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ヤミ金以上の取り立ても...商工ローン業者がイニシャル暴露「芸能人はルーズで客としては最悪」

TABLO / 2013年10月11日 12時0分

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 この暴言が世間を震撼させたのは、1999年のことであった。商工ローン業界最大手であった日栄による苛酷な電話督促が報道され、取り立てにあたった社員が逮捕されたのだ。ところが当時の中堅金融業者に言わせれば、その取り立ては甘く、この程度のことで逮捕されたら商売にならないと驚愕したという。今回は、自転車操業に陥った零細企業や個人を相手に暴利(年利60~360%)を貪り、やりたい放題といえる非人道的な取り立てを行っていた元商工ローン業者に話を聞くことができた。以下、この男による証言だ。

 我々が回収に入るタイミングは、顧客が期限の利益の喪失事項に該当した時だ。例を挙げれば不渡り事故の発生をはじめ、弁護士介入や他者からの登記、信用情報で債務者の借り入れが急増した時だ。残高のある顧客がこれらに該当すると、債務者や連帯保証人の会社や自宅に行く現場部隊と、不動産登記や債権譲渡通知の準備をする事務部隊とで役割分担をして、債権回収の見込みが立つまで一斉に動く。現場部隊が債務者本人や保証人を捕まえた時には、市中を引き回してサラ金で金を借りさせ、換金できる物をカードで買わせる。それができない場合には、電話帳の上から下まで電話をかけさせて金を作らせた。それでも金を作れない場合は、さらなる連帯保証人をつけさせて、時を置いてから同じ目に遭わせて回収していた。

 現在ほど弁護士の力は及ばなかったし、警察を呼んでも民事不介入を理由に相手にされなかったので、支払いに窮した債務者が自殺したり夜逃げすることは珍しくなかった。さらには、その日の当座を凌ごうと、催涙スプレーと金属バットを片手に夫婦で現金輸送車を襲った債務者もいれば、保険金を狙って自宅に放火して逮捕されたり、金を借りにいって断られたことに逆上して自分の友人を刺殺した債務者もいる。借りる方も命懸けで、生き残りを図っていた。

 債権者である我々からすれば、債務者が夜逃げしたとなれば儲けモノだ。家の鍵を開けて中に入り、建物を占有して、その賃借権を事件屋に売って債権を回収できるからだ。事件モノが流行った時には、都内にある大きめの一戸建てに三百万円以上の値がつくこともあったし、立ち退き料をせしめることも可能だったので、債権以上の金を回収できることもあった。

 だが、他業者とバッティングした場合には、それを破って(建物から人を排除すること)占有しなければ金にならない。規制の緩かった当時は、暴力団系の業者や暴走族を母体とする業者も派手な回収をしていたから、まさに命がけで城を取り合ったものだ。そのなかでも朝鮮高校や韓学出身の人間で形成される民族系金融業者とバッティングした時には、数十人単位の決闘になって、護送車三台を出動させる騒ぎになった。金属バットを振り回して車を破壊し、躊躇することなくナイフで切りつけてくる彼らは、もっとも凶悪なグループだった。

 商工ローン業者といっても対象は企業だけでなく、個人に対する証書貸付も行っていたから、人気俳優だったF・Mをはじめ、自己破産したK・S、演歌歌手のT・IやA・Jなど、一世を風靡した芸能人もよく借りにきていた。さらにはゴルフ場開発で失敗して某財団の資金を使いこんで逮捕された国会議員Y・Tや有名モデルと浮名を流したカメラマンK・Y、それに団体の乱立で苦境にあったプロレス団体なんかも顧客にいた。その中でもH・KとU・Aの二人は、車を担保に何度も金を借りにきたので印象深い。借用書を書く時までイチャイチャしていることにムカついて、手数料を多めに取ったことを覚えている。

 そして可哀相なところでいえば、女性セクシー系グループGのメンバーだったY・Nだ。引退して一般人になっていた彼女は、大女優T・Mの息子に騙されて多額の保証債務を背負ったことで破綻し、下町にある安アパートの一室に暮らすまで転落した。個人的に好きなタイプだったので、下心たっぷりに追いこんでみたものの、残念ながらいい目を見ることはなかった。どれも運良く回収できたが、浮世離れしている芸能人はルーズな奴が多いので、決して良い客とはいえないだろう。話のネタにはなったが......」

 ヤミ金融対策法の施行と過払い請求の乱発によって、商工ローン業界は壊滅的なダメージを受けた。旨味の無くなった商工ローンから身を引いた業者の多くは、振り込め詐欺師や押し買い業者に転身した。そのほとんどが逮捕され、いまだ塀の中にいる者も多い。

 また「金(きん)を身につけると金(かね)が寄って来る」と言って総額一千万を超える金のアクセサリーで身を固めていたある社長は、連帯保証人を殴って財布を取り上げたことから強盗で逮捕され、三十年以上の社歴を有する会社を閉めると出所後に行方をくらました。

 また、付き合いのあった事件屋は、地下鉄サリン事件後のオウム信者に物件を転貸して逮捕され、現在は路上で赤棒を振る日々を過ごしている。世の中、因果応報なのである。

Written by 東郷龍司

Photo by UggBoy UggGirl

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