動画配信サービスのトップシェアはAmazonでもネットフリックスでもなかった意外な結果に!!
TABLO / 2019年3月1日 9時15分
最近のテレビはテレビ番組を観るだけのツールじゃないんですね。
どういうことかというと、いまのテレビには「スマートTV機能」なるものが搭載されていて、ネットフリックスやらAmazonプライム・ビデオなんかの動画配信サービスもテレビで観られるのが当たり前。かつてはレンタルビデオ店に出かけて映画やドラマなんかを借りていたのに、いまは自宅にいるだけで観られるようになっています。
今回は、そんな動画配信(VOD)についてのデータを調査してみました。
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まず、VODがどれだけ世間に浸透しているのかを見てみましょう。
グラフ1は日本の市場規模推移と予測を示したデータです。
2011年は約800億円だったのが、2016年には1700億円と2倍を超えました。その後も市場は伸びていくと予想されていて、2020年には2000億円規模に到達。そこからも堅調に市場を拡大させていく見込みとなっています。
世界の市場についても同様の動きが予測されていて、グラフ2は定額制動画配信(SVOD)の市場規模と契約数の推移・予測を示したデータ。2014年の売上高は70.5億ドル、契約数は1.8億契約とこれだけでもスゴイのですが、2020年の予測値は売上高483.7億ドル、契約数は6.8億契約にまで伸びる見込みです。ものすごくおおざっぱに「1ドル=100円」で計算したって、2020年の売上高は約4兆8000億円というとんでもない規模ですから、その成長性に驚かされました。
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また、日本で利用できるVODのサービスは星の数ほどありますが、どこが強いのでしょうか。やはりAmazonプライム・ビデオとか、ネットフリックスなのかなと思っていたのですが、現時点でのトップシェアは二強ではありませんでした。
グラフ3はSVODのサービス別シェアの推移を示したデータですが、2018年のトップシェアはdTVの13.1%、次点がHuluの11.6%です。イメージ的に強そうなAmazonプライム・ビデオは9.8%で5位、ネットフリックスは8.9%で6位と、まだそこまで浸透しきっていません。
まあ、日本では2011年にHuluとdTV(当時はdマーケット「VIDEOストアpowered by Bee TV」という名称)が本格的なVODとして最も早く参入を果たしたという経緯があり、そのときにがっつりとつかんだ顧客をキープしているんでしょう。1回契約したら、よほどのことがないと変えないですもんね。
しかし、2017年と2018年のシェアを見てみると、dTVとHuluはシェアを減らしていて、DAZN、Amazonプライム・ビデオ、ネットフリックスという後発組が順調に伸びていることもわかります。このまま追い上げが続けば、トップシェアが入れ替わるのも遠い日ではなさそうです。
あと、完全に蛇足というか個人的な見解ですが、他社があまり推さないアダルトコンテンツを充実させているU-NEXTは、もっと注目されてもいいはずなのに...。なんというか、ビジネスホテルの有料チャンネルを見ているような興奮を味わえるような気がして大好きなんです。(取材・文◎百園雷太)
【調査方法】
同社の「動画配信/放送/ビデオソフト市場 ユーザー分析レポート(2018年10月調査版)」「VOD ラインナップ分析ツール」、総務省統計局「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」、総務省「通信利用動向調査」、一般社団法人 デジタルコンテンツ協会「動画配信市場調査レポート」、一般社団法人 日本映像ソフト協会「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」、および各社IR、報道発表資料、Web サイト掲載情報を用いて分析。
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