ロボットレストランも閉店 歌舞伎町が元に戻る日は来るのか
TABLO / 2021年5月13日 8時40分
歌舞伎町で座り飲みしていた光景。今はもう無し(撮影・編集部)
コロナ禍が直接の原因ではないけれど、歌舞伎町がどんどん様がわりしています。再開発とも言うべき現象が起きました。コマ劇場がなくなり、噴水の池がなくなり、その代わりホテルに映画館が建ちました。歌舞伎町の闇がなくなり、その代わり明るさが増してきました。
4月には歌舞伎町の名物の一つロボットレストランの看板が無くなり、どんどん寂しい街になっています。これは石原慎太郎都知事時代の歌舞伎町浄化作戦の「賜物」とも言えるでしょう。暴対法が出来、その後「この条例で日本からヤクザはいなくなる」とあるキャリア警察官僚が言ったとされる、暴力団排除条例が2011年に全国に施行。監視カメラ時代へと突入していきました。
当初、監視カメラを付けるのに反対していた国民やジャーナリストですが、犯人検挙に役に立っている事から、もう反対の声はほとんどなくなったと言って良いでしょう。
ロボットレストランだけではありません。歌舞伎町からいなくなった人々アットランダムに挙げてみましょう。
●立ちんぼ
いなくなったと思いきや、大久保や大久保公園不付、某ビジネスホテル付近にし出現しいるらしいですがコロナ禍では見なくなりました。立ちんぼとは1人で春を売る女性の事です。戦後は、赤線(合法)、青線(非合法)白線(非合法)とも言われていました。以前までは「立ちんぼ地域」があり、
・歌舞伎町のラブホテル街の一角
・歌舞伎町マンモス交番から大久保病院脇の通り
・職安通り沿い
・大久保のホテル街
といったあたりでした。それぞれ縄張りが決まっており、ラブホテル街は外国人。大久保病院の通りはニューハーフが多かったです。
●1人歌舞伎町案内人
これは、区議会議員に立候補した男性の事ではなく、新宿にはセンター街という小説『不夜城』のモデルとなった店が立ち並ぶ一角があります。以前は青線街でした。青線地区の建物の特徴としては3階建てという点があげられます。そこでMさんという老年の女性が晩1万円くらいで色々な店を案内してくれるというシステムでした。Mさんの姿はもう10年以上見ていません。
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●泥棒市
場所は言えませんが、現在ではOLやテレビ撮影も頻繁に行っている、美味しい中華料理店。その奥でひっそりと行われていました。盗品を店奥に並べている光景をちらりと見た事がありますが、なかなかの光景だったと言えます。
●ホストの朝礼
歌舞伎町の象徴の一つ、風林会館。キャバレーや卓球場が入っているビルですが「A」という喫茶店が入っており、ホストがほぼ全員客で朝礼をしている様子を伺い知る事が出来ました。因みに、ホストだけでなくヤクザの待ち合わせ場所としても有名でした。今は縮小されているものの、未だにその名残はあります。
●中国マフィア
彼らはいわゆるスネークヘッド(蛇頭)とも言われていました。現在の中国残留孤児が創立した怒羅権といった準暴力団とは異なる、「不良外国人」と称される人々。新宿センター街で飲んでいると、腕の傷を見せびらかし「刀で切られた」と言う姿には客は戦慄を覚えたものでした。その後、「青龍刀事件」(歌舞伎町センター街で中国人同士が青龍刀で斬り合った事件)が起き、彼らは日本の警察と入国管理局のタッグ(石原都政)によって駆逐されていきます。
●スーパーエニィ
歌舞伎町のど真ん中にあり、コンビニよりも品物が豊富である事から、歌舞伎町夜の住民たちが重宝していました。大体のものが揃っていたのではないでしょうか。コンビニの台頭によってか、閉店。
●ヤクザの集団地回り
暴排条例により、こういった行為なくなりました。歌舞伎町にいるヤクザは以前でまでは数10組、2千人とも言われていました。それぞれのヤクザが10人以上の集団で歌舞伎町を「パトロール」する行為、地回りがありました。当時、ある別団体の組織の二次団体組長に聞いたら「毎日、もめ事はおきている。でも上同士で収める事がおおいね」と話していました。
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確かに、東宝が出来、噴水の代わりに広場が出来、一見「抽象的な意味での暗闇」がなくなったような気がする歌舞伎町(ホストクラブの愛本店も移転してまいました)。しかし、表に見えなくなっただけで裏社会の住民はしっかり根付いています。調子に乗って羽目を外さない方が良いと本サイトは忠告しておきます。(文・写真@編集部)
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