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X JAPANベーシストHEATHさん逝く ドトールコーヒーで声をかけても応じる心優しきミュージシャン

TABLO / 2023年11月8日 10時24分

X JAPANベーシストHEATHさん逝く ドトールコーヒーで声をかけても応じる心優しきミュージシャン

CD「迷宮のラバーズ」より。

X JAPANのベーシストHEATHさんが10月に急逝していたことが、7日判明しました。享年55歳。年明けから体調不良で、癌が発覚したとのことです。

「穏和で謙虚な人でした。ご遺族、個人事務所等のオフィシャル発表がなされないうちに、小学館が報じたので、新聞社は報道にあたって困惑していました。親しい音楽関係者には、訃報は以前から入っており、親族で葬儀は営まれたと聞いています」 (音楽業界関係者) X JAPANには、故HIDEさんの推薦で加入したという。

「HIDEさんのギターを作った人に、HEATHさんもベースを作ってもらっていました。職人肌の完璧主義者ですから、YOSHIKIとの相性も良かったようです。穏和な性格ですから、衝突することもありません。昔気質の熱いロックミュージシャンは、激昂して殴り合いになるようなこともありましたが、HEATHさんは、宥めるタイプでした。 HEATHさんは、身長180センチで体重50キロ。今まで会った人の中で最も体脂肪率が低い、衝撃的な数値でした。思えば、癌が進行しやすい体質でいらしたのかもしれません。 ベーシストの職業病的に前腕筋が非常に 発達していました。クールなルックスですが、 人懐っこい笑顔が魅力的な優しい人でした。 お母様が飲食店を営んでいらしたので 女将の心遣いのような部分があったかもしれません。ファンレター返信する等、マメな方でした。 昔から、アメリカのロックバンド『Nine Inch Nails』推しで、一時期は、メールアドレスにも『Nine Inch Nails』を入れていました。 『Nine Inch Nails』は、2020年に殿堂入り。先見の銘もおありでした」 (音楽ライター) 。

X JAPANが解散、再結成するまでの期間、 HEATHさんは、ボーカリストISSAYさん(8月5日)とLYNX(リンクス)というロックバンドで活動しました。ISSAYさんが亡くなった時に連絡した音楽ライターは、 「返信がなかったし、親しい関係者に聞いても、彼は引き篭もっているからとの回答だったので、おかしいと思っていました。闘病なさっていたことを後で知り、驚きました」


HEATHさんの最後の表舞台となってしまったのは、8月20日開催のYOSHIKIディナーショー。HEATHさんはYOSHIKIのピアノ伴奏に合わせ、X JAPANの代表曲「Rusty Nail」をベースで演奏しました。 「どれだけ涙を流したら、、あの映像を見たら、やつれているし、歩き方も少しよろけています。義理堅く、優しいHEATHさんは、無理してゲスト出演なさったのかもしれません」

兵庫県尼崎市出身のHEATHさんは、10代の頃、PARANOIA(パラノイア)というメタルバンドで活動し、DEAD END等を輩出した関西メタルシーンの老舗レーベル「ナイト・ギャラリー」から1987年にアルバム「COME FROM BEHIND 」をリリースしました。

PARANOIAのボーカリストNOV (AIONでメジャーデビューし、現在はVOLCANOで活動)は、 「ショックが大き過ぎます。胃が痛くなりました。まだ、亡くなった実感が湧いてません。ご冥福をお祈りします。PARANOIAのステージでカッコよくベースを弾いていたHEATHの姿、 X JAPAN加入後に再会し、『元気?』と、声を掛け合ったこと、HEATHのファンクラブイベントでPARANOIAの曲をやろうと声をかけてくれて、久しぶりにステージで一緒に演奏したこと等、HEATHとの想い出が走馬灯のように 浮かびます。HEATHが大好きな若者と少し前に話す機会もありました」 と話しています。

著名なロックバンドの人気ミュージシャンでありながら、天狗になることなく、素顔は庶民派だった。行きつけのロックバーでよく遭遇した常連客は、退院して来店すると、『大丈夫ですか。心配しましたよ』とサラッと話していました。腕が噛まれるのが、好きな常連客からのリクエストで、照れ笑いしながら、腕を甘噛みするなど、サービス精神旺盛なキュートな方でした。 近所のドトールコーヒーで、昼に一人でコーヒーを飲んでいるのに遭遇したこともあります。 『おはよう御座います。モーニングコーヒーです』と人懐っこい笑顔で挨拶されました」

大阪のライブハウスに出演していた頃から 交友があったギタリストの屍忌蛇(しいじゃ) (VOLCANO、ex gargoyle、exANIMETAL) は、「GargoyleのCDジャケットで僕が履いていたウェスタンブーツはHEATHから頂きました。アクセサリーも頂きました。  HEATHとの楽しい想い出がたくさんあります。僕が泥酔して御堂筋の路上で大の字に寝てしまった時、HEATHが助けてくれなかったら、クルマに轢かれるところでした。命の恩人の優しい男です。もともとお酒が飲めなくて、ソフトドリンクを飲んでいましたが、X JAPANに加入してからYOSHIKIに鍛えられたようです。ご冥福をお祈りします」と偲びました。

最近、ロックミュージシャンの訃報が続く中、筆者が最も親しくさせていただいていた のが、HEATHさんでした。 アーティストとしての肖像権に関して、留意していらして、酒場等での撮影は禁止されていたので、写真は残っていないのが残念ですが。 LYNXのISSAYさん、X JAPAN解散時にDope HEADzというバンドで共に活動していたPATA(X JAPAN)等と共にドン・ペリニヨンを開けた夜等、HEATHさんとの想い出で涙が止まりません。 ご冥福をお祈りします。 (文@霜月潤一朗)

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