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元関東連部幹部石元太一氏との公開書簡三弾(後半)「(芸能界とは)残念ながらそういったものはなく健全なものです」

TABLO / 2018年11月14日 16時10分

 元関東連合幹部、石元太一氏の手紙、後半部です。現在「六本木フラワー事件」(2012年9月、六本木のクラブ「フラワー」で関東連合メンバーが一般人を敵対相手と勘違いをして撲殺した事件)の主犯として刑務所に服役中です。石元氏と担当弁護士の許可を得て、本サイトで後半を公開したいと思います。芸能界についての質問をしてみました。(久田将義)


前半はこちら:
元関東連部幹部・石元太一氏との往復書簡第三弾「世間の方もこのことを知ったら驚くと思います」



 関東連合と芸能界の結び付きがあるという言葉は少しオーバーな気がします。(元々芸能界自体がアウトローな人達の集まりという久田さんの指摘、意見には納得でした。確かより上の世代の芸能人の方の中には、独特の色を放つ豪快な方が多くいますよね)。
 芸能界と結び付きがあるのは、関東連合のOB内でも一握りの人間だけだと思います。特に芸能人と日常的に遊んでいるとなると、2~3人くらいしかいないのではないでしょうか。私の場合は友人の食事の席や酒席で紹介されたり、誰かの祝いの席などで同席された方を紹介されたりというのが多かった気がします。

 世間は「芸能人を強制的に集めた会が定期的に開かれている」という言葉を一番期待していると思うのですが、残念ながらそういったものではなく健全なものです(笑)。普通に友人が出来る過程と一緒です。

 こういうところにいると、外にいる頃と違って自発的に情報収集する必要がある為か、ビートたけしさんの話(註・「新潮45」での連載のゲストが稲川聖城初代総裁だった事)は全く知りませんでした。とても興味深い話ですね。

 袴田巌さんの事件は私も冤罪だと思っています。ジャーナリストの寺澤有さんから当時の記事を送ってもらい読ませてもらいましたが、明らかにおかしな点が多く、改めて警察・検察というものに対し不信感を抱いたものです(そんな中でも特に衝撃的だったのが元裁判官の熊木典道さんの告白でした)。
 ところでその熊木さんも、裁判官でも報道による影響を受けるということを言っていましたが、それが裁判員となると一体報道によってどれだけのバイアスがかかるのか......。

 私自身も逮捕後であることないことをいろいろメディアに書かれ続けました。接見禁止中で本人が何も反論出来ない中、それがどれだけ裁判に影響を及ぼしたか......。想像するのも容易いことです。そう考えると、本を出版したり、ブログを通じて外に自分の考えを発信するのは、やはり良い防御になりますね。自分の身は自分で守るしかありません。

 また、事件に関する証拠にしても検察にとって都合の悪いものは出さないのが当たり前になっています。裁判というのはフェアに行わなれると世間は思っていますが、実際はとてもアンフェアなものです。
 検察が本当に被害者のことを考え、事件の解明を願っているのなら、押収した証拠を全て開示すべきです。証拠は税金を使って集められるものなので、検察が独占していいものではありません。検察は証拠を隠してでも、自分達のつくり上げたストーリー通りの判決を得ようとするから、冤罪が生まれてしまうのです。検察は無罪というものを病的なほどまでに恐れ、嫌っているように思えます。

 東海道新幹線内で起きた事件(註・2018年6月に起きた新幹線内で斧を持った男が次々と斬りかかった事件)、私も新聞や雑誌、ラジオニュースなどで見聞きして驚きました。久田さんの言うように、類似した事件は増えてきていますね。世の中に対し、絶望感や疎外感を感じてなどと語る加害者も中にはいますが、もし本当にそういった感情がトリガーになったいるのだとしたら、今後もっとこういった事件は増えていくような気がします。今はネット社会であり、SNSの利用者もとても多いですよね。

 今までは見えなかった他の人の生活、日常が簡単に覗けるようになりました。中にはそれによって自分の生活、現実との比較を始め、不健全な感情を抱く人も多く出てくるようになるのではないでしょうか。
 もし私がその場に居合わせたらという質問もありましたが、もちろん止めに入っていました......と言いたいところですが、やはり実際にその場にいてみないことにはわからないことですよね。ただ、人として亡くなられた方のようでありたいとは思いますが。

 原発事故については、日本人であれば誰もが考えなければいけないことでしょう。まだ、この日本に原子力発電所が存在しているのですし。今回逮捕されてからもいしだ壱成さんの原発に関する書籍や小泉純一郎さんのインタビュー記事など、いろいろと読みましたが、やはり原発に対して私は肯定的には受け止められません。

 あの原発事故後、新宿アルタ前で行われた募金活動に参加したことがあるのですが、その時あの山本太郎さんと一緒になりました。あの時期、多くの芸能人の方が同じような活動をしていましたよね。中にはなぜか「売名行為」などと叩かれている人もいましたが、山本さんには全くそのようなことを思いませんでした。
 正直、山本さんくらい有名な方であれば、黙って立っているだけでも募金は募ります。でも山本さんはその時参加している誰よりも一生懸命に走り回り、声を上げ募金を集めていました。その姿を見て、「この人は本当に被災者のの方達のことを考えているのだな」と思ったものです。
 それからというもの、山本さんの活動が自然と気になるようになりましたが、それが結果、原発というものを深く考えるきっかけになった気がします。

 長々と書いてしまい申し訳ありません。また、乱筆乱文になってしまったことも申し訳なく思っています。最近は猛暑が続いていますが、久田さんの方も体調管理にはくれぐれも気をつけてお過ごし下さい。また手紙書きます。

石元太一

 追伸「ホーリーランド」の名前が出て驚きました。あのマンガ、本当におもしろいですよね。私にとっても好きなマンガの一つです。(了)


あわせて読む:元関東連合幹部・石元太一服役囚からの手紙「六本木フラワー事件」とは何だったのか

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