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『河瀨直美が見つめた東京五輪』を『NHKが見つめた東京五輪』にタイトルを 変えたら全てがスッキリした│プチ鹿島

TABLO / 2022年2月20日 15時0分

『河瀨直美が見つめた東京五輪』を『NHKが見つめた東京五輪』にタイトルを 変えたら全てがスッキリした│プチ鹿島

NHKが東京五輪をどう「見たかったのか」と考えれば全て納得(撮影@編集部)

最近「メディアと政治」の話題がやたら多いです。大阪府と読売新聞大阪本社の包括連携協定、立憲民主党がネットメディア「CLP」への資金提供を明らかにしていなかった件、映画『新聞記者』に関する文春報道、石原慎太郎の暴言を「石原節」とまとめてしまう新聞などなど。

これらの話題についてジャーナリストの青木理さん、TABLO編集長の久田将義さんとトークライブをおこないました(2月17日)。
どの話も興味深かったのですが最後に盛り上がったのは河瀬直美監督による東京五輪公式記録映画です。昨年12月にNHKが景気づけに放送したドキュメンタリー番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」(BS1)は今も燃え上がっています。聖火よりすごい。考えてみれば招致後からトラブル続きだった東京五輪の公式映画としてはお約束の「着地」なのかもしれません。

NHKの番組では河瀬氏から依頼を受けた映画監督の島田角栄氏が都内で出会った男性にインタビューする場面が映った。「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕を付けていた。放送後に疑念の声が上がり、NHKは誤りだったと認めた。

《調査チーム責任者の松坂千尋専務理事は「曖昧な情報をもとに、裏付け取材が行われないまま番組の制作が進み、チェックも十分行われなかった。番組で取り上げた方々、視聴者に深くおわび申し上げます」と謝罪した。》(毎日新聞2月10日)

現場のディレクターも謎ですが、それ以上に私はNHKの偉い方々が気になりました。五輪反対デモに参加したら金をもらえるという「大スクープ」を前にしてなぜビビらなかったのでしょう?

放送すれば大反響があるはずなのに「曖昧な情報をもとに、裏付け取材が行われないまま」なぜ番組放送のゴーサインを出したのだろう。もしかして”五輪反対派なんてどうせそんなもん”という偏見がNHKの偉い人達になかっただろうか。だから現場も「上」が喜ぶネタをわざわざぶっこんだのではないか。となるとあの番組は「NHKが見つめた東京五輪」であり、政治との距離感の象徴だったのかもしれない。まさに”NHKのドキュメンタリー”だった説である。

さてトークライブではこんなことも話しました。

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「河瀬直美が見つめた東京五輪」番組内で河瀬氏から頼まれた島田角栄氏は様々な人にインタビューしていた。そのなかに例の「デモおじさん」がいたのですが、「パンクロッカー」や「医療従事者」もいた。番組内で映ったリストの中には「居酒屋店主」「雑誌編集長」「末期がん」「ギターリスト」「美術家」など他にもたくさん名前があった。その中には実は私の友人もいたのです。

番組にも一瞬だけ映っていた。放送を見た後に私は本人に連絡して取材経緯を聞いてみました。
ライブではそのほか映画『新聞記者』に関する”文春の読み方”についても話題に出た。青木さんが「こんなに深い話ができたのはここが初めてだ」と言うほどの下世話な(?)内容となりました。よかったらアーカイブをチェックしてみて下さい。(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)

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“タブーなきニュース空間へようこそ” vol.7
【出演】青木理、久田将義、プチ鹿島
https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/134380

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