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問題閣僚で話題の第四次安倍内閣 「ポスト安倍」で挙がった謎の人物 『岸破義信』|プチ鹿島

TABLO / 2018年11月11日 7時0分


 久しぶりにいいものを見た。

『ポスト安倍は「岸破義信」(きしばよしのぶ) 加藤勝信総務会長急浮上』(産経新聞11/9)である。

 ポスト安倍の顔ぶれとして、加藤勝信総務会長(62)、岸田文雄政調会長(61)、石破茂元幹事長(61)、菅義偉官房長官(69)の名があがるとし、
《それぞれ一文字を取り、人呼んで「岸破義信」(きしばよしのぶ)-》  
 ああ。オヤジジャーナルの真骨頂。うまいこと名付けてやった感が漂う。と同時に狭い範囲でしか響かない予感がする。

「岸破義信」......たぶん浸透しないと思う。これは政治記者おじさんの責任だけではない。政治家が世の中に響いてないという証明でもある。

 記事には過去のネーミング例も載っていた。
《かつて、後継候補を示す造語として佐藤栄作元首相の「三角大福中」(さんかくだいふくちゅう。三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の各氏)、中曽根氏の「安竹宮」(あんちくぐう。安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一の各氏)、小泉純一郎元首相の「麻垣康三」(あさがきこうぞう。麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三の各氏)といった言葉が生まれてきた。》

 私は「麻垣康三」あたりから無理やり感がした。政治記者による政治記者のための発信に思えた。
 せめてこうしたネーミングをするなら皮肉をかましたものがいい。全盛期の竹下派幹部をまとめた「金竹小」(コンチクシショー)はよく覚えている。金丸信、竹下登、小沢一郎のことだ。全盛時の竹下派幹部をおちょくったようにも思えるし、3人のパワーのすごさを逆に感じられる「愛称」だった。

 そういえばプロレスマスコミでもこういったネーミングがあった。「鶴藤長天」(かくとうちょうてん)である。ジャンボ鶴田、藤波辰爾、長州力、天龍源一郎の4人の名前をまとめたものだ。これは「格闘頂点」という意味もあると「週刊ゴング」は説明した。
 こちらも無理やり感が漂ったが、時代背景もあった。当時は政界のニューリーダー「安竹宮」が注目されていて世代交代の機運が高まっていた。それならプロレス界もという専門誌のキャンペーンだったのだ。

 そう考えてみると、こういうネーミングが浸透するには時代の要請や、一目置かれる役者たちが揃う必要だ。となると「岸破義信」はやはり苦しく思える。

 それよりももっと大事なネーミングがあるはずだ。政治とカネで各紙で名前が出ている新閣僚がとにかく多いのだ。
『政治とカネ 新閣僚5人に問題 第4次安倍改造内閣1カ月』(東京新聞11月4日)を読むと、片山さつき地方創生担当相のほかにも政治とカネ問題で名前が出ている人たちがいる。

 宮腰光寛沖縄北方担当相と平井卓也科学技術担当相、渡辺博道復興相、柴山昌彦文部科学相である。片山氏の陰に隠れているこの4名を忘れないように「宮平博彦」とまとめておきたい。

 あともうひとり、しどろもどろ答弁の「桜田義孝」。あ、五輪担当相のフルネームだ。
 あのおじさん、ホントに勘弁してほしいです。(文◎プチ鹿島 連載『余計な下世話』)


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