コロナ禍で焼き鳥屋店主から松屋へ転職 同情するのか励ましていいのか問題 「上から目線」「他人事目線」絶対ダメ おすすめは「ゴールデン街目線」
TABLO / 2020年12月24日 5時50分
撮影時は2019年10月のゴールデン街。ついこの間までにぎわっていたのに。ゴールデン街の中は撮影許可がいるのでやたら撮影しないようにしてください(撮影・編集部)。
ツイッタートレンドで23日、こんなツイートが入ってきました。
【コロナで廃業した近所の焼き鳥屋のじいさんがこの時間の松屋で働いてて2020年で一番つらい気持ちになってます】
一見、悲しい書き込みです。確かにこれをツイートした人は、「いつも馴染みの焼き鳥屋がなくなった。で、松屋を見たらそこの主人が働いていた。物悲しい」といったような感情が読み取れるような気がします。
これに対しては両論に分かれました。まずは同情派。こんな感じの書き込みです。
【それは辛い】【悲しい。泣きそうになる】【胸が痛くなります】といった同情論。
これらとは別に
【働ける場所があって良かったね】【廃業しても頭を切り替えて働く。素晴らしいことだと思います】【頑張ってるからいいじゃん】【本人はストレスから解放されて良かったかも。飲食は3で8割がなくなるし】
といった肯定派が混在。
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他人事ではないのか、この冒頭ツイートは、7万件以上の「いいね」がつきました。問題は「焼き鳥屋のおじいさん」(あえて「お」を付けました)です。「焼き鳥屋」を心から楽しんで、好きで、生きがいだったとしたら、それは本当に悲しい事です。新規で開店して、年数も少ししか経っていないのなら、もしかしたらまだダメージは小さいかも知れません。そう願います。
いずれにせよ、何の職業であれ、「廃業」は愉快なものではありません。もちろん心情は「焼き鳥屋のおじいさん」のみぞ知る、な訳ですが。
もし「松屋」ではマネージャー的ポジションでの扱いで、「焼き鳥」のテクニックを活かして松屋のその店で頼りにされていたら、それはそれで第二の人生、頑張って頂きたいものです。
が、例えそうでなくても「変な同情」「曲がった同情」は控えたいものです。コロナ禍でもあり、もともと不景気でもあります。金に困ってツイッターで「闇バイト」で検索する時代です。その中で、合法的な職業に転職し、それがバイトでも契約社員でも、もちろん正社員でも、とりあえず「働く意欲」を失っていない事にまず拍手です。
そして、普通に「焼き鳥屋」をやっていたらまだ続いていたのに、コロナ禍によって廃業せざるを得なかったのなら「無為無策」と言ってよいでしょう、新型コロナに対して何もかもが遅い政府の対応に批判を浴びせるべきです。
変な同情は職業差別になります。会社員からタクシードライバーになったり、カメラマンからピザのデリバリーになったり、人生色々です。僕は、こういう時、歌舞伎町ゴールデン街を思い出します。
ゴールデン街は現在、世界的な名所になりましたが、ご存知ない方にざっくりと説明しておきますと、新宿・歌舞伎町の中にあり、花園神社の側にその一角はあります。青線跡(非合法の売春地帯)の名残りで小さな飲み屋が密集しています。数百m以内に約200軒とも言われる飲み屋・バーが混在している地域です。
参考記事:身体の一部を欠損した女の子がお酒をすすめてくれるガールズバーがあるのをご存知ですか? | TABLO
その中にある、とあるバーで、僕は右翼団体の人間、数人と飲んでいました。すると一人の右翼が「何だ。その箸の持ち方は」と怒られました。で、別の右翼が「箸の持ち方ぐらいでいいじゃん。ここ、ゴールデン街は銭湯みたいなもん。ここでは地位も仕事も立場もなく、銭湯に浸かって飲んでしゃべる場所なんだから」とフォローしました。
この出来事は、僕の中で結構深く記憶に残っていて、「ゴールデン街だけじゃない。世の中の人間関係って銭湯みたいなもの。職業や地位とか、働いている事には変わりない、関係ないんだ」という思想が染みついたように思います。ずいぶん前の話ですが。
このコロナ禍です。誰がどうなるか、自分の事だってわかりません。個人経営だけでなく、大手企業でも早期退職を募っています。昨日まで大企業だったのに現在はバイト。そういう人も周囲に少なからずいます。もちろんしたくない仕事だとして、早く脱出したいのならそうするべきです。が、僕はそれに対して、ゴールデン街で隣に座った客のように接しよう、そう思っています。自分が逆の立場でもそうして欲しいものです。皆、人間です。(文◎久田将義)
あわせて読む:ツイッタートレンド「裏社会の住人」とは何者か 誰でも裏社会の住人になる可能性がある|久田将義 | TABLO
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