森喜朗会長の炎上謝罪会見 裏社会で「アレ」をやったら背筋が凍るという話|久田将義
TABLO / 2021年2月6日 5時50分
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写真はイメージです。
謝罪のプロと言われる人が何人かいます。そのプロにも是非コメントを聞きたいのですが、謝るという行為は非常に難しい事です。謝罪の仕方によって、その人の器量が問われるくらい難しく、重要な行為です。
森喜朗・東京五輪組織委員会会長の「女性が多いと会議が長い」失言。翌日4日にすぐさま「謝罪会見」を行いましたが、記者との質疑応答で「この人、全く反省してないんじゃないか」と思えるほどキレ気味の会見を行い、逆効果を生んでしまいました。
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森氏は首相時代から、あるいはそれ以前から問題発言をする政治家として知られていました。元ラガーマンという触れ込みも政治家森喜朗の出世を助けましたが、途中退部した人をラグビー部出身とは言わないというラグビー部出身も多いでしょう。また浅田真央選手について「大事な事であの子はひっくり返る」と言い放ち、それが悪気がないとされていたのも気持ち悪いです。
僕は「実話ナックルズ」(大洋図書 元ミリオン出版)の編集長(発行人も兼ねていた時期も含めて)として、また政治経済専門の会員制情報誌「選択」編集次長として、ヤクザ、右翼、半グレといったアウトローだけでなく一部上場企業、閣僚経験のある政治家、芸能事務所、有名大学教授、有名ライター、著名文化人らから抗議、裁判、恫喝を受けてきました。それに対しなるべく自分が表に出て1人で、時には弁護士に相談しながら謝罪してきました。未だに、謝罪は苦手なのですが、過去の体験から森氏の謝罪について解析していきたいと思います。
裏社会から政治家まで、様々な職種の人に謝った経験から言うと、
・余計な事を言わない
・知ったかぶりをしない
・うかつにうなずかない
・話をひたすら聞きまくる
そして最後に一番重要な、
・思いっきり謝る
があります。
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森氏の会見は「謝罪」と言われているのですが、どう見ても謝罪の気持ちはなく、「撤回すればOK」という安易な気持ちが表れていました。「撤回すればOK」のパフォーマンスをするならば、もっと強く言わなければ。大袈裟と取られても大声で言わなければ。100%の謝罪の気持ちで謝らなければ。
森氏は7年間オリンピック招致に関わってきました。どうしてもプライドが邪魔をします。しかも元首相です。心の中を100%の謝罪の気持ちにするのは難しいでしょう。僕は編集者ですから、編集者的視点から謝罪の仕方を見てみます。かなり前ですが感心してしまった謝罪文を目にしました。
「噂の真相」という一時代を席巻した雑誌がありました(現在は休刊中)。独立メディアながら数々のスクープを掲載し、「タブーなき雑誌」と言われた雑誌でした。名編集長だった岡留安則さんも何件か謝罪文を出していましたが、ある号での謝罪文が傑作でした。天皇家への記事に対し抗議が来ました。その後、「臣岡留安則」という最大限に頭を垂れる表記で自分を表現しました。
これは「思いっきり」謝っています。(表向きは)100%の謝罪の気持ちに見えます。謝る時はこれくらいの謝罪力が欲しいものです。
記者との質疑応答の際、質問に質問で返すのは最悪です。この時点で謝罪とは言えません。対話になってしまっています。
これをもし、裏社会の人間にしたら洒落にならない目に遭うでしょう。森氏がどれだけの修羅場をくぐっているのか分かりません。が、あれだけの長いキャリアですから100%の謝罪をした事くらいはあるとは思います。100%の謝罪はいわば、切り札です。伝家の宝刀です。いったん抜いたらなかなか鞘に戻りません。恐らく昔、抜いた事があるのではないでしょうか。ですから今回は抜けなかったのかも知れません。それが会長職を追われるかも知れないほどの大失言だったとしても。(文◎久田将義)
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