東スポ見出し「高知東生ルート」は酷すぎる 紀州のドン・ファン事件は売人特定か
TABLO / 2021年5月3日 6時0分
須藤容疑者が以前住んでいたマンション。品川のタワマンと大幅に家賃アップしたようだ(撮影・編集部)
本サイトとは10年以上の知人の記者もいるし、本来はリスペクトすべき媒体の東京スポーツですが、3日の見出し『ドン・ファン妻 須藤早貴容疑者「高知東生ルート」で覚醒剤入手か 成分ほぼ同一』は良くないでしょう。
まるで高知さんがそのルートを教えているかのような見出しです。人権は守られるべきものであり、そこに最も慎重にならなければいけないのは新聞という公器でしょう。無神経過ぎましたと、まずは冒頭で申し上げておきます。例えば「和歌山ルート」などと表現すべきでした。
紀州のドンファンこと、野崎幸助さんが覚醒剤の過剰摂取で亡くなったのは2018年5月。警察がこれを自殺とはせず、他殺として元妻須藤早貴容疑者を逮捕したのが、4月28日。亡くなってから約3年経っての和歌山県警の執念とも言えます。
3年間にわたってほぼ、「紀州のドンファン事件」についての情報が洩れ伝わらなかったので、「事件解決に何年かかるのか」との疑問を抱いていた矢先でした。
和歌山県内での近年の大事件と言えば、「和歌山カレー事件」があります。
「ほぼ状況証拠だけで逮捕・検挙したこの事件ですが、後に『鳥取保険金事件』『首都圏不審死事件』など状況証拠のみで逮捕したケースが続きました。死刑判決までもっていきましたが、今回の事件もそういった様相を呈しています」(都内・弁護士)
紀州のドンファン不審死事件 なぜ妻は『バイキング』に独占インタビューをさせたのか | TABLO
前例主義と言われている日本の裁判です。今回、送検となれば一気に裁判の流れが加速するケースも考えられます。
当初から逮捕を知っていたかのようなネットの書き込みもありましたが、せいぜい逮捕前日か近辺。が、前記した「和歌山カレー事件」は現在の林眞須美服役囚の言動を追っていましたし、「首都圏不審死事件」もそうでした。しかし、「紀州のドンファン事件」はそんな兆候はありませんでした。和歌山県警のやり方は今後、大事件の際のメディア対応のひな型になるかも知れません。
「ほぼ状況証拠で逮捕に踏み切った和歌山県警ですが、和歌山カレー事件の前例がある上に覚醒剤入手ルートと売人をある程度、絞っているのではないでしょうか」(現役警察官)
やはり同じく逮捕された元プロ野球選手(現在は更生中)も売人が特定されたようですし、メディア内では取引場所から「群馬ルート」と呼ばれていました。さらに大元の組織もメドをつけていた為か、ガサ入れも別件で行ったようです。
覚醒剤を飲ませる手口はあまり聞きませんが、実は一部ではやっています。例えば恨みのある人間をはめる時、ホテルの一室で話し合いの場を設けます。「お茶をどうぞ」など言って湯呑を出します。そこに覚醒剤を混ぜておきます。苦味のあるお茶であれば、少量の覚醒剤ならごまかせます。その後、警察に密告。その人間が任意で事情聴取され、尿検査されれば当然、覚醒剤反応が出ます。このようなやり方をする裏社会の住民もいます。
すなわち、「やり方が裏社会」的なのが気になるところです、須藤容疑者は犯行当時20代前半。もし殺害を計画するなら1人でそのような事が出きるでしょうか。
つまり
1・覚醒剤を飲ませるという発想
2・覚醒剤を実際に入手する方法
1と2を満たす条件を須藤容疑者が備えているとは考えにくいのですが……。とはいえ、「事実は小説より奇なり」。事件には必ず前例があると言われており「太陽の下に新しきものは無し」なのですが、近年だと「座間9人殺害事件」のような奇異な事件も起きています。複数犯、もしくは教唆した人物がいると思うのが普通ですが「座間9人殺害事件」のような単独犯もいます。今回は恐らく20日間勾留の上、保釈はつかないでしょうから後は須藤容疑者の自供を待つほかないのですが……。(文@編集部)
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