都内の『メディカルクリニック』が摘発! 裁判で明らかになった"病院ではなかった"その場所
TABLO / 2019年1月17日 15時0分
都内の住宅地に建つマンションの一室で金田博(仮名、裁判当時57歳)は『メディカルクリニック』という名称の店を経営していました。一見、病院のように思える名前ですが彼が経営していたのは病院ではありません。
風俗店、それも医療プレイ専門の風俗店でした。
店のあったマンションが建っていたのは風俗営業が禁止されている地区でした。もちろん営業許可も取っていません。
彼は以前にも何度か今回同様に風俗営業禁止地区で営業して摘発を受け、場所を転々としながらもう10年近く医療プレイの店を続けてきました。過去の摘発の際は略式起訴で罰金を支払って済んだようですが、今回は正式裁判にかけられることになりました。
摘発現場に居合わせた客の供述です。
「2時間20000円のコースで入店していました。電話で予約をしてから店に行きました。ベッドの上で全裸になって、女性従業員に陰茎や睾丸を弄ってもらっていたら突然警察が踏み込んできました」
災難というかなんというか...ずいぶん斬新な体験です。偶然ガサ入れに居合わせたお客さんはなんだかかわいそうな気もします。お金が返却してもらえたかどうかは裁判では触れられませんでした。
店のプレイ内容ですが、剃毛、浣腸、腸内洗浄、カテーテルなど、バリエーションに富んだ様々なコースが用意されていました。
来店する客数はおよそ月に60名ほどいたようです。経営者である金田は手取りとして月約30万円の収入を得ていました。
彼は店を構えている場所が風俗営業が禁止されている区域だということは知っていました。過去にも何度も摘発を受けているのにもかかわらず何故このような店の経営を続けたのでしょうか。彼が店の経営を始めたのは、
「自分が元々医療プレイが好きでした。いろんなお店に通っていて、サービスに思うところがありました。そういう悪いところを見て『こういうところを改善しながらやってみよう』と思って自分で始めてみました」
という理由からでした。
検察官は店のプレイ内容について
「ビールを浣腸で肛門から体内に流し込んだり、医療系の資格もない従業員にカテーテルを挿入させたり、危険だと思わなかったのですか!?」
と詰めていましたが
「資格はないですけど勉強はちゃんとしてました。自分が安全だと思う大丈夫な範囲のプレイしかしてません」
と反論していました。
実際、プレイを受けて体調を崩した客は今までに1人もいなかった、とのことでした。彼はプレイを受ける経験も豊富です。その証言の信頼性は高いと思います。
以前に摘発を受けながら営業を続けていた点についても問いただされていましたが、
「前もやめようと思ったけど仕事が見つからなかったです。でも今回はやめます」
ということでした。すでに診療台などの大きい備品もオムツなどの小さい備品も全て処分したそうです。
雇っていた女性従業員の1人について、
「他の仕事が出来るような子じゃないです。人前で服を脱ぐことも裸を見せることも出来ない子なので普通の風俗で働くことも出来ないと思います。でも、もう雇うこともありません」
と話していました。この女性は8年ほど彼の店で働いていました。違法とはいえ、彼女にしてみたらこの店は大切な場所だったのかもしれません。
彼自身の今後の身の振り方ですが、老人ホーム等で介護に関わる仕事をしたい、と話していました。全く違う業種、でもない気がします。今までの経験も活きるのではないでしょうか。
医療プレイが大好きな男が作った医療プレイ専門店でした。裁判を傍聴していた限りではわかりませんでしたが、おそらく客の評判も良かったのではないでしょうか。
もし彼がまた風俗業界に戻ってくる日が来るのなら、今度はきちんと合法的にサービスを提供して頑張ってほしいと思います。(取材・文◎鈴木孔明)
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