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荒井発言に端を発した「オフレコ」問題 メディアは何のために存在するのか│プチ鹿島

TABLO / 2023年2月10日 22時11分

荒井発言に端を発した「オフレコ」問題 メディアは何のために存在するのか│プチ鹿島

「決断と実行」……。

最近「オフレコ」という言葉をよく耳にします。オフレコ取材ってそもそもなんでしょうか。
米メディアでは情報源の扱いについて、

(1)実名を挙げて報道「オン・ザ・レコード」

(2)情報源を特定されない表現で発言を報じる「バックグラウンド」

(3)取材内容を一切公表しないことを前提にする「オフ・ザ・レコード」

以上のように3分類されている(専修大学教授・ジャーナリズム論の澤康臣氏 2月5日毎日新聞)。日本では境界がやや曖昧だが基本的には同様だという。「オフは守るべきだが、問題発言などは総合的な判断で解除もあり得る」とも。

先日、官僚トップの官房副長官として7人の首相に仕えた石原信雄氏が亡くなりました。各紙の評伝を読むと当時の石原氏の番記者たちは通称「石原朝回り」が最大の仕事だったといいます。そうして得た石原氏の発言は新聞では「政府筋」と書かれた。先ほどの3分類では(2)(3)でしょうか。

なんでこんな朝回りをするのか。わかりやすく言うなら「記事に信用性を持たせたいので”中の人”が解説してください」というマスコミの要望に対し、政権側もどうせ書かれるなら理解してもらおうと思うから協力するのだろう。

岸田首相を支えていた荒井勝喜首相秘書官が更迭された。オフレコを前提にした記者団の取材で、性的少数者や同性婚をめぐって差別発言をしたからだ。現場にいた毎日新聞の記者は本社に報告。本社で協議した結果、

荒井氏の発言は同性婚制度の賛否にとどまらず、性的少数者を傷つける差別的な内容であり、岸田政権の中枢で政策立案に関わる首相秘書官がこうした人権意識を持っていることは重大な問題だと判断した》(毎日新聞)

そして荒井氏に実名で報道する旨を事前に伝えたうえで記事を出した。一方で読売新聞は社説で、

《本人に伝えれば、オフレコも一方的に「オン」にして構わないというなら、オフレコの意味がなくなる。取材される側が口をつぐんでしまえば、情報の入手は困難になり、かえって国民の知る権利を阻害することになりかねない》
と書きました(7日)。

どちらの見解も読んで私は身近な例で考えてみた。

まず酒場等でここだけの話とはいえ酷い差別発言をしたら一般の場面でも人物を疑われる。もっと他でも考えてみよう。よくトークライブで「ここからはノーツイートでお願いします」という場面があります。その代わりとっておきの話をしますよという合図だ。実際にそうするとお客さんはノーツイートにしてくれる(私の経験では)。観客側からすればお金を払っているのにとっておきの話をわざわざ無料公開するのは損。だから双方にとってメリットがある。

しかし、もしノーツイートと言われたライブで演者が酷い差別発言を次々に放ったら?平気な顔をしていたら?観客からすれば「何でこんな奴がステージに」と思うのは当然だろう。ノーツイートとかいう問題ではなくなる。今回はましてや政権中枢にいる人だ。政策立案に関わり、首相のスピーチも書いていた。こういう人権意識を持ってる人がいることを知らせるのは報道であり公益にかなうのでは?私はそう思いました。

そもそもは岸田首相が国会で同性婚の法制化について問われて「社会が変わってしまう」と答弁したことから始まった。荒井氏はあの場で首相答弁の意図を解説していたのだ。首相答弁はアドリブだったというが、それなら真意について記者の皆さんには「聞く力」をさらに発揮してもらいたいと思います。(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)

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