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フジテレビはなぜ世紀の格闘技戦「THE MATCH2022」の放送を中止したのか

TABLO / 2022年5月31日 18時0分

フジテレビはなぜ世紀の格闘技戦「THE MATCH2022」の放送を中止したのか

週刊ポストのスクープ記事で世紀の一戦の放送が中止。

選手が可哀そう。ファンが可哀そう。

この報を聞いてまず一番に思ったのはそのことです。世紀の一戦、数10年に一回の興行。日本人・立ち技最強を決めると言っても過言ではない「天心vs武尊」戦。名付けて「THE MATCH2022」。水を差すとはこの行為。6月19日に予定していた地上波放送、フジテレビでの放送が中止になりました。

武尊選手は「この試合の意味を分かってほしい。まだ諦めません」とツイート(2022年5月31日)

那須川天心選手も「お金の為じゃねえんだよ 未来の為にやってんだよ 子供達はどうするんだよ」怒りをぶつけます(2022年5月31日のツイートより)

週刊ポストのスクープ記事5月20日号、「那須川天心vs武尊」仕掛け人が『反社交際音声』流出トラブル 6.19フジ生放送どうなる!?」と銘打ちました。その通りにフジテレビは生放送を中止した訳です。

「週刊ポスト編集部は喜んでいますよ。スクープ記事が身になったんですからね」(週刊誌記者)。

5月27日号では「仕掛け人」と称された榊原信行CEOが週刊ポスト誌上で「反論」。反論というより事情説明に近いものでした。「PRIDEの二の舞ではないか」。そういった声がSNS上でもあふれかえています。

かつて20年前に格闘技ブームがありました。PRIDEとK-1の2強が大晦日の地上波で放送。それを見て育った選手も多いことでしょう。それが週刊現代のスクープ(反社とのつきあい)で消滅。それから格闘技は日の目を見ることはなく、マイナーになったしまう中、産声を上げたRIZINは那須川天心、堀口恭司、朝倉未来各選手といった日本人選手たちの活躍もあり、一般の知名度も上昇。

が、しかし地上波の影響は大きく、当時の格闘技ブームにはまだ及んでいないというのが大方の意見。地上波は格闘技に興味がない人でもチャンネルをつければ見られる。ネット配信とは全く違う媒体と言っても過言ではありません。

武尊選手は特に「格闘技の知名度を野球、サッカー並みに広げたい」と言っていたほどの意識が高い選手です。天心選手も同様です。

2人の対決は日本人対決では辰吉丈一郎vs薬師寺保栄、畑山隆則vs坂本博之、山本KIDvs魔裟斗など、後世に語れ継がれる試合になるのは間違いのないところ。それがこんなところでケチをつけられるとは……。

Youtubeでも指摘しましたが僕は「運営の脇が甘い」の一言に尽きるのではないかと思っています。

【天心vs武尊】週刊ポスト「榊原CEOと反社のつながり」記事に対しての考察 https://youtu.be/SomXk6x_DaU

また自分の立場を明確にしておくと、自分でも格闘技全体が盛り上がって欲しいと心から願う一人です。それだけに地上波放送中止は「格闘技はグレー」というイメージがついてしまいかねない事で非常に残念です。

なぜ「脇が甘い」と感じたのか。

例えば選手が「反社と交流があった」とされるなら、百歩譲ってその選手にペナルティを与えれば良いのかも知れません。が、運営会社のトップが反社と付き合いがある(のではないかというあくまで疑惑)は、再三言いますが脇が甘い。

週刊ポストではY氏とX氏という人物が登場します。Y氏は榊原CEOが交渉役として仕事をしていたとのこと。そのY氏が週刊ポストの音声及び記事によると「稲川会の●●さんと付き合いがある」(主旨)。それを榊原CEOが認識していて仕事をしていたと言います。2011年に全国に暴力団排除条例が施行されてから、どの業界も「付き合い」には慎重になりました。

が、個人的な意見を言うとヤクザと興行は切っても切れ離せないもので、江戸時代から続く伝統のようなものだと解釈しています。なので「上手に付き合う」ことを芸能界や興行の世界では行っています。RIZINのような格闘技界を引っ張っていく巨大プラットフォームのトップがなぜ、そこに気を付けなかったのか。

前出の週刊誌記者は「2018年、ある組織の名前を出して恐喝未遂容疑で逮捕(証拠不十分で不起訴)されている人物がいます」。この人物がY氏と言われていますがこの人物とY氏が同一なのか。

また、X氏に関しては、僕はかつて政治経済専門誌「選択」に在籍していた関係で、専門誌事情には多少詳しいのですが「国会議員にコネがある」と言われているX氏とその会社は寡聞にしてきいたことがないのです。

アヤシゲな人物が跋扈しているのか、と暗たんたる気持ちになりました。

何回も言います。

選手が可哀そうです。

そしてファンも可哀そうです。(文@久田将義)

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