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杉田水脈議員と小川榮太郎氏で下手を打った「LGBT批判」 新潮45は休刊すべきではない

TABLO / 2018年9月27日 10時30分


 雑誌が休刊する理由はいくつかあり、五つに分類してみました。

1、部数低下
2、版元の倒産
3、代表取締役の不祥事
4、広告主からの抗議
5、警察からの圧力

 5のケースは意外と思われるかも知れませんが、暴力団排除条例が施行された後、実話誌が軒並み休刊を余儀なくされました。もっと言えば、銀行からプレッシャーがあったとされます。

「新潮45」の自民党杉田水脈議員のLGBT批判は、忘れているかも知れませんが元々、朝日新聞批判の特集の中の一つの記事でした。それがなぜかターゲットがLGBTに。記事掲載後、批判が起きましたが、新潮45は開き直り文芸評論家・小川榮太郎氏の杉田議員の擁護記事を掲載。

 この二つの記事については、僕は徹底的に反対の立場を取る主旨を記事にしました。一言で言えば、「LGBTは生き方の問題である」という本質を全く見ないまま、感情的に、あるいは無駄な知識を書きつづった杉田、小川両氏の記事でした。


LGBT批判の「新潮45」 杉田水脈議員の決定的欠陥と雑音でしか無いお仲間の"論文"
http://tablo.jp/discover/news003824.html


 それでも、新潮45は廃刊にすべきではなかったと思います。
 言論の自由は憲法で保障されています。言論の自由をはき違えている人もいらっしゃると思いますが、極論と原則論で言えば、「何を言っても、書いても良い」のです。しかし批評の自由、批判の自由(反論権)もあります。言論の自由に基づいて、「何でも書いた」とします。すると反論されます(絶賛もされます)。そして、もしかしたら反論以上のしっぺ返しが来る可能性もあります。 

 自由というのは、100%、素晴らしいものではありません。いくばくかの犠牲やリスクが伴うものです。それでも不自由よりはマシです。僕らの先達はそういう選択をし、僕らもそれを享受し、尊重してきました。しかし、自由には責任が伴います。責任を負う覚悟を持って自由を享受しなければなりません。

 杉田議員、小川氏の言論の自由は守らなければなりません。しかし、僕は何度でも言いますが本質を外した杉田・小川両氏の論は愚かだと思います。と、思うこのことを記事にするのも言論の自由です。
 言いたい放題のネットも言論の自由の範疇です。その代わり、差別発言であったり誹謗中傷は、名誉棄損や脅迫罪などでどんどん取り締まるべきです。前記したように言論の自由には責任が伴うからです。

 新潮45という雑誌に関して言えば、初代編集長は僕の知己であり(業界では先輩となりリスペクトしています)、事件記事に関しては一目置かれていた雑誌でした。ある記事は「凶悪」(白石和彌監督)というタイトルで映画化されました。個人的には名古屋アベック殺人事件の元服役囚を追跡してインタビューにこぎつた記事が印象に残っています。

 今回は、冒頭に記した雑誌が廃刊する理由のうち、1と4が複合的に合わさっているものと思います。が、読者やネット言論に反対されたから、廃刊というのは余りにも責任感がなかったのではないでしょうか。

 青林堂のような確信犯的ネトウヨ出版社もありますが、さすがに日本を代表する出版社である新潮社のプライドがそれを許さなかったのでしょう。そしてもしかしたらスポンサーのプレッシャー。プラス部数低下により、これ以上存続させていくメリットが会社にとってなかったという事はわかるのですが......。(文◎久田将義)

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