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総合格闘家平本蓮選手の矜持 「次の相手」「朝倉未来選手」「ブレイキングダウン」について

TABLO / 2022年12月15日 14時55分

総合格闘家平本蓮選手の矜持 「次の相手」「朝倉未来選手」「ブレイキングダウン」について

「覚醒した」という評価に「これからです」答えた平本選手。

「まるでミュージシャンですね、平本選手」。と、カメラマンでノンフィクションライターのインベカヲリさんが写真にコメントしていた。佇まいもさることながら、当初からつまりMMAデビュー前から、このインタビューで「平本選手が出てくれば日本の格闘技界の風景は一変する」と僕は書いているし思っている。以下のように。

「平本選手がフェザー戦線に出てくるとかなり風景が変わると思うんですよ。ご自分でもそう思いません?」(2021年2月21日TABLOより https://tablo.jp/archives/44282/5)

世紀の一戦「THE MATCH」。RISE代表として出場した白鳥大珠選手を一発でKOした、ムエタイ戦士ゴンナパー・ウィラサクレックはその怪物ぶりをまざまざと見せつけた。

そのゴンナパー選手を10代でKO勝利しているのが平本蓮選手。

「キックとMMAは違う」。確かにその通りだ。が、格闘技である事には変わりがない。ゴンナパーとさらにゲーオ・ウィラサクレックをKOした選手が弱い訳がないだろう。個人的にそう思っていた。

「格闘技に変わりはない。それがたまたま入り口がK-1だっただけ。これから(平本選手)もっと強くなる」(大意)。という格闘家もいた。

キック出身の選手に浴びせられるMMAファンからの冷たい視線がある。

が、振り返ってみてよう。ミルコ・クロコップ(PRIDE無差別級グランプリ2006優勝)、アリスター・オーフレイム(元Strikeforce世界ヘビー級王者、UFCヘビー級1位)、イスラエル・アデサニア(元UFC世界ミドル級王者)などキック出身のMMAトップファイターは枚挙にいとまがない。女子でもムエタイ出身のヴァレンティーナ・シェフチェンコ(現UFC世界女子フライ級王者)などなど。

「強い者は強い」

それを体現してきているだけの話なのだ。平本選手が第1回のインタビューで言っていた事もそれだった。

「俺は16歳からこの(プロの)格闘技界にいるし、おまえより名前があるし、おまえよりもキャリア長いし、おまえよりも場数も踏んでるし、ルールは違えどホントに強いヤツとやってきたんで、ナメんじゃねえよっていうのをマジで見せますね」 (2020年12月22日 TABLOより)

その答え合わせが弥益ドミネーター聡志(元DEEPフェザー級王者)戦で出たような気がしている。ドミネーター戦で見せたのは、全盛期のミルコ・クロコップのようなストライカー系MMAのファイトトスタイル。立ってはパンチを的確にドミネーター選手の顔面に当てていく。タックルを切ってまた立たせてパンチ。足関節を狙うもスルスルと抜けていく。パウンドに行けるところもあえてた行かず、徹底した立ち技で圧勝。不利予想を覆しての完勝だった。

「俺は立って殴るだけ。宣言しますよ。立って殴って倒して殴る」(2020年12月22日 TABLOより https://tablo.jp/archives/44282)

2年前インタビューである。まるで預言のようではないか。

言葉通り「才能覚醒」と言った表現で、平本選手の連勝を評価している人や報道がなされた。いわば手の平返しだ。元々強いのは織り込み済みだったはず。それが開花するのが2年経った現在2022年だっただけの話だったのではないか。その格闘家平本蓮選手は現在、何を思うのか―ー。

 

 

●「次は斎藤裕選手とやりたいですね。本当の格闘技ファンに届けたい試合です」

――格闘技界にモヤモヤしたものを感じてまして、その辺の事も平本選手に伺いたいと思います。それは後ほど聞くとして、2年くらい前にインタビューしたときに、「格闘技はやってることは同じだ」と仰っていて、先日の弥益ドミネーター聡志選手との試合でその答え合わせができたと思うんですよ。今、格闘技への取り組み方ってどうなんですか?

平本蓮選手(以下・平本選手) 練習が楽しいんですよ。前よりずっと格闘技のことを考えているし、格闘技に愛情がありますね。だから岩﨑先生(岩﨑達也。剛毅會空手宗師)と気が合います。考えが止まっている人って、固まるんですけど、岩﨑先生の場合はたまに教える内容が変わったりするんですよ。だから「こうじゃなくていいんですか?」って聞くと、「いやこれでいいんだよ」って返ってくるんですけど、つまり岩﨑先生自身も成長しているんですよね。

だから教えてもらっているのはもちろん、同じ打撃出身の武道家として岩﨑先生も極めようとしているんじゃないかなって感じるからこそ、面白いんですよ。本気で世界最強を空手で証明しようとしているという。今、骨折が治ってないからスパーリングとかできていないので型を中心にして、岩﨑先生は型に重点をおいてやるんですけど、僕はその型の意味を実感してきています。

――打撃でMMAを制す、ですか。ミルコ・クロコップ選手なんかはひたすらタックルを切って切って切って、トップまで行ったわけじゃないですか。

平本選手 そうですね。ミルコ・クロコップがケビン・ランデルマンかなんかに負けたとき、組みの練習をすごい増やして組み技のレスラーを意識しすぎたみたいな話を聞いたんですよ。そういうのもあって、その前に「拒否する」というか、乗らないことですよね。組み技の練習はたくさんやっているんで苦しい組み技の練習を逆に増やしてるから、すべてにおいてどの状態からでも打撃を効かせられる、そういう隙のないスタイルを研究している感じですね。

――この前のドミネーター戦は足に怪我をしていたから、すぐ立ち上がっていったっていう事ですね。

平本選手 そうですね。あれもパウンドを仕掛けていけばKOできるかなと思いましたが、勝ちを狙うよりクレバーさを試合のなかで出せたのが自分のなかで大きいんじゃないかって。

――打ち合ったら絶対負けるし、タックル行っても切られるし。あの試合巧者のドミネーター選手が完敗でした。

平本選手 打撃ができない選手って、なるべく食いつきたいと思うんですけど、やり過ごしたい時間はやり過ごしちゃえば相手が来るタイミングなんてわかるんですよ。みんな必要以上に打撃を嫌がってくれるからこそ、組み技でしか来ない。仮に打撃で来たとしても中途半端な打撃が僕に当たるはずがないんで。

――MMA選手である平本選手の入口がK-1だっただけで、柔道が入口の選手もいるし、それだけの話で、それを過小評価してるのはおかしいっていう。石渡さんも長谷川選手も、平本選手は練習ではUFCレベルって言っていました。が、「いやいや違うよ」みたいな冷笑ツイートやYouTubeでの選手たちの発言があったじゃないですか。それがみんな手のひら返していったじゃないですか。そういうのをご覧になっていかがでした?

平本選手 まあ、まだ驚くのは早いです(笑)。

――これからがスタートということですね。

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平本選手 はい、こんなんで驚いていたら身が持たないでしょ。完成度でいえばまだ全然納得いかないレベルです。

――まだ(MMAを始めて)2年ぐらいですもんね。

平本選手 そうです。こんなので私を評価しないでください(笑)。

――この選手とやったら面白いな、みたいなイメージはあるんですか?

平本選手 斎藤裕(RIZIN初代フェザー級王者)とやったら面白いかなと思いました。2回ぐらい練習したことがあるんですけど、スパーリングはしたことないんで盛り上がる試合しませんか?っていう感じです。

――格闘技ファンが喜びそうなマッチメイクですね。

平本選手 そうですね、「本当の格闘技ファン」をメインに面白い試合を届けたいですね。

 

 

●プロ格闘家が無視するブレイキングダウンの話

――えーっと、ではそろそろBreakingDownの話をしていいですか?(笑)

平本選手 はい(笑)。

――僕は初め『ガチンコ!』(TBS系)の流れのバラエティ番組だと思っていました。なので興味はなかったのですが、観なければ批評もできないと思ったんで4回目あたりを課金して全部を観たんですよ。そしたら審査員席に放送作家さんがいらっしゃったんで「だよね。作家さんがいないと成り立たないよね。」と思いました。僕も10年くらい前から少しだけテレビに出ていたので大まかな台本があるとは推測します。で、前回、(BreakingDown6)にチンピラみたいな人がオーディションの時にパイプ椅子を投げて相手に怪我をさせたじゃないですか。台本にはなかったはずです。そうしたら武尊選手をはじめ、日本の格闘技を支えてきた選手たちが、一斉に批判ツイートをした。最近だとあまり攻撃的な言葉を発しない武田光司選手が「BreakingDownの人がRIZINに出たい」に対して「帰れよ」ってYouTubeで言っていました。

平本選手 とりあえず椅子でぶん殴ったヤツ、久保田でしたっけ? あいつはホントにバカなヤツだなと。「朝倉未来の1000万円オーディション」かなんかで出てきたと思うんですけど。多分あいつはBreakingDownを盛り上げてやろうっていう気持ちだったと思うんですよ。とりあえず乱闘起こせばバズッて自分が一番話題の試合になれるって勘違いした。小学校にいるじゃないですか、運動会とかで頑張ろうとして空回りして列を乱しちゃうヤツみたいな(笑)。でも、ヤツ自身は朝倉未来のために頑張ろうと思ってやったことが、結果としてどう考えてもやりすぎでしたよね。

――あれは僕ら一般メディアや新聞の社会部や週刊誌目線で言うと、犯罪に問われますよ。例えばやられたのが僕の友達とかだったらはっきり言って大事にします。やる気のある弁護士を何人かに動いてもらって、被害届を出させて映像も残っているので運営ごと提訴します。そのレベルです。ああいった傷害を甘くみてはいけません。さらに知り合いの記者やジャーナリストに呼びかけ記者会見などして、イベント自体を社会的な問題にしますけどね。だって、あれ間違って目にパイプ椅子が入ったら一生の怪我でしたよ。

平本選手 ホントに危ないし、たぶん朝倉未来とかに言いくるめられて、被害届も出さなかったんでしょうけど。「ガチンコファイトクラブ」って、当時は同じプロボクサーの人らが「ニセモノだよ」とか、ブチ切れていたと思うんですよ。でも当時はSNSがないから、ボクサーの声って届かないじゃないですか。でも今はSNSがあるから現役選手の不満を直に聞ける時代になった。
俺からしたら「ガチンコファイトクラブ」とやってることは変わらない。まあ、BreakingDownはなくなってほしいんですけど。何でなくなってほしいかというと、なくなったら朝倉未来とかが困りそうなのが面白いから(笑)。だからコンテンツとしてはどっちでもいいんですよね。ただBeakingDownに出ているような連中がRIZINの会場に来て、RIZINの選手以上に大きな顔をしているわけですよ。

―ーえ。プロよりも、ですか?(驚)

平本選手 そうです。BreakingDownの選手は痛いけど、他の総合格闘家たちも、「おまえらも胸張って堂々としろよ」と言いたいですね。BreakingDownに出れば再生回数が期待できますね。現に、朝倉未来にくっついてるヤツって再生回数欲がしいヤツだけじゃないですか。ぱんちゃん璃奈然り、昇侍然り、YA-MAN然り、白川陸斗とか、全員が朝倉未来を好きなんじゃなくて、朝倉未来の再生回数に依存して集まってる人たちなんです。それで構成されたのがBreakingDownって感じじゃないですか。そんなBreakingDownの再生回数を狙うんじゃなくて、変な話、格闘家がBreakingDownのヤツらにムカついてるんだったら試合会場で誰かに動画撮らせて、UFCファイターみたいにぶっ飛ばしちゃえばいいんですよ(註・眼が鋭くなりました)。
UFCだと試合会場でケンカしているじゃないですか。あんな感じでRIZINの会場でぶっ飛ばせばいいんですよ。で、動画撮ってTwitterに載せて「調子に乗ってるからぶっ飛ばしてきました」みたいな。あいつらも「一応」格闘家を謳っているんで。俺はやらないですけど誰かやってくれって思っています(笑)。

――何か、あの構図って「貧困ビジネス」を思い出しちゃったんですよね。

平本選手 ああ(うなずく)。

――つまりマネタイズ出来ている朝倉選手がいて、そこに現在不況の煽りを食っている若者が一発当ててやろうと群がる構図。これは政治が良くないのですけど、地方から出てきてお金がないから、じゃあBreakingDownに出て暴れて朝倉選手とコラボすればYouTube登録者数10万ぐらいいって、そうすると月収は一般のサラリーマンより上にいって、それでOKみたいなシステムが確立したのかなと。長くは続かないにせよ。

平本選手 いやホントに。

――そうじゃない人もいますよ、DEEPに2回ぐらい出ているような選手やプロはそこには入りませんけど。

平本選手 そんな出方してどうするの? と思うんですけどね。だったら俺みたいに真っ向から気持ち悪いって言っているほうがまだいいと思うんですよ。俺は朝倉未来を一番利用していますから(笑)。

――そうかもしれませんね(笑)。

平本選手 あの周りの金魚の糞になることしか脳がないヤツらより、俺が一番朝倉未来を利用して売名しているんで、おまえら俺を見習えよ、こうやって売名するんだぞって。でも売名売名言われても、知名度が大きくなれば売名じゃないですからね。世の中なんでもケンカ売って物語が始まるわけじゃないですか。売名なんて言っていたら一生ケンカなんて起きねえよっていう話で。だからあの周りはホントに胡散臭いというか。青汁王子(三崎優太氏)もくっついてきて。

――彼には判決が出ていましたね。日刊ゲンダイとの裁判で右翼を使ってライバル企業を脅したという報道が正しかったと(『「日刊ゲンダイ」が青汁王子との訴訟に勝訴 ライバル企業に右翼の街宣車は「真実」と認定』2022年7月14日より https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/308331) 反社絡みがPRIDEを見ても分かるように暴排条例後、一番興行側が気にしなくてはならないのですけれどね。ブレイキングダウンがさらに大きくなるようなら当局も週刊誌も目をつけると思います。

平本選手 あと、アウトサイダー勢とか今更呼んで絡んでて、いつまで同窓会やってんだよ、みたいな。

――まあ……(苦笑)。あのぐらいの年齢になると同窓会のような気分なのではないでしょうかね。それと、前回の大会後のインタビューで朝倉選手が「将来は東京ドームで」って言っていました。東京ドームを押さえるのってすごい大変なんだけどな、と思いました。「勝負論を求めたいから2月に自分が出る」みたいなことも言ってるんですけど、RIZINと被りますね。

平本選手 はい。でも朝倉未来の気持ちもわかるというか、ファイトマネーを想像するとYouTubeのほうが稼ぎがいいわけじゃないですか。選手として世界的な選手でもないし。あとは如何に自分のブランディングを落とさずにどう辞めるか、みたいな事でしょ。

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――朝倉選手と平本選手がやるんだったら、東京ドームでもしかしたらっ、ていう気はしましたけど。

平本選手 でも朝倉未来とは試合はしたいですね。クレベルよりは戦い易いんじゃないかっていうところを狙って、ここは名誉挽回するために朝倉未来は俺とやったほうがいいんじゃないかな。僕は絶対に、ファイトスタイル的に負ける要素がないっていうのもあります。あいつは相当ビジネスのセンスがあるけど、格闘技のセンスはどう足掻いてもこの俺に敵うはずないんで(笑)。だからブチのめしてやりてえなっていうのはあるんですよ。でも、東京ドームは嫌なんですよね。RIZINの東京ドーム大会を観に行ったらシンプルにデカすぎて観づらいなと思ったんで(笑)。もっと密集している会場がいいですね、日本武道館とかでやりたいですね。夢なんですよ。

――あ、まだなかったんですか?

平本選手 ないんですよ。小さいとき、初めて観に行ったK-1の大会が日本武道館だったんですよ。魔裟斗(元キックボクサー。言わずと知れたK-1の象徴的存在)と川尻(達也選手。総合格闘家)さんがやったときで。あのときの日本武道館の歓声がすごくて鳥肌立ちまくったんです。

 

 

●プロの格闘家であるために

――一部の格闘技ファンの見方やもしかしたらメディアもそうですが、再生回数が増えるからBreakingDownに出たい、と。現に元プロ格闘家もそういう事を言っています。それも分かるんです。食べていかなければならないし。でも格闘家ってリングの上での闘い方で、リスペクトされるべき存在だと思うんですよ。再生回数でリスペクトされるのではなくて。命削って体削って、観ている僕らは感動するわけじゃないですか。何十年にもわたって語り継がれるわけじゃないですか。そういう存在であってほしいんですけど、最近一部の選手がカン違いしていると思うんですよね。

平本選手 (頷きながら)大体、技術を持っていないBreakingDownの選手に数字抜かれようが、別に悔しくなくない?って思うんですけど。だってYouTubeで格闘技を使って数字を取るコンテンツは朝倉未来が出てきて安保瑠輝也(選手。K-1キックボクサー)が真似して、いろんな格闘家がスパーリング企画とかして、他競技の選手とやったりした。で、ある程度一定の再生数が取れる格闘技コンテンツというものを、朝倉未来が生み出したとしても……。

―ーそこは各格闘家にとっては、有難いですよね。

平本選手 いや。じゃあ、音楽を例にとってみましょうか。ミュージシャンとしては大した腕はないけどYouTubeの登録者数は多いみたいな音楽家とか、格闘技のコンテンツができる前から多分存在したじゃないですか。でも本当に実数を持っていて世の中からリスペクトもされている有名ミュージシャンって、全く相手にしてないと思うんですよね。そういうチャンネル登録者数を持っているアーティストのことを。

―ー確かにそうですよね。世界的ミュージシャンと言うと、例えばグラミー賞取ったB’zとかからそういう発言は聞かないですね。

平本選手 結局、技術がないからのし上がれないわけで。そんなところで暴れて名前を売ったところで枝葉末節でしかない。要するに「BreakingDownの誰々」で終わり、じゃないですか。僕は別に「RIZINの平本蓮」じゃない。俺がRIZINを抜けても俺の人気って落ちないと思うんですよ。名前挙げたらかわいそうなんですけど、RIZIN抜けたら人気なくなりそうな選手っているじゃないですか。

――オフレコにするんで誰ですか?

平本選手 ●●とか(苦笑)。それで言ったら天心とか武尊選手とか朝倉兄弟の人気は残ると思うんですよ。だから気にすることないんじゃないかなと思うんです。どう考えても俺らより弱いし、そんなんでイキッてても、格闘技をナメてやってるヤツは56してやろうかみたいな、そういうのは格闘家って絶対秘めてると思うんですよ。そもそも地下格闘技の始まりって多分そんな感じじゃないですか、格闘家にナメられてっていうか。その静かなる自信が格闘家のカッコいいところだと思うんで、「ま、いいんじゃん?」ぐらいが一番いい対応なんじゃないかなと思うんですけどね。実際コナー・マクレガーも椅子投げたりするし、でもカッコいいじゃないですか。

――あれはまあ、しょうがないですねえ。マクレガーはマクレガーなんで(苦笑)。

平本選手 BreakingDownのはカッコよくないじゃないですか。カッコいいことだったらある程度は何してもいいんじゃないかなと思いますけどね。BreakingDownはまあこれからも頑張ってくださいって感じですけど。BreakingDownとRIZINの対抗戦をやればいいんじゃないですかね。大将戦で俺と朝倉未来が(笑)。

――武道館で。

平本選手 はい、やれたらいいんじゃないですかね。

――やりかねないですね。

平本選手 第一試合で萩原(京平選手・フェザー級)と安保の手下とかやらせればいいじゃないですか?

――そう言えば安保選手も週刊誌不祥事がに出ちゃった事もありましたね。

平本選手 そうですね。あいつも今後について噂されてるけど、BreakingDownに出場するんじゃないですかね。

――僕もブレイキングダウンは相当なコンテンツになったな、と思いました。法人化しているのか分からないし数字のことは分かりませんが、たた地上波ではないのでナショナルスポンサーがつかない。なので、不思議なスポンサーさんとかが目立つんですよね。これ、SNSでもたまに誰かが言っていますけど。

平本選手 試合会場でめちゃくちゃドヤ顔で歩いてますよ、気持ち悪いっすよ!

――そのあたり、コンプライアンスの面で大丈夫かなって思っちゃうんですよね。僕はリングに上がる人みんなリスペクトしてるんで、それを忘れてほしくないなと思うんですよね。

平本選手 シンプルに変な時代ではあるんですよ。

―ー平本選手はアンチが多いかもしれないですけど、僕から見ると真っ当なことを言ってるだけだと思うんですけどね。

平本選手 僕は真っ当なこと言っている自信はあるんで。自分の命が続く限り、楽しいっていうか燃えるんで、格闘技界を面白くして魂を燃やし続けたいなと思います。

――ぱんちゃん璃奈(女子キックボクサー)こと岡本容疑者(詐欺容疑で逮捕・勾留中。12月11現在)とかは、食えていないからああいうことするんですかね。

平本選手 いや、金に余裕があるみたいなことは言っていたらしいんですけど。シンプルにそういう性格なんじゃないですか?

――僕の職業病ですが、ああいう事件が起きるとすぐ余罪とか共犯を疑いますし、当局も捜査しているとは思います。ネットニュースだけじゃなくてテレビで報道されちゃってますからね。

平本選手 えぇーっ。テレビで流れたんですか。

――ええ。あの人もブレイキングダウンのグループなんですよね。「ブレイキングダウンの書類審査に参加しています」とツイートしていましたし。

平本 はい。あの界隈、次は誰がやらかすのか楽しみではあります(笑)。

――うーん。ホントに「大丈夫かな」と言われてもしょうがないでしょう。ですから、平本選手が見てきた格闘技界と今の格闘技の風景がちょっとモヤモヤする感じで変わってきちゃってるのかなっていうのがあるんですが。

平本選手 いや別に……。自分がカッコよく思うように進めたらいいかなと思うんで。周りはどうぞ好き勝手やってくださいという感じです。

――なるほど。

平本選手 自分の試合が盛り上がれば一番いいんで。

――楽しみですね。前から言っていますけど、平本選手が一枚上位に加われば、日本の格闘技界は変わてくると思っているんですよ。

平本選手 自分が頑張れば頑張れるほど格闘技を面白くできると思っているんで。

――いろんなマッチメイクができるじゃないですか、斎藤選手然り朝倉選手然り、「対平本選手」という部分で。

平本選手 その辺も踏まえて盛り上げたいなっていうのはあります。

――めちゃめちゃ楽しみです。今日は2年前に聞いたことの答え合わせができたのでよかったです。

平本選手 変わらないでこのスタイルで頑張ります。 (聞き手@久田将義 Photo@インベカヲリ)

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