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ハロヲタの私が思う吉澤ひとみ容疑者と「被害者を助けもしなかった通行人」について|岡本タブー郎

TABLO / 2018年9月20日 11時0分

 私は夜中に一人でYouTubeに無数に上がっている「ドラレコ・事故動画」を朝まで見るのが好きだったりします。とにかく見ていると、なぜか安心感が沸き上がってきて、よく眠れるのです。

 特に、海外のクラッシュものは凄まじく、激突しまくって炎上しまくって大パニックになるものがたくさん含まれており、視聴する前にYouTubeから「これは不適切な動画です」という警告が出るほどなのです。

 さて、なぜ安心するのでしょうか。

 私は以前にもTABLOで書いたように、いつも「有事のこと」を考えています。阪神大震災や東北大震災を目の当たりにし、世の中はいつでもひっくり返るんだってことを嫌というほど叩きこまれました。有事のあとも、自分が自分でいるためには、今後何が起こるのか、どのようにして起こるのかを予想していなければならないということです。

 つまり、事故動画は車を運転する自分にとって「事故の時はこういうことが原因で、こんな現象が起こる」ということを知らせてくれるひとつの『答え』となるのです。


新幹線内無差別殺人から学ぶ 「有事」というものを真剣に意識していないといけない時代|岡本タブー郎


「ドラレコ動画ファン」にとって、中国やロシアの事故が世界的にもダイナミックであることはよく知られています。この2国はこのようにドラレコがかなり普及しているにもかかわらず、強烈なクラッシュ動画を我々に提供してくれています。

 とにかく、事故の内容が信じられないものばかりなんです。

 二車線の中央寄りの車線を走っていた車が、いきなり右折しようとして後続車とクラッシュ(ロシア・中国は日本とは逆の右側走行です)したり、トラックを追い越そうとして反対車線に出たらでっかいコンボイみたいなトレーラーが来てクラッシュしたり、雪の中を人が幹線道路を横切ろうとして案の定ふっ飛ばされたりと、もう意味がわからないのです。

 で、私なりに海外の事故動画の原因が分かるようになってきました。

 ひとつは、交通教育に要因があると思います。先ほど「意味がわからない」と述べたように、ちゃんと教育を受けていれば、しないよね? そんなこと......という事故があまりにも多いのです。お国が変われば常識も違うので、一概にこうだとは言い切れませんが、とにかく運転に関するマナーがあまりにも酷いのです。在ロシア大使館なんかに聞いてみたところ、ロシアでもちゃんと教習所があって3ヶ月位はかかるとのことです。...なのに、なぜ!?

 もうひとつ、これはけっこう自信を持って言えますが、タイヤの精度がすこぶる悪いことが挙げられます。高速で走っている時の急ブレーキに耐えられないことによる事故が本当に多いんですよ。かけた瞬間に車が蛇行し始め、辺りの車やガードレールにぶつかる、ぶつかる! じっくり見ていると分かります、タイヤが全く踏ん張れていないのです。整備不良という面もあるかもしれませんが、それどこのメーカーのタイヤなの? と聞きたくなってしまう程。日本は世界に誇るゴム製品の圧倒的強者ですから、なかなか足元から崩れていく事故は起こりません。ですから、知らないメーカーはなるべく避けてください。

 それに比べて「日本の事故動画」は全く内容が異なります。

 不思議なことに、日本の事故動画には迫力がありません。出会い頭に「コン」と接触するとか、ぶつかりそうになってクラクションをめちゃくちゃ鳴らすとか、老人が危ない運転をしている、とかが主です。一番多いのは(見るのも嫌なのですが)、DQNの兄ちゃんが難癖を付けてくるものだったり、今でも頻繁に行われている「煽り運転」ものだったりします。

 要するに「マナーを逸脱する者を告発する」内容なのです。

 車も、タイヤも、教育もしっかりしている日本では、海外動画のようなクラッシュはそうそう起こりません。もちろん日本にも少数の「ならず者」はいますので、不快な事故がないわけではありません。しかし、海外に比べて日本人の運転マナーはとてもちゃんとしていると感じます。


 しかし、ドラレコ動画ファンの私がいつも残念に思うことが1つだけあります。


 それは海外動画と見比べても、誰もが気付くことでしょう。ロシア・中国の事故はとんでもないです。正直、アホか! と思うこともあります。でも、ひとつだけ感心するのは、彼らは事故が起きた瞬間、誰かれ構わず車から飛び出し、被害者の元に必ず駆け寄って行くんですよ。ほぼ、ほとんどの動画でそういったシーンを見ることができます。先ほど、交通教育うんぬんと偉そうなことを書いてしまいましたが、人の命に対して必死になるという行為はどんなことよりも尊いと思うんですね。周囲の人々一丸となって意識のない人を車の中から救い出すんですよ。マナー教育はおろそかでも、重要なたったその1点だけを外していないのが彼らの特徴です。

 対して日本です。日本の事故動画のほとんどは、事故を起こしたあと「しばらく車から出てこない」という現象を確認することができます。とても、とても残念だと思います。

 たぶん、推測するに、事故を起こしてしまったことに自分でびっくりしてしまうんでしょうね。だからすぐに行動に起こせない。どうしていいか分からないんだと思います。

 先にも書いたように、日本は交通教育もマナーもしっかりしています。車の性能もとても高いです。ですから、「事故を起こさないようにする」ことは全員が長けていると思います。保険とか裁判とか面倒くさいですからね、いかにそれを回避するかを多く学ぼうとしています。

 ところが、「起きてしまってから」を知らない人がとても多い。救護義務があり、交通整理義務があり、警察を呼ぶ義務があり、負傷者のために何をするか、どの優先順位で電話をすればいいのか、を知っていないのです。つまり、事故回避ばかりに目が行き、有事の際に何をすればいいのかが想定できていないわけです。


 今回の吉澤ひとみ容疑者飲酒ひき逃げ事故はその最たるものです。

 彼女は全ての義務をほっぽり出し、逃げてしまいました。あろうことか、報道では真っ先に旦那に連絡したと言います(旦那がまともな感覚の人で良かったですが)。私がここまで書いてきたことと照らし合わせると、彼女は日本に少数いる「ならず者」ということになります。

 しかし、一番言いたいのは「事故を目の前にして助けもしなかった女子高生」についてです。

 彼女たちは今日本中から非難を浴びています。助けずに行ってしまうとは何事だ、とか、やっぱ都会の人間はドライだわ、とか、あのほんの数秒の動画を見て完膚なきまで人間性をコキ下ろされています。それどころか「歩行者は赤信号なのに渡っていたのでは?」という輩まで出てきています。そういうアホのために本サイト編集長が現場を検証しています。


吉澤ひとみ容疑者の運転がいかに危険だったかを被害者目線から東中野駅前交差点を検証する


 けど、ちょっと待って下さい。学生服を着ているということは、彼女たちはまだ大人ではないということです。まだ教育を受けている最中の人々です。前述しましたが、私は日本の交通教育に何か足りていないのではないかと指摘をしたいです。すなわち、事故が起こった時にどうするか、をもっと真剣に教える必要があると思います。怒るのはネットの人の役割ではありません。彼女たちの親であって教師の仕事です。

「遅刻は許さない、でも、人の命をおろそかにすることは、もっと許されない!」

 と、有事の際は人をまず助けるんだという教えを徹底することからだと感じています。事実、事故を目撃した人が吉澤容疑者の車の窓を「降りろ!」と叩いています。そういった意識の人だってちゃんと存在しているのです。ま、ならず者の彼女はそれでも逃げて行きましたが。

 異論もあると思いますが、私は今回の事件は「教育」という側面の不足を感じずにはいられなかったのです。


 余談ですが、ハロヲタの私から言わせると『ハロプロ20周年』の今年、加護亜依がやっと事務所に許されてハロコンの舞台に立った矢先にコレです。被害者の方が無事だったことだけが不幸中の幸いでした。吉澤メンバーには「飲酒運転が何を引き起こすか」ということを生涯にわたって勉強して頂きたいです。(文◎岡本タブー郎)

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