このキラキラ感はAKBにしか出せない 横山由依卒業コンサート アイドルに青春を捧げた12年間の疾走
TABLO / 2021年11月28日 6時0分
![このキラキラ感はAKBにしか出せない 横山由依卒業コンサート アイドルに青春を捧げた12年間の疾走](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_44005_0-small.jpg)
そのパーソナリティに男女問わずファンがついた横山由依が卒業。
まだまだAKBの「道」は続いていく。そんな思いを2021年11月28日「パシフィコ横浜 国立大ホール」で開催された、横山由依(9期生。二代目AKB48総監督)の卒業コンサートを見て、抱きました。
「あのキラキラ感はAKBにしか出せないよね」。
緊急事態宣言解除後、アイドル好きの女性と飲んでいた時、AKBにはあまり関心がないと言うモーヲタの彼女たちが「横山由依が卒業する」と言ったら、そう口を揃えていました。AKBファンはもちろん、ファンでない人たちさえも言う「AKBのキラキラ感」。これこそ彼女たちの原点ではないでしょうか。
「AKBは紅白の選に漏れた」「総選挙はやらない」等、かつて社会現象を起こしたほどのグループの動きに世間やニュースはマイナス気味に取り上げがちです。ですが、それを一番分かっているのがメンバーたちにインタビューした経験から言うと、彼女たちです。
「そんな事は百も承知。それでもAKBを盛り返す、盛り上げる」。そういった力強い言葉が彼女たちの口から何度も出てきました。実際、次世代メンバーたちの頑張りは劇場を中心に、SNS、メディアでよく見られます。
第二代総監督・横山由依で一番印象に残っているのは、「総選挙19位」と呼ばれた時のシーンでしょう。
AKBの名前を一躍、全国区にしたインベトが「総選挙」。メンバーの人気をファンの投票で決めるという、上位メンバーには嬉しく、下位メンバー、あるいは選にさえ漏れたメンバーにとってはキツいイベントです。メンバーたちの本気の涙も何度も見てきました。
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その中で未だに語り継がれるのが、横山由依が初めて19位になった時の所作。司会の徳光和夫がそのあまりの号泣ぶりに―ー過呼吸になったと言われる―ー本気で心配しいてたほどでした。
このシーンだけで横山由依の性格が伝わったきたのではないでしょうか、情熱・真面目・真剣。これが合わさったアイドルだと。そこを買われて二代目総監督になった横山由依。現在は三代目総監督は向井地美音が担っていますが、これだけの女の子が集まるとまとめる野球で言う、監督が必要でした(初代総監督は高橋みなみですが、因みに彼女のコンサートでの盛り上げ方は出色で、個人的に高橋みなみ、指原莉乃、山本彩の三人がベスト3だと思っています)。
横山由依はそうではなく、むしろバイプレーヤー的存在でした。盛り上げ方にしてもセンターを務めてきた前田敦子、大島優子、渡辺麻友などのような「ザ・アイドル」ではないものの、そのパーソナリティについていくファンは男女問わず多かったと思います。
現に、卒コンの帰り道、女性2人が「ゆいはんの卒業寂しい」という会話が聞こえてきました。「真面目」と言われ、安心感を与えてくれるアイドル。それが横山由依でした。
また、ユニット「Not yet」は僕がもっとも好きな四人組です(大島優子、指原莉乃、北原里英、横山由依)。2011年2011年7月22日から24日の3日間、西武ドームにて開催した、AKB48初のドームコンサート『AKB48 よっしゃぁ~行くぞぉ~! in 西武ドーム』。
季節が夏ということもあって、西武ドーム(当時はドームではなく屋根がついているだけ)はメディア席にいる僕らも汗だくで、ステージにいたメンバーたちは過呼吸になってしまっていました。また初日の出来が悪かったという事で、プロデューサー秋元康から高橋みなみが叱られるという模様はDVDに収録されています。
そこからの二日目。見事にマイナス部分が払拭された、と両日を見ていた僕は思いました。もしかしたらステージは重苦しい雰囲気だったのかも知れません。しかし、客のハートをつかんだのがユニット曲でした。特に「Not yet」の『波乗りかき氷』で客の空気が変わったと感じたのを覚えています。
今回の卒コンでは、大島優子、北原里英、指原莉乃が駆けつけ約6年ぶりのユニット復活。思わず身を乗り出しました。
また、ファンが「やっばり駆けつけてくれた」と思ったシーンは川栄李奈登場ではないでしょうか。タイで活躍している伊豆田莉奈の後に特別ゲスト。
「横栄」が復活か―ー。
横山由依と川栄李奈のコントは「横栄」と言われ、今やAKBグループ卒業メンバーの中で、出色の演技力を誇る川栄李奈との仲の良さは、柏木由紀と渡辺麻友の「まゆゆきりん」と同様、48グループの中でも有名です。特に2人のコントは、現在の「演技派女優・川栄李奈」の片鱗を今から思うと見せていました。勿論、横山由依の演技も然りです。いつしか2人がドラマ・映画で共演するシーンが出てくると話題になると思うのですが……。
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横山由依というタレントは今後、どのような道を歩いていくのでしょうか。ちょうど前日の27日、「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系列)ではリポーターとして大江戸線の各駅を紹介。誰からも好かれるパーソナリティは様々な分野で活躍できるはず。
夜行バスで京都から東京までレッスンに通ったいた時代。今回は曲の合間に夜行バスでのインタビューで当時の話を「総選挙の時に過呼吸になっていた女の子」とは思えぬ、落ち着いた1人の女性として語ります。
セットリストには激しいダンスで話題を呼んだ新曲「根も葉もRumoer」。48グループ代表曲の「フライングゲット」「ギンガムチェック」「恋するフォーンチューンクッキー」「心のプラカード」「ハロウィンナイト」なども披露。アンコールでの最後の曲は「少女たちよ」。横山由依の選曲。
「歌詞が凄く良いんです。特に二番を聴いてください」という振りの中、今回の卒コンメンバー22人で「少女たちよ」。
人の目に触れる星と気づかれない星
そこにはどういう差があるの?
から始まる二番の歌詞。横山由依の12年間のアイドル人生の疾走を物語っているようでした。横山由依卒業後、向井地美音総監督の元でのAKB48。「このキラキラ感はAKBにしか出せない」。ずっとこの感覚を持っていた頂きたいものです。<文中敬称略>(文@久田将義 写真ⒸAKB48)
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