新入社員の皆さん 今飲んでいるのは「ビール」でしょうか 居酒屋で「とりあえずビール」が変わった日│中川淳一郎
TABLO / 2022年4月25日 7時30分
![新入社員の皆さん 今飲んでいるのは「ビール」でしょうか 居酒屋で「とりあえずビール」が変わった日│中川淳一郎](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_44412_0-small.jpg)
これはどちらでしょうか(写真はイメージです)。
平成の時代、ビール風飲料の「発泡酒」と「第3のビール(現・新ジャンル)」という酒税の低い2種類が登場し、「大蔵省(現・財務省 ※第3のビールについては財務省時代)のビールへの課税の高さのスキを突いたメーカーのアイディア勝ち」的な文脈で当時は報じられた。
しかし、この3種類の税率は段階的に変更され、2026年10月26日までに段階的に3種類の税率を変えていくのだ。2020年10月はビールが70円、発泡酒が46.99円、新ジャンルが37.8円だったのが2026年10月に一律54.25円となる。
最近、若者と家飲みやBBQ等で缶ビール(ないしはチューハイ他その手の類)を持ち寄る時、「ビール持ってきました!」と出されるのが「新ジャンル」であることが多い。若者にとっては、物心ついた時から「ビール」として飲んでいたものは「新ジャンル」だったと分かったとしても、その商品については「これ、安いうえにおいしいから飲んでいるのですが……」としか思えないことだろう。
「ビール」で過ごしてきた中高年からすれば「発泡酒や新ジャンルをビールと思ってほしくないのに」といった呆れの気持ちになるかもしれないが、若者の考えは違う。あくまでも「金麦」や「クリアアサヒ」「本麒麟」「麦とホップ」などの味が好きなので飲んでいるのだ。
もしかしたら居酒屋等でビールを飲んだこともあるだろう。だが、「こんなに濃い味のものよりも、普段飲んでいる『本麒麟』の方がおいしいな。なんで、店に『本麒麟』置いていないんだろう……。あっちの方が安いんだからできれば置いてほしい」などと思っているかもしれない。
そういった意味では、「発泡酒」「第3のビール」というものは、若者にとっては、中高年にとっては「ビール」と同じようなものなのであり、我々と同様に「若き日に慣れ親しんだ味」となっているのであろう。
しかしながら、財務省もエゲつない。元々、ビール(麦芽率66.6%以上)の税率を高くしようとして酒税を決めていたところ、その麦芽率を低くして、「ビールっぽくする」商品を開発したメーカーの努力を無にしてしまう方策に打って出た。元々発泡酒と新ジャンルは「ビールのまがいもの」的な扱いをされてきたが、前出の2026年の税率共通化で果たしてどうなるのか。「同じ値段だったらビールの方がやっぱりウマいよね」となるのか、それとも「やっぱり新ジャンルがウマいよね」となるのか、2026年以降の3ジャンルの売れ行きには注目である。
結局、新ジャンルがよく売れているため、税率を高めて税収を上げようと考える財務省の姑息な手段であり、庶民からすれば「遺憾砲」(「遺憾の意」を表明すること)をぶっ放したくなるではないか。
しかしながら、ビールについて良かったことがある。2000年頃まで、居酒屋に行くと「とりあえずビール」的な雰囲気があったが、今ではその場を仕切る人が「ビール以外の人!」と手を挙げさせ、各自の飲みたいものを頼めるような合理性が出てきた。
そして「オレの酒が飲めねぇのか!」といった「アルハラ」も今やまったく見かけなくなった。そういった意味では、平成末期のアルコール文化の大改革は実に素晴らしいものだったといえよう。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)
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