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賛否両論の樋口毅宏・タモリ論考察 『ほぼ日刊 吉田豪』連載51

TABLO / 2013年9月24日 20時0分

賛否両論の樋口毅宏・タモリ論考察 『ほぼ日刊 吉田豪』連載51

 賛否両論の嵐が吹き荒れつつも順調に売れているらしい樋口毅宏『タモリ論』(新潮社)。そのあとがき部分には「小説家になるずっと前から、僕は夢想していました。『テレフォンショッキング』のゲストに出て、タモリを襲うのです。そして彼を『いいとも!』から自由にしてあげるのです。だけど、そんなことができるわけがない。だから僕は、タモリを葬る代わりにこの本を書きました」とあるんですが、『いいとも!』スーパーバイザーでもある高平哲郎『変人よ我に返れ』(83年/PHP)によると、81年のタモリのコンサート・ツアーでこんなことが計画されていたわけですよ。当時のタモリは名古屋の悪口ばかり言っていたため、「話題の名古屋で何も怒らなかったのは残念だった。あれは仕込みでもいいから何か起こすべきだったような気がする。公演中、突如、若者が舞台にかけ上がり、タモリの脇腹を刺す。会場から女の悲鳴とどよめき。ステージ上は血の海。舞台下からタモリを抱きかかえるために走り込む我々と、犯人にタックルしようとする数名のガードマン。実はこれ、タモリと話していて本当にやろうとした」ことが判明! しかし、「『面白いね』『面白いよ』――だけど、もし仕込みの前に、モノホンがかけ上がって来てタモリを刺しちゃったらどうなるんだろう。ブスッ。『ん!? 本当に刺しちゃったの? 打ち合わせと違うじゃないの』そう言い残して、タモリはこと切れる。『面白いね』とぼく。『面白くない!』とタモリ。で、結局中止」。30年位上前にこういう計画を立てていたぐらいだから、そりゃあ『テレフォンショッキング』に不審者が登場してすぐ連行されるという本当にショッキングな出来事が起きたって動じないのも当然!





Written by 吉田豪

Photo by タモリ論/新潮新書

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