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アメリカがタイからの「ナンプラー」輸入停止 報道を受けてタイ国内外は混乱 『有害性』は本当なのか!?

TABLO / 2018年10月31日 12時17分


 ナンプラー(魚醤)といえばタイ料理に欠かせない調味料ですが、アメリカがこのナンプラーのタイからの輸入を禁止したと報道されて波紋が広がっています。

 10月23日、アメリカの食品医薬品局(FDA)がタイからのナンプラー輸入を禁じる通達を出したとタイ貿易奨励局長官が明かしました。輸入禁止の理由は、ナンプラー製造の発酵処理段階で発がん性有害物質の混入がないか検査を実施する必要があるためとされています。

 有害物質は魚の腸に存在している可能性がありますが、ナンプラー製造に使用する原料の魚は小魚のため腸を取り除く処理が不可能なのです。

 実はFDAは5月3日にタイの一部ナンプラー製造業者の製品を水産物食品規則違反のため輸入停止措置にしていました。理由はナンプラー製造過程で食物アレルギーを引き起こすヒスタミンとボツリヌス菌が産生する毒素が生じる恐れがあるからとされました。

 アメリカ当局は問題がないことを証明とする科学的根拠の提出かFDAの基準に適合するように製造過程の熱処理を見直すことを求めていると報じられたのです。

 タイ貿易奨励局はアメリカ国内にあるタイ料理店5千店やナンプラーを使用するカンボジア、ベトナム料理店に影響が及ぶことを不安視。

 このことを受けてタイの食品医薬品局は、アメリカの輸入禁止措置はタイのナンプラーに危険性が見つかったということではないので安心してほしいとタイ国内の消費者に呼びかけて不安の払拭に乗り出すまでに発展しました。

 しかし24日にタイ食品医薬品局と商務省は合同で、この報道は誤報でアメリカのFDAが輸入停止にしたのはタイの製造業者1社のナンプラーだけで、タイの他のナンプラーは世界基準を満たした安全な製品だと発表を行いました。

ところが食品医薬品局は別の場で25日に、現在の情勢に見合うようにバクテリアや汚染物質に関する基準を見直すとも語り、暗にアメリカFDAの基準を満たしていないことを認めるような発言もしています。

 消費者ではなくタイの省庁内が一番混乱していることが見て取れる結果となりましたが、今回の騒動で少なくともタイの関係省庁とナンプラー製造業者が危機意識を持てたのは良かったのではないでしょうか。タイ国内ブランドのナンプラーの品質向上につながることを期待しています。(取材・文◎赤熊賢)


ニュースを報じる現地の新聞KAPOOK
https://hilight.kapook.com/view/179431

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