格闘の申し子・平本蓮 RIZIN大晦日大会でMMAデビュー 「俺は独りじゃない。皆も独りじゃない。ファンの皆と一緒に勝ちにいく」(インタビュー後編)
TABLO / 2020年12月23日 5時50分
(この記事は『新生Kー1の申し子から格闘技の申し子へ 若き孤高の格闘家・平本蓮 RIZIN26大晦日に出陣 (インタビュー前編)』の続きです)
2020年の格闘技界を飾るにふさわしい試合が目白推しのRIZIN26。メインのRIZINバンタム級チャンピオン朝倉海選手と日本総合格闘技の至宝・堀口恭司選手との一戦。そしてカリスマ朝倉未来選手が敗戦直後の試合でどのようなカムバック見せるのか、などがネット上を賑やかしていますが、「メインよりも注目」と言われているのが、新生K-1から移籍しMMAデビュー戦の平本蓮選手と彗星のごとくRIZINに現れた萩原京平選手との一戦です。前半に続き、後半をどうぞ。
カート・コバーンとか独りぼっちじゃないですか。その美学が大好きなんですよね。自分もそうありたい
――「人間・平本蓮」の原点みたいなのを聞いていきたいのですが、平本選手は足立区出身ですよね。僕は世田谷生れで、その23区民から見ても、足立区って少し特別で面白い地域じゃないですか。友人も元上司も足立区生まれなのですけど荒川を渡ると「別の国」っていう感じがするんですけど、どんな街でした?
「僕は団地で育ったんですけど、裏の接骨院によく武田幸三(元キックボクサー)さんが来てたんですよ。団地のベランダから見てポルシェが停まってると、『あ、武田幸三がいる!』みたいな(笑)団地内の接骨院に武田幸三がいると異様な空気なんですよ。
で、最初に入った(那須川)天心と同門だったのが不良だらけのジムだったんです。でも俺は不良になりたいとも思わなかったし、周りにそういう人は多いけど、そのときから孤高の存在でいたいと思っていましたね。例えば友達とキャバクラ行くのも楽しいんですけど、遊んでても『俺はここじゃねえ感』がすごいんですよ。生きててここじゃないっていうのを感じてて。でもそれを感じさせないのがリングというかケージなのかな」
――タトゥーは背中にも入れたんですか?
「はい、ホントは最初に背中に入れたかったんですけど、まず腕からにしようかなと思って、背中にずっと入れたくて」
――テレビ放送とかは考えなかったのですか?
「UFCに行きたいんで、目標がそこだからテレビは意識したことないかもしれないです。RIZINではマジでスターになってやるっていうか、俺が作るっていうか。その条件に刺青とテレビはあんまり関係ないですね」
――確かにUFCでは、タトゥーは関係ないですね。
「ホント、UFCに行ってチャンピオンになりたいです」
――違うジャンルの競技者で尊敬する人はいらっしゃるんですか?
「トラヴィス・スコットっていうラッパーがすごい好きですね。その人のファンへのメッセージとかすごいカッコよくて。『おまえならできる』っていうメッセージで奮い立たされるというか、ロックスターというか。あとは甲本ヒロト(註・言わずと知れたex.ブルーハーツ、現クロマニヨンズのボーカル。平本選手の入場曲に「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」が使われる)がすごく好きで、あとはニルヴァーナのカート・コバーンとか」
――80年代のアーティストたちが多いんですかね。
「どこか悲壮感のあるアーティストとか、孤高なんですよ。カート・コバーンもなんかひとりぼっちじゃないですか。ひとりぼっちの美学というか、大好きなんですよね。自分もそうありたい」
――『リンダリンダ』とか『TRAIN-TRAIN』とかカッコいいですよね。僕はプロ選手というのは、入場曲がかかる。選手が入場する。試合をする。試合後マイクをする。そして控室に戻る。ここまで全部客を魅了させて、プロだと思うんですけど、そのあたりはどう考えていますか?
「もちろんそうです。だから今年の大晦日は会見から入場から試合、会場から去るところまで俺が一番カッコよくいたいです」
――全部魅せる、と。
「そうです」
格闘家って服装がダサいヤツばっかりじゃないですか。そんな人のファンになります?
――というか、そうでないとアマチュアになってしまうじゃないですか。
「っていうか、まず日本の格闘家は服装からダサいヤツが多くて。流行ってるからとりあえずそのブランド買うみたいなのばっかりじゃないですか」
――●●とかですか?(と、格闘家の間で流行の有名ブランドの名前を出したところ)
「(即答)●●とかなんでこんなにピチッと着てんだよ、モードブランドだよ、みたいな(笑)。●●のジャージとかピチッと着てるヤツを見て、キショッと思いますね。格闘技界はセンスあるヤツがいねえなって。そういうファッションセンスとか格闘センス、恋愛のセンスもそうなんですけど、最近よくジムの先輩と話すんですよ。普通の恋愛して、普通の服着るヤツは普通に弱いっていう考えなんですよ。やっぱりファッションセンスも恋愛もイカれてるヤツが強いんじゃないかっていう」
――面白いですね、その理論は。
「だから、まともな恋愛をできる人は実は普通っていうか。要は『変態が最強』なわけじゃないですか。つまり、変態っていう意味は、何でも突き詰めるわけじゃないですか、こだわりがあるから。僕はこだわりがすごく強いし、食べものひとつ取っても、この店のこのメニューしか食べないとか細かいんですよ。でも日々、俺は絶対これだっていうこだわりのものを最近は特に意識して作るようにしています」
―ー料理も得意ですよね。
「最近は減量中なので作るのが面倒くさくて買ってきちゃうんですけど、すべてにおいてこだわりを持っていたいんですよね。このインタビューも仕事だし、家にいるとき以外は仕事中だと思ってるんですよ。ジムに行くときの服装がダサかったら、俺だったらそいつのファンにならないですもんね。そういうプライベートの状況のときに、『うわ、あいつカッケー』みたいなのが大事ですよね。僕は服も意識するんで、やっぱり人って、ファッションセンスがダサい格闘家のファンにはならないですよ」
――因みに、誰がダサいんですか?
「全員ですよ!(笑)」
――では、カッコいい人はいます?
「K-1ファイターは何人かいます。あと、RIZINだと佐々木憂流迦さんはオシャレだなと思います。あの人はマジでカッコいいです」
――佐々木憂流迦選手のセンスの良さは分かりますねぇ。
「最近で衝撃を受けた格闘家でいうと、秋山成勳さんがカッコいいなと思ったんですよ。あの時代、プライドを持ってやっていた五味(隆典。元PRIDEライト級王者。PRIDEデビューから10連勝)さんとかマッハ(桜井マッハ速人)さんとかって計算してないと思うんですよ。
今の格闘家って計算するヤツばっかりで、PRIDE、K-1時代に憧れて格闘技を始めたヤツが多いから、レベルはもちろん上がってるんですけど、なんか部活のヤツらが上がってきちゃったみたいなのが残っちゃったんですよ。そんなヤツが盛り上げようとしてるからちょっとダサいし、振り切ってるヤツがいないんですよ。100でいけば失敗したときにリスクがデカいから、50しか賭けない。格闘技って普通の仕事じゃないのに何を常識求めてるんだよっていう。そこに常識とか礼儀とか求めてないんですよ、俺は」
――観ている人も、自分たちの日常とは違う、少しアウトサイダーな人たちがやってるものを観たいからお金払うんじゃないですかね。
総合格闘技に挑戦するのは暗闇の荒野を歩いていくようなもの
「『ああ平本ね、普通かな』っていうのは作りたくないんですよ。めっちゃ好きかめっちゃ嫌いかで語られる選手でいたいんで。だから、このままスタイルを変えるつもりはないし。1試合ごとに人生を歩んでいます。
『ジョジョの奇妙な冒険』がすごく好きで、戦うモチベーションもそういうところからもらったりして、アニメとか日本の文化がすごく好きで、だからけっこう中2病なんですよね(笑)。『覚悟とは犠牲の心ではなくて暗闇の荒野に進むべき道を切り開いていくことが覚悟なんだ』って主人公のジョルノが言っているんです。
僕が総合格闘技に挑戦するって意味はそういう、暗闇の荒野を歩くようなものなんですよ。甲本ヒロトも『お先真っ暗って良い言葉なんだよ。真っ暗で何も見えないからいいんだよ。暗闇のなかに何かあるんじゃないか』って言っていて。それって、自分だけが頼れる世界の事なんですよ。だからこそ自分の仲間も信じて、だからファンも信じてるんですよ。ファンにも応援してくださいって感じじゃないんですよね。一緒に戦おう、俺たちでやってやろうぜ。そんな感じです」
関連記事:コロナ禍で格闘技界はどうなるのか 格闘技界一「熱い男」RIZIN榊原CEOインタビュー この状況で大会をやる事の意義とは | TABLO
――そう言えば、YouTubeでゴンナパー戦の歓声はグッと来たっておっしゃってましたよね。
「ゴンナパー戦のときの歓声はすごかったです。そこで、俺は応援って一緒に戦ってるんだなと思ったんです。『応援されている』んじゃなくて、一緒に戦っていく。ファンと一緒に勝ち取りに行く感じですよ。『俺は平本蓮のファンやってるんだぜ』って、熱狂的な雰囲気を作りたいんです。コナー・マクレガーとかすごいじゃないですか。『アイリッシュの皆、やってやろうぜ』みたいな。あれが理想です。だから相手の身内とか相手のファンとかマジでどうでもよくて、大切なのは自分のファンだけです。
変な話、格闘技界のこの人に逆らっちゃダメだとか関係なく生きていきたいんですよ。俺はムカつくヤツにはムカつくって言うし、干されるとか知らねえよ、強けりゃいいんだよ、みたいな。しかも、こんなネット社会で自分で走り抜ける時代に干されるも何もないんですよ。だから抗いたいんですよね、ホントに。受け入れたくないんですよ」
――矛盾を感じるものを受け入れたくないってことですか?
「そうですね。自分の信念を曲げなければ、100人が『おまえは間違ってる』って言っても自分が合ってると思えば間違いないし。そういう意味では、自分の両親は最高の仲間なんです。だから、家族は大好きだし、お母さんの直感とかマジで当たるんですよ。そういう直感で生きてきたタイプで、そのお母さんに僕はすごく似たんですけど。お母さんを信じてれば間違いないですね。俺たちで勝つんだよっていう気持ちがあるから怖くないんだと思うんですよね。自分を信じてるから周りのみんなも信じられるし。だからみんなで勝ちに行くんですよね」
――今、この時点でもまったく迷いがない感じがしますね。
「ホントに迷いはないです」
――「どうしよう?」とかがない感じがします。
「はい。今、自分の心の中って澄んだきれいな空なんですよね。雲ひとつないきれいな空だから、この自分の中の世界って永遠に汚れることもないし、この空を汚すものってないんです。ホントに格闘技に純粋に向き合いたいから」
大晦日のさいたまスーパーアリーナを平本蓮の世界にします。絶対にそれは作る
――『リンダリンダ』の世界感みたいですね。
「ドブネズミが美しいという世界観、わかるんですよ。優しくなりたいというか」
――平本選手が『リンダリンダ』で入場してくると、お客さんがウォーッてなる感じが分かります。次は何の曲で入場するのか伺って良いですか?
「レゲエアーティストのCHEHONさんが入場曲を作ってくれて。それとトラヴィスを。新しい時代のロックスターになりたいんですよね、格闘技界のっていうか、ロックスターになる必要があると思ったんですよ」
――なるほど、ニルヴァーナみたいな感じの。
「俺は格闘技が終わったら死んでもいいっていう人生なんですよ。何で生きてるかっていったら格闘技で頂点を極めたいからっていう、生きる理由がそれだって気づいたんですよね。だから俺の中で結婚することとか、家庭を持つことは自分の人生のゴールではないし、80、90、100まで生きて長生きしてのんびり暮らしたいとか、そんな欲もないんですよ。格闘技で世界一になる、それが終わったら別にいつ死んでもかまわない、そういう生き方を見せたいんですよね。だから人生全振りだし100:0、全部自分にベットしてるというか」
――全然、迷いがないんですね。
「迷いはないですね。ぶち当たる壁も、もちろんあるとは思うんですけど、自分なら乗り越えていけると思うんです。K-1の頃も、もちろん覚悟もあったし、ゲーオとの試合もゴンナパーの試合ももちろん一生懸命やってきました。過去の自分も、すごい頑張ったなと思うんですけど、10代だったから不安定な部分が多少あったんですよ。
成人を迎えて22歳になってみて、コロナもあって1年ぶりの試合ですけど、その頃になかった闘争心とか自信とか、とにかく一人の男としての強さや覚悟が固まったというか。今までも、もちろん覚悟はあったんですけど、新たに心の強さを手に入れたんですよ。だから怖いものってホントにないです。怖いもの知らずとかじゃなくて、今ならどんな逆境でも受け入れられるんですよ」
――一般的な意味での「怖いもの知らず」とはまた違うんですね。
「無知で怖いもの知らずで突き進んで行くんじゃないんですよ。暗闇も無知で突き進むわけじゃなくて、しっかり知識をつけて理解しながら自分でちゃんとした道を作っていく。本気で丁寧に、よりきれいに。道はデカいんですけど、その中の小さい穴に糸を通していくというか、要はどんな状況でもしっかり打破するというか、しっかりクリアする、乗り越えて行く。そこに暗闇の荒野が待っているんで」
――大晦日の試合が荒野の暗闇ですか。
「運命ですね。去年は29日で大晦日じゃなく、BELLATOR(JAPAN)に出場しました。だから運命だと思うんですよね。自分が覚悟ができたから、『ホントにやる気があるならここで証明してみろ』って神様に言われている試合だと思うんですよ。神からの試練ですよね」
――萩原戦でそのドアを開けるという事ですか。
「そうです。刀を抜くというか。気負ってもないしナメてもない、ホントに集中できています。俺はホントに格闘技ができるっていう神からのアンサーなんですよ、今回の試合は。格闘技の神に愛されるか愛されないかの試合なんで、僕は間違いなく愛されるほうの男なんで、それを表現できるんじゃないかなと思います」
―ー新しい平本蓮選手が見られる、と。
「『新生K-1の申し子』って言われてきたんですけど、『格闘の申し子』としての最初の試合ですね」
――それは『負けられない』という表現とは違うんでしょうね。
「違うっすね、神からの試練なんですよね。『おまえは、どうこれを切り抜けるの?』っていう試合なんで。そういうときって自分の気持ちを信じてれば必ず会場も自分の力になると思うし、会場を自分のホームにするというか会場を味方にする」
――当日は、さいたまスーパーアリーナを「平本蓮の世界」にしたいですね。
「作るっすね。絶対にそれは作る」
――今は、同階級では斎藤裕選手がRIZINフェザー級チャンピオンで、目標っておっしゃていたと思うんですけど、大晦日の先のプランはありますか?
「そのプランを今、作るのは覚悟ではないんですよね。まず、この試合を使って神に誠意を見せてからというか。だからその先は誰とやりたいって選ぶべきではないんですよね。今は糸をひとつひとつ丁寧に通す段階なので、まずはこの穴に集中したいというか」
――その先はUFCとかっていうことですよね。
独りの人たちが『俺も一緒に戦っていきたい』となるように、大晦日では皆の心を奮い立たせたいですね
「そこまでの目標は作ってるんですけど、この途中段階はそのときの空気とタイミングで。ホントのスターだったら、いい試合が組まれると思うしいい相手も来るし、その状況状況で完璧な相手と戦えると思うんですよ」
――平本選手みたいによく考えている選手には、試合後のインタビューとかしにくいでしょうね(笑)。
「次の目標というよりもRIZINを作る。RIZINを作るっていうことは鏡なんで、自分にも絶対返ってくるんですよ。何だかんだいって僕、22歳じゃないですか、やっとスタートだと思うんですよ。僕は始まりが16歳で早かったんで、ベテランみたいな空気感出してますけど、22歳ってまだ始まったばっかりなんで」
――社会人だと1年目の歳ですからね。
「俺は養子みたいなもんです、RIZINの財産を輝かせるための。だから俺が原石じゃなくてRIZINが原石なんですよ。俺がどう輝かせるか、それがスターだと思うんですよね。RIZINをそういう舞台にします」
参考記事:今格闘YouTuberが面白い アウトサイダー出身の喧嘩屋で総合格闘技“ストリートの申し子”朝倉未来選手 | TABLO
――当日は、平本選手と萩原選手のバッチバチが観たいという以上のものを感じて試合を観ると思います。
「そういうバチバチとかってあくまでオマケなんですよね。平本蓮のデビューシングルを出すような感じです。だから相手と共感ももちろんいらないんですよ。相手と共感してお互い良い具合のフィーリングで試合を盛り上げるとかじゃないんですよ。自分の世界観の独走ですよね」
――ここまで考えを言語化できる、あるいは受け答えする格闘家の方は珍しいですね。しかも22歳。失礼ながら、ご家庭がすごく良いんだと思いますがどうでしょう。
「そうですね、最高の家庭で育ったから今の僕があるというか。僕の父親が本当に誇れる父親なんですよ。唯一この世界で尊敬するのは父親なんですよ。でも僕は絶対自分の父親にはなれないんですよ。家族を守ったり、そういうタイプではないし。人に愛を与えるというよりは人に愛をもらって戦っていきたいと思ったんで、自分はサポートする側の人間じゃないなと思ったし。
だから自分で自分の人生を謳歌していくというか。独りなんですよ。それが幸せです。家族団らんもいいですけど、それは自分が家族を作らなくても生まれたときから家族に恵まれてたんで、自分が良い家庭を作りたいとは思わないんですよ。自分のお父さんとお母さんが最高だから、今の家族のままでいいんですよ。だから僕は演者になる人生なんだなって振り切ってるんですよ、普通の生活はいらない、突き抜けるんでっていう」
――孤高でいることが幸せなんですかね。
「それはまだ愛を知らないとかそういうことじゃなくて、その愛を求めていないなと思ったんですよ。違う愛というか、格闘技に愛情を全力で注ぎたい、じゃないですけど、愛って人間関係だけものもじゃなくて、そういう戦いのなかにもあると思っているんです。だから人と違うことをしたいとか、みんなと一緒は嫌だとかじゃなくて、これが好きだからこれを選んでいくというか。空気を読まない男でありたい」
――22歳でここまで考えるというのは、ビックリしました。
「K-1のときになかった自分の強さを表現するとしたら、独りでいるのが怖くなくなったんですね。それが一番わかりやすいかもしれないです。RIZINに来て、独りでいるのが怖くないんですよ。常に遠くに家族がいたり、練習仲間と一緒にいない時間でも愛を感じるから、独りじゃないんですよね。K-1のときは、戦うときはどうせ独りだと思ってたんですけど、いまは違っていて独りが怖くないんですよ」
――ファンもそうですよね。
「ファンもそうです。ファンも一緒に戦っていく。『応援なんかすんな、一緒に戦うんだよ』っていう気持ちですね。だから独りが怖くないんですよ。ファンも一緒に戦ってるんですよ。ファンは俺の武器なんですよ」
――ファンも武器という事ですか。
「そうです。それは利用しているとかじゃなくて、自分にとって、心強い武器になるという事です。だから『一緒に戦っていくぞ』っていう気持ちですね。『独りじゃねえよ、俺たちは』っていう。常につながってるんだぜっていう世界観を見せられたらいいですね。1人ぼっちの人ってこの世界にたくさんいると思うんですけど、そういう人たちが俺の試合を観て、『俺も平本の応援したい。俺も一緒に戦っていきたい』っていう。大晦日では、そういうふうに皆の心を奮い立たせたいですよね」
※僕はリングに上がる人は無条件にリスペクトしています。そこに上がるまで、相当の努力をしてきたはずですから。そこで勝ち残る人には更にリスペクトが進みます。出場選手全員に心からのエールを送ると同時に、大晦日、平本蓮選手の世界にさいたまスーパーアリーナが染まる事を期待しています。(インタビュー◎文/久田将義 写真◎インベカヲリ)
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