発泡酒の税率がビールと同じになる? ビールの種類の豊富さにワクワクした平成初期はいずこへ|中川淳一郎
TABLO / 2021年1月24日 6時0分
写真はイメージです。
平成初期(1990年代)で思い出すのが「やたらとビールの種類が多かった」ということである。季節限定ビールならまだしも「状況に合わせたビール」まで登場していたのだ!
今でも「秋味」(キリン)や「冬物語」(サッポロ)など、季節限定の定番ビールはあるが、思い出すだけでもこれだけある。キリンの場合は「冬仕立て」「春咲き生ビール」「太陽と風のビール」などがあり、サントリーは「鍋の季節の生ビール」「秋が香る生ビール」などがあった。アサヒの「黒生」がヒットした後は、キリンが「ハーフ&ハーフ」を出すなどした。サッポロは「気分爽快生ビール」という何がしたいのかよく分からないビールも発売した。
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芸能人と紐づいたビールも多かった。いずれもCMを大量に出稿していた。
焙煎生ビール(サッポロ):織田裕二
Z(アサヒ):ビートたけし、森高千里(別の年)
ダブル酵母生ビール(アサヒ):米米CLUB
こうした商品がコンビニやスーパーに並ぶ度に「よし、試してみよう!」と思うものの、20代前半の私にとっては「違いがよく分からん……」といった状況になりがちだった。まぁ、当時は酔っぱらえれば良かったのだろう。だが、パッケージが違うビールを飲むことの楽しさは毎度あった。
だからこそ、今でも時々スーパードライが春になると桜の花を基調としたパッケージを出したりするとついつい買ってしまう。ビールは嗜好品なのだからこれでいいのである。
それにしても、昨今ビールのCMが社会的に話題にならないのは悲しさがある。サッポロ黒ラベルが豊川悦司と山崎努が「温泉卓球」などで対決をし「Love? Beer?」のコピーが出るCMをあまりにも2000年の箱根駅伝で見た時は衝撃的だった。その後もBBQなどで2人が対決したが、これを機に「イケメン枠」だったトヨエツがコメディもできる俳優になったと感じている。
他にも、和久井映見と萩原健一が登場したサントリー「モルツ」の「うまいんだな、これが」や、蓮舫らによる「結局、飲んでる 黒ラベル」ととんねるずの「大人になったら、黒ラベル。」も印象深い。役所広司が旬の食材と一番搾りを合わせるバージョンや、緒形拳が「ビールって、うまいよね」と幸せそうな表情を見せるCMも思い出す中高年は多いのでは。
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とにかく発泡酒や「第3のビール(新ジャンル)」が出る前のビールは税率の安さよりは、楽しそうでおいしそうなビールを求める風潮があった。ハズれは多かったものの、サントリーが1994年に税率が安い発泡酒の「HOP’s」を法の抜け道的に出して以来、完全に価格競争になっていった。
今やこれらの方が口に合う人も多いのだろうが、私のようなオッサンからすれば、ビールとはまったく異なるもの。
それでいて、2020年10月から酒税が変わり、ビールおよびビール系飲料の税率を段階的に同じようにしていくという。2026年10月に統一されるが、メーカーの努力を無にするような決定だ。だったら最初から意味の分からん酒税率の差など作らなければ、各社がよりおいしいビールづくりに専念できたのでは、とも思ってしまう。
あとは、キリンも「復刻ラガー」として、1998年に明治、大正、昭和のラガービールを復活させた。今、メルカリでこれを出品しているのを見たが、500ml瓶3本で6999円の値がついている。
なんだか発泡酒・第3のビールの登場により日本のビール界隈は実につまらなくなったな、と思う日々がもう15年以上続いている。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)
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