障害者である私のことを家族や友人は本当はどのように思っているのだろう...聞きたくても聞けなかったこと
TABLO / 2018年11月7日 16時30分
この1年でやっと、家族に『欠損バー・ブッシュドノエル』(障害のある女性が働くバー)での活動を伝えることができました。
活動から2年が過ぎ以前より半袖のままの外出や気にせず右手をそのままにする私を見て、暗い表情の母を見かけることがだいぶ減りました。
きっかけはTABLOさんで乙武さんへの気持ちを綴らせていただいたことです。たくさんの反響をいただき、それはありがたいことに共感もありましたが、想像していた通り多少の反感もいただきました。様々なご意見の全てに目を通すことは出来ませんでしたが、今は乙武さんへ感謝でいっぱいです。あのときに貴方に言えて良かった。勝手ながらそう思っております。そして胸を痛め付けてしまいすみませんでした。
「キミは障害者で可哀想だね」と言われたい私のような障害者がいることも知ってほしい|文◎あもり(欠損バー『ブッシュドノエル』所属)
炎上という言葉は当てはまるとは思いませんが、辛辣な私への意見に戸惑いもあり、しかしどこか傍観している自分がいました。乙武さんからお返事がいただけたことにとても驚き、その勢いで側にいた姉に一番最初に伝えることができました。
この事から9ヶ月後、応援してくださる方々から背中を押していただき母にも伝えてなかった『欠損バー・ブッシュドノエル』の存在と共に、そこにはたくさんの愛で溢れていることを伝えることができました。
今活動を応援してくれている家族がいてとても心強いと思いましたが、ふと私という障害者が家族にいてこれまで苦労をどのくらいかけてしまっていたのだろうか? と心配になり、姉へ問うことにしました。
すると一言、「とくにない。普通すぎて」そう返ってきました。
あれ、それで終わり? 慌てて何か私への悪口はないのか? なんて違う質問をしてしまいました。そうすると、
「リコーダーの練習のときに右手のせいにしていたなぁ」
とだけ。
ははは。
たぶんこうなんですよね。当人が自意識過剰になってしまい、周りはあまり気にしてないんだよ。と何度も何度も言われて来た。でも、それでも気にしないということがとても難しかったのです。
私は右手に障害があることで、思春期から最近まで長いこと悩んでいました。母も出産してからたくさん悩んでいたと思います。
そして先日、数少ない友人達へも打ち明けることができました。それまで少なからずタブー視されていた私の障害について、昨年結婚式にも招待してくれた幼稚園から一緒の友人が初めてこんなメッセージをくれました。
「私は小学生の頃から遊んだりしてたからか意識したりも気を使ったりもしなかったな。逆にそのことさえ忘れて普通に遊んでたからもっと気にすればよかったね、そこはごめん。結婚式のムービーとか写真見返した時にあもりが手を隠してる雰囲気が伝わってきたから気にしてるのかなと思った。でもそれ以上に結婚式ムービーで目が真っ赤になるまで泣いてくれた優しさの方がとても嬉しかったよ。本当にありがとう。
結婚式の時に気付いたと思うけど、旦那は生まれつき口蓋裂で2度も手術してるけど、やっぱり口がつっぱったり滑舌が悪かったりで『五体不満足』ではないけど本人も苦労してる。それも色々含めて深くいつか話し出来たらいいな」
こう寄せてくれました。
ああ、私は彼女が友人でとても誇りに思います。現在は看護師をしている彼女。この優しさにたくさんの患者さんが救われているのでしょう。それから彼女はTABLOさんに掲載していただいた私の記事を読破してくれたようで、とても嬉しく思いました。
最後にメッセージの掲載許可をもらうときに、もう一言。
「是非、他の方の励みになりますように」
活動を応援してくださる周りの方々の支えがあり私がいます。しかし、まだブッシュドノエルのことは父には言えません。
不登校になった15歳の時、「お前は四面楚歌だな」と言われました。これがずっと頭に残っています。
きっと、娘は今だに隠すことに必死で生きている......そう思われているのではないでしょうか。
周りに味方がいる今、伝えたい、そう思っています。(文◎あもり・欠損バー『ブッシュドノエル』所属)
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