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「不合理なバブル」「無念さ募る」いよいよ火がついた飲食店「6万円協力金」論争にそれぞれの思い

TABLO / 2021年3月27日 18時49分

「不合理なバブル」「無念さ募る」いよいよ火がついた飲食店「6万円協力金」論争にそれぞれの思い

歌舞伎町は奥が深い。

朝日新聞は26日、「時短協力金 不合理な支給を改めよ」と題した社説を掲載した。新型コロナウイルス対策の時短営業に応じた飲食店に対しては、1月7日からの緊急事態宣言下で1店舗あたり6万円、宣言解除後も1都3県は4万円の支給を続けている。

これを巡っては、事業規模を考慮しない支給の在り方が「不公平だ」との指摘が以前からあった。ただ、全国紙が社説のタイトルで「協力金」「不合理」などとうたうのは、これが初めてのケースだろう。

きっかけとなったのは、飲食チェーン大手グローバルダイニングの動きだ。同社は22日、東京都が新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく時短営業の命令を行ったことは違法だとして、都に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。都は32店に対して命令を出しているが、うち26店は、時短反対を掲げてきた同社の店舗だった。

同社はホームページで公開している東京都に対する弁明書で「協力金等の経済対策についても、一律1日6万円というのはあまりにも不合理です。対応のスピードを理由にしているようですが、方法はいくらでもあるはずです」と不満をあらわにしている。

1日6万円、1カ月30日で計180万円という数字については、小規模な店舗にとっては「バブル」であるとする指摘も見かける。ただ、飲食店の経営実態、コロナによるダメージの度合いは様々であり、ひとくくりに論じるのは危険だろう。

しかし当の飲食店関係者の間からも、協力金の「手厚さ」を認める声が聞こえるのも事実だ。都内のある会社経営者が話す。

「うちの店はコロナ前に廃業したので、協力金の類は受け取っていません。ただ昨年春から現在まで営業していたと仮定した場合、国や自治体からどれだけの支援を受け取れたかを試算すると数百万円になる。赤字続きの店でしたから、仮に営業を続けていたら、コロナ対策の経済支援は”干天の慈雨”になっていたでしょうね」

ここで留意すべきは、新型コロナウイルスの影響はいつまで続くかわからないということだ。今、協力金により支えられている飲食店も、今後どのような困難に直面するかわからない。

「飲食店の中には、むしろ感染が一段落し、支援が切れたのに客足が戻らない、といった状況を恐れているところも多いのではないでしょうか」(前出・経営者)

また別の飲食店関係者は次のように語る。

「コロナの影響で、1日6万円の協力金をもらえる段階まで耐えられず、廃業してしまった店も多い。『こういう状況になると知っていれば、もう少し粘れたのに』と無念さを募らせている元店主は少なくないんじゃないでしょうか」

コロナ後の日本人の生活様式を予想してみた 「コロナに強い食べ物」が流行るか|中川淳一郎

一部で「バブル」と指摘されるこの状況への思いも、飲食店ごとに様々というわけだ。(取材・文◎編集部)

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