ワクチン輸送難航を日本企業が救うか マクセル社が世界初の全固体電池を量産へ マイナス70度でも使用可能
TABLO / 2021年2月8日 11時30分
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ワクチンの超定温輸送が課題となった今
世界的にワクチン接種が推進されている現在、アメリカのファイザー社やモデルナ社のワクチンの輸送には超低温が求められる事から、超低温輸送をいかにして実現するかに大きな注目が集まっています。
タイニュースをお伝えしているPJA NEWSでは、タイ政府がこれまでに超低温輸送の難しさから、イギリスのアストラゼネカ社のワクチンと、中国のシノバックのワクチンを輸入する方針である事をお伝えして来ました。
しかしながら、世界的に見ると日本を含む先進国の多くは超低温輸送を行う事を前提として、ファイザー社やモデルナ社のワクチンの接種を進めています。その中で大きな問題となっているのが、超低温での輸送や管理をどうやって実現するかです。
流通大手幹部は「低温輸送は医療関係での輸送では必要とされており、その設備はあるものの、ファイザー社の求めるマイナス70度での輸送は前例もほとんどない」とコメントしており、この実現が世界的に大きなハードルとなっている事がわかります。
現在は超低温の中では電子機器を使おうにも、そもそも使えるバッテリーすらありません。
現在、電子機器のバッテリーに主に使われている「リチウムイオン電池」は0度~35度での利用が推奨されており、マイナス70度で利用できるものではないのです。
そこで大きな注目を集めているのが、マイナス70度でも利用できる電池であり、日本企業のマクセル社が世界で初めて量産する硫化物系の全固体電池、「コイン型全固体電池」です。
「全固体電池」とは何か?
この全固体電池とは簡単に言うと、一般的なリチウムイオン電池は電流を発生させるために必要な「電解質」に液体を使っているのを、固体にした電池の事です。
この全固体電池、一言で言うと「未来の電池」というべきもので、従来の電池と比べて格段に小型で大容量化が可能な上に、リチウムイオン電池のように危険な液体の電解質を使う必要がなくなり、形状も自由となり安全性も非常に増します。また、長寿命であり、温度変化にも強くなるという特徴があります。
【資料】全固体電池に共通する特性
構造や形状が自由。薄型など、柔軟な電池が実現
小さな層を重ねることで小型・大容量化が可能
固体なので丈夫。寿命が長くて熱や環境変化に強い
高速充放電が可能
ビジネス+IT)「全固体電池」をやさしく解説、従来の電池との違いや実用化の見通しは?
https://www.sbbit.jp/article/cont1/37046 より
尚、全固体電池には硫化物系と酸化物系があり、硫化物系が本命と言われています。この硫化物系の全固体電池を世界で初めて今年から量産化するのが、マクセル社の「コイン型全固体電池」です。
この電池、マクセル社によると「マイナス50度~125度」の、超低温から超高温でも利用可能であり、これまで電池が使えなかった温度でも、電池が使えるようになる画期的な新商品です。これにより、超低温輸送の現場でも電力を供給できる唯一の電池となっており、大きな注目が集まっています。
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尚、モデルナ社のワクチンの輸送で求められているのはマイナス70度ですが、マクセル社の全固体電池はマイナス70度でも利用は可能であると伝えられています。
さらに全固体電池の特徴である、小型でありながら高い入出力特性を有し、衝撃などに対しても安全で、20年以上にわたる長寿命を実現した、日本のマクセル社の「コイン型全固体電池」。
世界的にワクチンの超低温輸送の必要性が高まっている中で、日本企業のマクセル社が技術力で活躍し、世界初の商品を量産することで、ワクチンの安全な輸送と供給に貢献している取り組みに、大きな注目が集まっています。(取材・文◎PJA NEWS)
※マクセル株式会社の全固体電池のより詳細やお問い合わせ先は、以下のオフィシャルサイトをご覧下さい。
マクセル株式会社)コイン型全固体電池(https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/allsolidstate.html)
※本記事で引用した、マクセル社の英語版プレスリリースは以下からご覧いただけます。
マクセル株式会社プレスリリース(英語版 https://www2.maxell.co.jp/news/)
本記事で引用したプレスリリース(英語版)ダウンロード(https://ssl4.eir-parts.net/doc/6810/ir_material4/151968/00.pdf)
尚、日本語版のプレスリリースは以下からご覧いただけます。
マクセル株式会社プレスリリース(日本語 https://www.maxell.co.jp/news/)
※本ニュースは、タイニュースを伝える以下のPJA NEWSの記事を元に配信しています。
PJA NEWS(https://pattayaja.com/)
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