朝方が“儲け時”だった風俗営業法のホスト、キャバクラが大ピンチ ガールズバーは昼過ぎから客引きか
TABLO / 2021年1月20日 10時30分
写真はイメージです
届け出をさせといて補償なし
1月8日、首都圏1都3県で発出された緊急事態宣言は、1都2府8県の計11都府県に拡大されたが、10日以上たった現在も顕著な感染防止効果があらわれていないのが現状だ。
そんな中、集中的な感染防止対策の要としてあげられた“飲食店”への風当たりが、マスコミ・ネットを問わず騒がしい。「補償金だけでは足りない」「いや、むしろ儲かってる店もある」など当事者でもないのに、侃々諤々の様相である。
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筆者がここ1年の取材で見た限りでは、ほとんどの飲食店については出来得ることはすでにやってきた(やっている)というスタンスなので、この議論に加わるつもりはない。いま注目したいのは、時短要請で根本的な営業の変化をせざるを得ない店の実態である。
日本一の歓楽街・歌舞伎町で言えば、まず挙げられるのが一時“戦犯”とも揶揄されたホストクラブだ。
今回の時短要請で意外に注目されていない点が酒類の提供時間についてだ。店側が提供できる時間は、午前11時から夜7時までの8時間。これに多くの居酒屋などが嘆いているワケだが、実はホストもキモとなる「稼ぎ時」を封印されてしまっているのだ。
言うまでもないが、接待を含むホストクラブは基本的に風俗営業法の規制に縛られる。風営法で定められている営業時間は、歌舞伎町など大歓楽街の場合、日の出から深夜1時まで。しかし、今回の時短では午前11時にならないと酒類は提供できない。
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つまり、一仕事終えて、朝方に来店する風俗嬢などの“太客”を逃してしまうのだ。同時に午後8時頃から深夜1時までの「第一部」と言われる時間帯の客層もNGだ。事実上“休業要請”に等しく、今回、ホストクラブ側に時短要請を拒む店があるのは、この理由も大きいと思う。
ホストクラブ同様、朝方に営業していた店にはキャバクラがある。いわゆる「朝キャバ」だ。これは(ホストクラブ同様)風営法の順守をお上が厳しく取り締まるようになった近年に増えてきた業態だが、これはこれで一部の客層から支持を受けていた。
また、夜8時頃から深夜1時までというホスト同様の営業形態を持つキャバクラにとっても、これは実質的な休業要請となる。それでも歌舞伎町の大手チェーンなどは休業を決断したが、体力がない経営者の場合、要請に応えないという選択肢しかないのだろう。
もちろん、いわゆる「三密」にあたるケースがほとんどのこれらの業種が、コロナ禍に営業を続けることに批判が多いのは当然だ。しかし、彼らにしても生活のたつきがかかっているワケで、その対応は行政側もある程度、考慮する必要はあるのではないか。
その隙をついて……というワケではないだろうが、現在歌舞伎町で増えているのが、午後早い時間から開店するガールズバーだ。もともと、深夜酒類提供店として営業している店が多い、“グレーゾーン”の立場なのだが、まだ日が沈む前から歌舞伎町の各所で、女の子たちが呼び込みをしているのが目立つ。
緊急事態宣言下でいつもより、客足は少ない歌舞伎町だが、それでも若者を中心にそぞろ歩く人はいる。数少ない客の争奪戦が、彼・彼女らの使命なのだ。(文◎堂本清太)
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