元中国人・歌舞伎町案内人が新宿区議に立候補 ロフトプラスワンで映画『選挙に出たい』イベント
TABLO / 2018年11月8日 11時28分
歌舞伎町に一際輝く人情を通す男、李小牧。ホスト、ホステス、外国人などの社会的マイノリティの声を代弁する如く現れた彼は、歌舞伎町案内人であり、元中国人である。
そんな彼は2015年の新宿区議選挙に出馬した。立場や人種などのしがらみを超え、民主主義のあり方を自身の人生を通して体現する。その李小牧の活動を映したドキュメンタリー映画「選挙に出たい」が2018年12月1日、ポレポレ東中野にて公開される。
新宿ロフトプラスワンでは2018年11月4日に「選挙に出たい」の特別先行上映&トークライブが行われた。映画の中で頻繁に耳にした「民主主義」。日本で民主主義といえば、聞こえは良いが実際の中身は果たして民主主義を実践できているのか疑問である。民の声は権力者には届かず、強き者だけが潤う社会は正常と言えるだろうか。
一方で個人に向けられた意見は立派なものである。映画の一部にもあった日本人が李小牧に浴びせた言葉「中国人だから支持できない」はとても印象的であった。李小牧の演説を通りすぎた人から頂いた言葉に、偏見という日本社会がもたらす影がみえた。「帰れ」などの罵声を上げられても、「これが日本の民主主義のいいところ」だと李小牧は紳士に受け止めるが虚しさを感じてしまう。
社会的地位の高い人に対しては忖度を行うのに、地位の低い者と見れば馬鹿にし見下す態度はなんとも気味の悪い構造だ。
本来政治とは弱い立場の少数派の人たちのためにあるものではないだろうか。ホストやホステスだろうと関係ない。非正規雇用であっても外国人労働者であっても同じ場所で暮らす人間であり平等ではないだろうか。李小牧は日本の民主主義を映し、社会的マイノリティの人々の声を代弁して立ち上がる。
人口減少が問題となる時代に外国人との共栄、共生は必須となる。そんな時代にこそ、彼のような政治家がいてもいいのではないだろうか。(文◎宮原塁)
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