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ジャニーズ問題を五大紙はなぜ報じなったのか 新聞にも「検証」が必要 │プチ鹿島

TABLO / 2023年6月10日 18時36分

ジャニーズ問題を五大紙はなぜ報じなったのか 新聞にも「検証」が必要 │プチ鹿島

写真はイメージです。

いろんなニュースがありますが相変わらず注目しなくちゃいけないのは「ジャニーズ性被害」問題だと思います。
というのもメディアの報道問題でもあるからです。よく「週刊文春」のキャンペーン報道から20年以上経っているのに何をしていたのだ!という指摘があります。確かにその期間の長さは重大です。一方で「この1か月」という短い期間にも目を凝らしたいのです。

おさらいしましょう。4月12日、元ジュニアのカウアン・オカモト氏が日本外国特派員協会で記者会見をおこないました。朝日新聞は3日後に社説で『ジャニーズ 「性被害」検証が必要だ』(4月15日)と書きました。

なので私はこのあと「なぜ報じてこなかったのか」「どんな理由があったのか」「忖度があったのか」という新聞自身が検証を始めるのかとひそかに注目していたのです。しかしそういう企画はありませんでした。

そのあと5月14日にジャニーズ社長が動画と文書を公開した。それを受けて朝日新聞は『ジャニーズ謝罪 これで幕引き許されぬ』(5月16日)と社説で書いています。ではこの1か月、自身の過去の検証をなぜしないのか不思議でした。

ちなみに朝日は5月27日にオピニオン欄で『(多事奏論)ジャニーズ性加害問題 新聞に欠けていたものは』という田玉恵美論説委員のコラムを載せています。ここで田玉氏は《新聞はなぜ報じてこなかったのか。なぜ見過ごしてきたのか。自分なりに考えてみたい》と記し、

・事情を知っていそうな同僚やOB・OGらにできる限り聞いたが、そもそも文春の記事の内容や裁判の詳細について当時の状況を覚えている人がいなかった。ただ、多くの人が同じ推測をした。この「セクハラ」が性暴力で、深刻な人権侵害にあたるとの認識が欠落していたことだ。

・この疑惑は週刊誌が得意とする「芸能界のゴシップ」であり、新聞が扱う題材ではないと頭ごなしに考えてしまったのではないかと省みる人も多かった。

・忖度しなければならない理由はないように思う。

などいろいろ書いていました。読みごたえがありましたが個人のコラムです。これに沿った社としての検証をさらに読みたくなった。まさか、このコラムが新聞社としての「検証」だったのでしょうか?


6月10日の朝日オピニオン欄には週刊文春のキャンペーン報道(1999〜2000年)に、記者の一人として参加した中村竜太郎氏が登場しています。中村氏は新聞の姿勢について、

《大手新聞は「芸能界という特殊な世界での出来事だ」と問題を矮小化していたと思います。深刻な人権問題だという認識が薄かったのでしょう。加えて、週刊誌が報道したことを新聞が取り上げるなんて恥ずかしいという意識もあったかもしれません。》

と指摘しています。
中村氏のインタビューは5月22日にも『ジャニーズ性暴力疑惑とメディア 元文春記者に聞く、23年間の絶望』とデジタル版でも配信していました。
朝日は他の新聞よりは積極的だと思うのですが、でもこの問題の検証を”外部発注”にズラしているようにも見えます。
先述した論説委員も「新聞が扱う題材ではないと頭ごなしに考えてしまった」と書いているし、中村氏も「週刊誌が報道したことを新聞が取り上げるなんて恥ずかしいという意識」を指摘しているし、では今度は新聞社自身がこの点を総括する番だと思うのです。

これ、嫌味で言ってるのではなく、そういう企画を単純に読みたいのだ。朝日をはじめ各社の企画として振り返ってくれませんか。

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