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コロナで人に会えなくて辛い そこで「ジモティー」をやってみたら、来た人々がすごかった|岡本タブー郎

TABLO / 2021年3月2日 10時50分

コロナで人に会えなくて辛い そこで「ジモティー」をやってみたら、来た人々がすごかった|岡本タブー郎

画像はイメージです

私はふと思いつき、スマホにフリマアプリ『ジモティー』をダウンロードしました。

そしてその場で目に入った家具と家電の写真を撮り、アプリ内に次から次へとアップしていったのです。今まさに使用中で無くては困るワークデスクには、累計で1300人の人が閲覧し、100名近い「譲ってくれ」というメッセージが届きました。そりゃそうでしょう。私は当初、こんなもんには値がつかないんだろうなあと思い込んでいたので、「無料であげます」と書いてしまったのですから。

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コロナ禍の人に会えない反動で…

そもそも、人の輪の中にいようがいるまいが、そんなことは重要ではなかった自分。いくら嫌われようが、孤立しようが、言いたいことは言うという性格の私にとって、人に会えないことなんて特に問題視するような事でもありませんでした。

しかし、長引くコロナの影響で自粛を余儀なくされ、こうも人に会う機会を極端に減らされると、「あれ、なんか、人と喋りたいかも」と欲求が出てきたことに気付きました。

誰でもいいから話をしたい。

こんなことを心底思ったのは生まれて初めてかもしれません。私みたいに人に嫌われてナンボで生きている人間がこうなわけですから、ちょっとした淋しんぼうの人にとって、コロナ自粛とは辛すぎる試練なのかもしれません。

取材を命としてきた編集者の私としても、確かにこのままではいかんと思い始めてはいました。集団の中での自分の立ち位置などはどうでも良いですが、「知らない人に会えない」というのは意外にも致命的だな、と。知らない人に会って得た情報が記事となるわけですから、8時で店が閉まる世の中が続くと私自身が無になるような気がしたのです。

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そこで、思い付いたのが、直接会って不用品をやりとりできる「ジモティー」をやってみようということでした。

メルカリやラクマとは違い、ジモティーは会ってやりとりすることがメインに設定されているアプリです。もちろん遠方から送付したり、決済することも可能ですが、引越しで不要になったものを取りに来てもらい、双方が「良かったね」という結論が出せることが特徴となっています。とにかく誰かに会わなければいけない、会って刺激をもらわなければいけない。ある意味「職業病」のような発作が出てしまい、一見無意味に思えるような行動に出てしまったのです。

まず、私は自分の部屋で目に入った家具を片っ端から写真を撮っていきました。ひと家具に付き5枚です。自分が使っている目の前のデスク(無料)、冷蔵庫(2,000円)、洗濯機(2,000円)、ソファ(3,000円)、ラック(1,000円)、無印良品の収納ケース(2個で500円)、PCモニター(無料)、今座っている椅子(2,000円)、掃除機(1,000円)、アレクサ(500円)………冷静になっている今だから言えます、値付けがおかしい、と。

ジモティーは無料であげる人も多いことから、メルカリやラクマとは別種の層の人々がいる特殊アプリです。私が無料で出したものはもちろん、値付けがおかしすぎる激安の家具も、驚くほどの人数から閲覧されていました。

「すごい……なんだ、このアプリ!?」

自分の値付けがすごいことも知らずに、私はジモティーにハマりました。前から知っていたにもかかわらず、「客層がなあ…」などと勝手に判断して敬遠していたわけですが、コロナのおかげで新しい世界を見ることが出来たのです。

ジモティーからやって来た人々

前述したように、ジモティーは無料の商品もあるため、トラブルもまあまああるようなアプリです。当然、私はそこにも期待していたわけです(ネタになるし)。予想通り、届いたたくさんのメッセージの中には、日本語とは思えないような「絶対この人ヤバいじゃん」というものも紛れ込んでいました。

ただ、たくさんのメッセージを読んでいるうちに、みなさんがジモティーを真面目に生活の糧として使っており、真剣にメッセージを送ってきているということが分かりました。

「私はシングルマザーで子どもに机を買ってあげられないので是非ゆずってください」とか「アレクサというものを使ってみたいのでお願いします」とか「こんな収納ケースが欲しかったのでお譲りください」などといったメッセージが届きます。

机なんて、今Amazonを覗けばとても安く買えるのに、無印良品だけど汚れているケースなのに、ですよ。みんな本当に困っているんだ。お金がなくて人からもらうことに必死な人もいるんだ。新品を買っても数千円しか違わないのに汚れている方を選ぶのか。

私は無性に、この人たちに親切にしたい…そう思い始めていました。

最初にやって来たのは、無料の机を数多くの候補者からゲットした人でした。受け渡しの場所は新宿でしたが、江東区からはるばる来たそうです。30分遅刻して来たのですが、その理由は「ニトリ」に寄って来たからでした。

ニトリではある程度大きいものを買うと、軽トラを無料で貸し出してくれるんですよね。それを利用して、以前から必要だったマットレスとカーテンレールを購入し、軽トラをレンタル。時間制限があると思うのですが、急いで新宿まで来て、机を積んで帰るという計画でした。

運転席からガリッガリの男性が降りてきました。茶色いセーターにGパンで30歳くらい。少し元気のない人でした。私は「手伝いますよ」と言って二人で机を持ち上げ、荷台にきれいに積んであげました。聞けば「ずっとこんな机を探していた」とのこと。マットレスがシングルだったので一人暮らしなのでしょう。これまで敷布団も机もない部屋で暮らしていたそうで、そこまで突っ込んで聞けませんでしたが、生活が厳しいというお話でした。

「気を付けて!」軽トラを見送ったのは、出会ってから10分も経っていないと思いますが、なんだか少し心が動いてしまったのは言うまでもありません。

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途中で「無料」はヤメた

アレクサを取りに来たのは、28歳くらいの綺麗な女性でした。メッセージに「黒いダウンに、白いマフラー。下はジーンズで、ショートカットです」と来たときは、なんだかドキドキしてしまいましたが、女性はそのとおりの姿で現れました。

こういう出会い方は、以前エロ本を作っていた時に散々出会い系アプリを使っていたのでなれてはいますが、あまりにも久しぶりすぎて新鮮でした。

「こんにちは!」

私はすぐに女性に元に駆け寄りました。驚いたことに女性は、私にわざわざ缶コーヒーを用意してくれていて「冷たいのでごめんなさい」と渡してくれたのです。

キュン!!!!

マスクをしていたので口元は分かりませんが、目元はとても美しい人でした。私があと10年若ければ「お茶でも行きませんか!」と言っていたところでしょう(だから、それがハラスメントなんだって!)。

彼女にはたまたま暇な日だったので「最寄り駅に行きますよ」と伝えたのが嬉しかったようで、それで缶コーヒーを差し入れしてくれたのだと思います。なんだか、気持ちが嬉しいですよね。

さて、途中で「無料だとメッセージが山程来るのでシンドイ」ということが分かり、いくらかは値段を付けて投稿し始めました。それでも、メルカリやラクマとは雲泥の差です。閲覧数がエグいほどあるんですよね、このアプリ。

ラック(棚)を取りに来た女性には驚きました。私がたまに見るバラエティー番組の「再現VTRに出てくる女優さん」だったのです。小型ですが外車に乗ってやって来たので「今までの人とは違うな」とは思ったんですが、まさかの女優さんだとは。

「傷があるって書いてましたけど、綺麗じゃないですか!」

私はなるべく素直に商品の状態を書くようにしていました。実際に見てもらって気に入らなかったらキャンセルでもいい、とも書いていました。でも、女優さんは気にいったようなので、その場で分解して外車を傷付けないように運び入れてあげました。その後は道を誘導して「お気を付けて~」とお見送り。こんな出会いもあるんですね~。

なぜメルカリやラクマじゃダメなのか

2月はこんな調子で、週に5人に会うようなペースで過ごしてきました。こうしてジモティーを使ってみて分かったのは、

・無料だとめちゃくちゃメッセージが来る
・意外といい人が多くてびっくり
・ヤバい奴はメッセージの段階である程度分かる
・人に親切にするのは結構ハマる
・来た人のほとんどがめっちゃ痩せてた

と、いうことでした。

とても面白いし、今後ももっと奇妙な出会いがあると思うので、自分の家具が無くなるまで活用してみようと思います。コロナで人に会えないからってアプリで強引に遭うなんてアホなの? と言われそうですが、今週の金曜日にアップ予定の「マッチングアプリを舐めるな 私が美人局に遭い命を削った話」に比べれば、人の役に立つジモティーはとても健全だと思います。

メルカリやラクマだと、こんな体験は出来ないんです。向こうはフリマアプリと言えども、郵送・宅急便のやり取りがメインです。しかも、無駄に交渉されて値下げを要求されたり、送料は出品者がもつのがデフォルトだったり、閲覧数が全然伸びなかったり、ガッツリ手数料も取られて儲けなんて無い。

出会って、現金払い、手数料なし。

これからはこのシンプルさです。メルカリやラクマは現状を続けていたら、いつかジモティーに抗うことも出来ない差を付けられてしまうのではないかと予想しています。(取材・文◎岡本タブー郎)

あわせて読む:障害者が働くということ|岡本タブー郎

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