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平成のお色気番組が今も続いていたら 「トゥナイト」「11PM」「ギルガメッシュないと」の功績を振り返る

TABLO / 2022年3月2日 15時0分

平成のお色気番組が今も続いていたら 「トゥナイト」「11PM」「ギルガメッシュないと」の功績を振り返る

テレビを付ければお色気番組が流れていた平成、昭和。

今の時代、地上波テレビで女性の乳房を見ることはほぼなくなったが、平成の時代であってもいわゆる「お色気番組」はあり、『11PM』(日本テレビ系)、『トゥナイト』(テレビ朝日系)、『トゥナイト2』(同)、『ギルガメッシュないと』(テレビ東京系)などが放送されていた。
こうした番組には最新の風俗や、AV女優が登場するなど、若い男達のアソコをギンギンに立たせる工夫が随所にまぶされていたが、果たして今の時代にああいった番組が放送されていたらどうなったかということを想像してみる。

5ちゃんねるの実況板は大盛り上がりになるほか、ツイッターではこれらの番組のハッシュタグを書いたうえで、エロい話や、「今発射」などと男どもから多数書かれた結果になったかもしれない。

当時、エロビデオを借りるのが恥ずかしい男や、そのカネさえない学生などは、こうした番組を見ては夜の一人エロに勤しんでいたのだが、今やネットに膨大な量のエロ動画が存在しており、果たしてこれらが積極的に見られていたのかと言われれば正直分からない。よって、実況はそこまで盛り上がらないかもしれないが、50代~60代のテレビ世代は積極的に書きこんでいたかもしれない。

そういった意味で、かなり前時代的なエロともいえる。ただし、『ギルガメッシュないと』が残した功績はすさまじく、かつては日陰的存在だったAV女優を日の当たる場所にあげるほどの効果があった。飯島愛さんは同番組に多数出演していたが、Tバックのブームも作ったし、AV女優が普通に地上波に出る流れを作ったといっても過言ではなかろう。さらには、AV女優を憧れの職業の一つにした立役者でもある。
かくして平成深夜番組というものはお色気路線で絶大なる人気を誇ったわけだが、令和に入るとコンプラ意識の高まりと、クレーム回避などの観点からこのような番組はもはや放送できなくなった。


かつて『女だらけの水泳大会』的な番組では、女性タレントのビキニの上から「ポロリ」をするシーンが定番だったが、これも平成初期まで続いていた名物企画だったのである。本連載では過去には昭和、ここ数年は平成を振り返っているが、令和になってから振り返るとあの時代は無茶苦茶だったと思うことが実に多い。今回の「地上波テレビの深夜番組はエロかった」を筆頭に、他にも以下のようなものがこの数十年前には存在していたのである。

・飛行機・電車の中でタバコが吸えた
・電話は固定電話しかなく、基本的には家に電話をし、取り次いでもらっていた
・携帯電話がないものだから、飲み会等の待ち合わせは駅前だった
・遅れてくる者は掲示板に「遅いぞ山田、『つぼ八』にいる」などと書かれていた
・しかも、店に予約をするという習慣はなく、空いている店に入っていた
・公衆便所には本当に「便所のらくがき」が多数書き込まれて会った
・出会い系サイトもマッチングアプリもないため、テレホンクラブ(通称・テレクラ)に男達は通い、女性との出会いを求めた

冒頭のエロ民放TVの話に戻るが、実に当時はエロというものが、今以上に秘め事だったかが分かるだろう。男たちはエロに触れるにあたり、律義に深夜になるのを待ち、そして、「この瞬間を逃してはならぬ」と必死だった。

別に人間のエロへのあくなき欲望は衰えることを知らないが、平成の時代のエロとは今から見れば、そこにかけるパトスはなかなか真剣だったのでは、と今になって思えるのである。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)

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