後継者はタッキー」と大きく報道された。

 ジャニーさんの意志を継ぐ後継者として指名された滝沢のニュースは少し前に配信されて割と良い感じの歓迎ムードに浸っていた。前出のようにマッチ&ヒガシでは得られなかった最良の雰囲気で世間の反応が非常に感触良かったことも拍車となってジャニーズの「構想」を大きなニュースにしようと改めて今回のような決定的な報道とした。


突如として現れた「天才」が滝沢秀明


 ひとつ勘違いしてならないのは、滝沢はジャニーズ事務所の後継者ではなく、「ジャニーさんの後継者」としてジャニーさんが指名したということを意味している。もちろん事務所の運営にも深く関わってくることに間違いはないが、企業としての実権はあくまでもジュリーが握る。

 育成とエンタメ全般を担うジャニーさんの仕事を滝沢が、営業と経営を担うメリーさんの仕事を既に掌握して担っているジュリー、このツートップ・二人三脚の形はほぼそのままで受け継がれる格好だ。もちろん企業の規模として社内外に強くて逞しいサポートが脇を固めているのもこれまで同様でジャニーズに隙はない。

 また業界最大手のタレントプロダクションとは言え、ジャニーズ事務所のトップは数少ない血縁関係で固められており、これが揺らぐことは決してないが、その「家族」に滝沢が迎え入れられたことも今回の意味は大きい。子供がいない孤独なジャニーさんの「跡継ぎ息子」に嫡男的に滝沢が選定されたのは、長男マッチ、次男ヒガシには抱けなかった特別な「想い」だろう。

 ただ今回のニュースは単なる跡継ぎ話ではなく、日本のエンタメトップに君臨するジャニーズ事務所として新たなるステージを作り出すための工作にも当たる。それはタレントの育成機関を設ける事業である。さしづめ「ジャニーズミュージカルアカデミー」としておこう。

 大手のプロダクションには必ず付属しているタレントを育成するスクール機関はジャニーズに存在しない。時としてジュニアは育成中で生徒的な印象で見られることがあるが、ジュニアはジュニアというポジションのタレントであって、アイドルのタマゴではない。ジャニーズは入所した瞬間からタレントとして扱われるし、そう意識される。

 つまり、実践の場で育成していくジャニーズスタイルを大きく転回して「育成」の分野を作って分けようとする構想案である。ジャニーズのエンタメをより広く大きくするために供給できる機関を育成スタジオとして設ける手配がなされているのは、これまでになかった新しいジャニーズのカタチだ。このトップに滝沢が席を置き、次世代のスターを発掘から育成、そしてプロデュースしていくことになるのが構想の主旨である。

 ジャニーさんは考えた。自分がいなくなったらジャニーズのタレント事業は衰退していき、これまで仕切ってきた天井天下のポジションは失われていくだろうと。そして新世代の表現者を見出して育成できる自身の分身が必要だということは随分と昔から思ってきた。

 そして、20数年前に突如として現れたのが、滝沢秀明だった。

 見た目も完璧で表現力もスバ抜けた天才的な少年にジャニーさんは夢中になる。世に出た滝沢は期待以上の働きでファンもジャニーさんも喜ばせた。ジャニーズで最も重要視される「舞台(生)」では、光一と肩を並べる才能と魅力にもはや敵なし状態。しかし滝沢に見られた一面はそれだけではなかった。

 ジャニーズの基本「歌って踊れて演じて魅せる」ことが自ら出来る人間であり、それを無から作ることが可能で、なおかつ指導者として尊敬と信頼に値するのはジャニーズ広しといえど叶う者は滝沢ただ一人に絞られる。

 タッキーは自身のライフステージ「滝沢演舞城」や「滝沢歌舞伎」でジャニーさんを目の前にして「すべてを実行」して見せていた。加えて気配りの視野やチームにおける配慮に全体的な統率力は少年だった十代から群を抜いていたことは有名な話で、つけられたあだ名が「小さなジャニーさん」という意味深いものだった。

 滝沢でなければならない理由は他にも多くあるが、何よりは愛と信頼であることは間違いなく、87年の人生において決断できる財産こそが滝沢秀明そのものなのでしょう。ジャニーさんも安堵できるコメントを発しているが、やはり時間がないのが懸念の材料となっている。

 これからはタレントとしてではなくプロデューサー滝沢秀明として実績を積んでいくことになるが、ジャニーさんが動けなくなるまでが「引き継ぎの期間」に相当するゆえ、この時間を確保するためにも今、決断して発表という流れは間違いなく、新体制と新事業の立ち上げを一緒に手掛けて、そして夢にまで見た東京オリンピックのエンターテイメント部門を手掛けたいところだろう。

 プロデューサー滝沢の名前を世界に報せることができる最短で最高のチャンスでもある東京オリンピックはジャニーさんにとっても千載一遇であり、いつしか人生最後のプロデュースになると切願している様子に、周囲もそれまでは元気にいて欲しいと伺っている。滝沢にとっても最上級の晴れ舞台を一緒に作り上げたいはずだ。

 SMAP騒動から解散以降は、ジャニーズにとって悪いニュースが続き、特に今年は厳しい一年になるところ、滝沢報道で明るいイメージを醸し出せた。仮に公開株だったら僅かながらも「確かなる後継者」の登場はプラスになり市場も湧いたことでしょう。

 ただし、天才的な滝沢と言えどもこれまでと同じようにとはいかない。ジャニーさんは社長として創業からあらゆるものを作り上げて発表してきたが、それは代わりの人間に出来ることではなく、ある種の芸術的な思想と観点から輩出される特別なものであり、選ばれた後継者がすべてを継いで同じことはできない。

 だからこそ経営と育成を仕切って分ける必要があり、それぞれの責任範疇で自由に出来る構成を立てた方法が今回の構想であり、ジュリーとの関係と立場を明らかにしてビジネスを明瞭にしたとも言える。また、タレントが代表や役員という肩書は世間的かつ一般的にも優秀とは見做されていないのは理解できるだろうか。


ジャニー喜多川を惚れさせた滝沢のある一言


「タキツバ解散」はアイドル卒業、芸能界引退はタレント活動を辞めて専念するという「覚悟」の表れが印象付けられる。アイドルタレントがプロデュース? なんていうとお飾りだけのイメージになり広報面での拡散力は強くてもビジネス面では弱くなり、相当に舐められて苦しい思いをするところ、ここは上手に展開の動きをプロデュースしてみせている。

 経営と実権はあくまでもジュリーであり、滝沢は制作のトップという位置づけになる。もちろんアカデミーの社長くらいはなるだろうが、それは形式的なものである。ジャニーズ本体の代表取締役への選出もありうるが、その場合でも実権はジュリーである。ここは固いが、ジュリーとタッキーの新体制はこれで確定的となってデビューを迎える。

 余談だが、ジャニーさんが自分の意思や思想を伝えられて、それを実行できるのは滝沢しかいないと愛情を感じたのは、SMAP解散騒動の最中だった。騒動についてインタビューを受けた「後輩」の滝沢は、事務所の意向や意志に反発する先輩たちを指して「アホ」と切り捨てた。これはジャニーさんからしたら大きな「代弁」となり、そして決め手にもなったそんな出来事もある。

 もちろん、たったそれだけの事ではないが、この3年は非情なまで苦しんだジャニーさんも人間であり、また情や想いに任せる判断も気持ちとして持ち合わせているお年を召した方である。その一方、滝沢であれば誰の反対もなく、そしてジャニーズの看板を背負っていける優秀な後継者として自信満々に紹介できるいま、とても幸せではないだろうか。(文◎平本淳也[元ジャニーズ事務所所属])

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