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マッチングアプリで命を削るほどの危険な体験 名前を変えただけの「出会い系サイト」には要注意|岡本タブー郎

TABLO / 2021年3月5日 10時50分

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画像はイメージです

最近は、マッチングアプリで男女が出会うことを良しとする風潮がありますが、いつからこの「名前を変えただけの出会い系サイト」が市民権を得たのでしょうか?

確かに、出会いに乏しい時代です。それにコロナ禍でもありますので、誰かに会いたいという気持ちは理解できます。私もつい先日「人に会いたすぎて自分の家具を『ジモティー』で出品しまくり知らない人と待ち合わせた」という記事を書いたばかりです。

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しかし、過去に出会い系サイトで本当に危険な目に遭ってきた私から見ると「なーにがマッチングだよ! そんな言葉に騙されて課金させられてるのに馬鹿じゃねえの!?」としか言い様がありません。

気軽にアプリを入れて、出会い目的で誰かと繋がろうとする行為が、いかに危険で愚かなことかを、これから説明していきたいと思います。

100%サクラのマッチングアプリなんてザラ

235万人ものチャンネル登録者数を誇るユーチューバーも、マッチングアプリをプロデュースする時代です。マッチングという言葉は今どきで、若い人たちの「ハードルを下げる」ことに成功しています。ビジネスの上手い人はいろいろと考えるなあ…と感心するほどですが、中身は何ひとつ、あの「出会い系」時代と変わっていないことを理解してください。

「もう、10社近くにアプリ作って納入しましたよ。基本的には同じ仕組みで、男性ユーザーが女性と話したければどんどんポイントを使っていくっていうものですよ」

弊サイトの取材に応じてくれた、アプリ制作者(エンジニア)は語ります。

「なんでこんなに人気なんですかねえ? 結局アプリの中身は出会い系サイトと何ひとつ変わらないし、目立っている運営会社だって昔と同じメンツじゃないですか(笑)。マッチングと名前を変えただけで、こんなにまたブームになるなんて、信じられないですね」

出会い系サイトの頃は、まだあまりスマホが普及していない時代でした。ギリギリ、iモードが生き残っており、ユーザーはコンビニに置いてあるLoppi的な機械で電子マネー的なやつに課金して、怪しげなiモードサイトに巣食う「ヤれる子」を探していました。

それがスマホ時代となり、アプリとなって出会い系サイトは生まれ変わり、名前も「マッチングアプリ」と受け入れやすいものとなったわけです。

「今の技術だと、どこの誰がやってるってことは丸わかりだし、クレジットカードの情報だって筒抜けですよ? こんなのやってて、本当に大丈夫なんですかね」

義憤にかられたエンジニアさん。けど、あんたも出会い系業者のシステムの中の一人でしょうが。

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さて、弊サイトはマッチングアプリでサクラをやっている40代女性にも接触することが出来ました。彼女はいちいち爆笑しながら、こう教えてくれました。

「男の客の気を引くようなことをず~~っと言って、ポイントをどんどん使わせて、課金させる。そしたら自分にボーナスが入る仕組みなんですよ。社長に『おまえうまいな。毎日バイトに来てくれ』って言われちゃいました」

……まさに、iモード時代に聞いたような話です。それでもあの頃はサクラもいたけど会える子もまあまあいたんですよね。

「え? うちは100%サクラですよ。申し訳ないけど男性客は誰にも会うことはできません(笑)」

命を削るほど怖かった経験

かくいう筆者も、出会い系サイト全盛期の頃、会社から命じられて毎日「脱げる女性」を探していた時期がありました。当時、私はエロ本編集部にいたわけですが、激烈に斜陽するエロ本業界は当時、金のかかる単体女優のグラビアを諦めて、その辺の素人女性の決して芸術的ではない「生々しい裸」を金づるとしていました。

1日に多くて5人ほどの女性と待ち合わせ、挨拶もそこそこにラブホテルに入るのが仕事でした。会社にも行かず、池袋や新宿、渋谷の路上でずっと過ごしていたのです。サイト上でやり取りするとすぐにポイントを失ってしまうため、メールアドレスを教えてやり取りをしていました(もちろんLINEなんて無い時代)。そこでハメ撮りをしていくら、どんな雑誌にのるのか、目線は入りますなどの条件を交換して、待ち合わせ場所へ行くだけの日々でした。

素人の女性と会うというのは、それはそれはもうトラブルの連続でした。今回はそこにはあまり触れませんが、手首がカッターで切った痕で「蛇腹」みたいになってる子、泥水の中に入ってから来たのかと思うほど汚い姿の子、部屋に入ってみたら実は脱糞していてものすごい臭いだった子、いきなり麻薬を出してきてすすめる子など、南米やアフリカを一人で旅して来たくらいの度胸が付きました。

しかし、そんな私でも、渋谷で出くわしてしまった「美人局女」だけは今でもたまに夢でうなされることがあります。

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「今日って3万円だよね?」

ハメ撮りしている最中にその女は無表情で私に聞いてきたのですが、約束の金額は2万円でした。もはや2でも3でもやることは同じだし会社の金だし、どちらでも良かったのですが、私は「いや、2だったと思うよ」と返しました。

すると女性は「ふ~~ん」とだけ言い、ハメ撮りをされたまま携帯電話(もちろんガラケーですよ)に何か素早く書き込んで送信している感じでした。私はハメ撮りしながら「ああ、これはなんか、まずいことになるな」と思ったのです。

しらを切るラブホテルの受付

撮影が終わり、お互いが服を着ている時に、「ドンドン!」とラブホテルのドアが叩かれました。2000年代のラブホテルは玄関にまで料金をスタッフが取りに来ていたのでしょうか。そんんわけはありません。これは明らかに異常事態が発生しています!

ダッ!!

その女はダッシュで部屋のドアへ向かい鍵を空けます。すると、外から中に大きな男が一人入ってきたのです。そいつは、

・ジェルで真っ逆さまに固めた短髪
・目は一重
・口元は黒いマスク(2000年代だよ)
・背丈は180センチ位
・体重は100キロ近いと思う
・上下、白のウインドブレーカー
・足はサンダル
・左手は上着のポケットに入れらたままでこちらに向かって尖っている
・右手にはセカンドバッグ

という出で立ちでした。もうお分かりですね。これが「美人局(つつもたせ)」というものです。海外でも「TSUTSUMOTASE」で通じるとか通じないとか言われている、アレです。女は渋谷界隈のワルとグルになり、二人一組で金稼ぎをしているようでした。

ポケットが尖っているのはなぜだと思われますか? そうです、小刀が入っていたんですよ。相手の見た目はK-1の佐竹です。生きた心地がしなかったのは言うまでもありません。

何とかしてその場を収めることが出来たのですが、それを書いてしまうと5万字ほど必要になるのでこれくらいにしておきますが、今日も普通にマッチングアプリに登録しただけでこんな体験をしている人が日本にはたくさん存在していると思われます。

知らないやつをみすみす通してしまったラブホテルの受付に行き苦情を言いましたが「知らない」「そんな人はいなかった」の一点張り。ホテルぐるみの犯行なんじゃないかとさえ疑いました。

* * * * * * * *

みなさんは知らない人と1対1で出会った時、もしそこでトラブルが起きたら完璧に対応できますか? それが出来ないのなら、簡単に手を出してはいけないジャンルのものだということが少しは分かって頂けたでしょうか?

というか、他人によって、いやプログラムによって適当にランダムに「マッチングされたもの」って、そもそも「出会い」と呼ぶのでしょうか。私たちは、そういう世界では生きられないから人間をやっているのではないでしょうか。みなさんが誰かと出会うことは「縁」があるからに違いありません。どうか、人間をやめないでください。一度人間をやめてしまった私が言えるたったひとつのメッセージです。

マッチングアプリをプロデュースして信者に課金させているあの男も、きっと人間ではないのです。(取材・文◎岡本タブー郎)

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